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熱海 遊行記 day1
2020年秋、友人達と熱海に行った時の記録が残っていたので、GW中で外出出来なかった自分のために、書いていこうと思う。
出発当日。目覚ましで朝6時に起床する。旅行でもなければ、こんなに早起きもしない。
昨日は寝る直前まで酒を飲んでいたため、頭がやや重たい。荷物のチェックをし、外出の支度をするが、出る直前に腹が下ってしまい出発が遅れる。遠出の前には、必ず胃腸がナイーブになる、典型的日本人だ。
8時に自宅を出る。
自宅を出、小田急線、埼京線を乗り継いで赤羽を目指す。同行の友人は、古くからの友人である。予定時間には、どうにか間に合った。
待ち合わせの赤羽駅にて合流し、東海道本線で熱海へ。
車中で友人たちが差し入れてくれた缶ビールを1本飲んだ。ナイーブな胃腸には響くが、アルコールで一息付きたい気持ちが勝ってしまった。
電車が進むとどんどん都会の風景が遠ざかっていき、次第に山と海に景色が変わった。
午前中に熱海に到着した。
快晴である。というか、暑いくらいだ、熱海だけに。
駅前には温泉地らしく足湯が設けられていて、旅情を掻き立てられる。
友人たちと駅から海へ下りていく街道を散策。温泉まんじゅうの売り子が矢継ぎ早におススメしてくるのを払い除けつつ街歩きだ。
確かに観光地然としているが、妙にレトロで昭和感が強い街並みである。時代の進歩に取り残されたような、ノスタルジックな街並み、昭和レトロ好きには堪らん町並みだ。
そんな街の海沿いまで歩くと、ヤシの木が街路樹として植えられている。
![](https://assets.st-note.com/img/1683274304352-oG4CW9xTv1.jpg?width=1200)
アッパーなんだか、ノスタルジックなんだか、その取り合わせも熱海らしくて良い。昔、オダギリジョーと栗山千明が出ていた『熱海の捜査官』というドラマがあったが、あれもこの独特な熱海の雰囲気がよく出ていた。
昼食は、道中にあった地元の食堂で摂った。
店先では静岡らしく黒おでんを売っている。
ここでは、生しらす、いくら、漬けサーモンの丼物を食べる。非常に美味かったのではあるが、二日酔いの胃腸には堪えたらしく、すぐに腹が下る。酒飲みの因果である。
![](https://assets.st-note.com/img/1683274374090-xpzlhlXCSf.jpg?width=1200)
食後、煙草を吸いに店の外へ出た際に、店員さんたちがお喋りをしている、やや関西寄りの口調に耳をそば立てる。思えば、この辺りは関東と関西の中間くらい、この辺は少し関西っ気が強いらしい。
そのまま歩いて海岸へ行く。冒頭の写真が浜だ。実に綺麗だった。
浜へ下りていく階段に座り、潮風に当たりながら、しばらくぼんやりとしていた。潮の匂いは久しぶりに嗅いだ気がする。
海は快晴の空を映して真っ青。眼下には砂浜と観光客。女子大生だろうか、4人組の女性が、カメラのタイマーに合わせてジャンプしたりしているのを眺める。
賑わう、という感じでもないまばらな人の群れではあるが、それもまた妙に落ち着く風景である。
宿にチェックインできる時間帯になったので、宿へ向かう。
海岸から宿のある方面へ向けて歩くのだが、驚くのは熱海という土地の、海から街へ向けての高低差である。
海から見ると、ほぼ崖と言えるような切り立った土地だ。
よって、海から駅側へは歩くというより、登る感覚に近い。
だが、その土地の性質によって、建物からは遮るものもなく海を眺めることができる、というのもある意味では魅力なのかもしれない。
土地の高低差や、曲がりくねった道を観光客は何事もなく闊歩しているのだが、改めて考えると、観光地向きではない、と思われるくらい妙な地形だ。
そこに建つ観光施設や温泉によって私たちは熱海を観光地だと思わされているだけなのではないだろうか。
と、無粋な考えがよぎった。
夜、同行の友人たちと連れ立って、夜の熱海を散策。
酒屋で、宿に帰ってから飲むために地酒などを買い込む。
日曜だからだろうか、かなり閑散としている。向かった時間は午後7時頃だったのだが、既に店仕舞いをしている飲食店も多かった。
とは言え、静かになった観光地ほど歩きやすい街もないので、ゆったりと散策。
どこへ入るか思案した挙句、街の中心近くにある町中華へ入る。
主人が一人で切り盛りしている、ラーメンと一品ものでやっているお店であった。既に地元の中高年グループが飲んでいて、いい塩梅で盛り上がっている。
こちらも生ビールなどで乾杯。
なかなかに良い店だったのだが、惜しむらくは、店主がワンオペで回しているため、頻繁に呼ぶのを躊躇われることだった。
私たちの入店後は、地元の客がぽつりぽつりとやってきて席を埋めていく。そうした客層がやってくる、「地元の店」なのだろう。
その後は宿に戻って、買ってきた地酒で飲み直す。
いい塩梅の夜だったが、如何せん酒を飲み過ぎた。
寝る前に、昼間の街で見たストリップ劇場の古い看板を思い出した。
二日目は近日中に書きます。
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