オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント④

時代を超えた宝物。時代を思い起こす宝物

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こんにちは、小宮です。

今日の写真は、最近、入手した宝物。フラワーコミックスでの「ポーの一族」です(第5巻は初版!!)。多分、ある年齢以上の方は驚愕されたかもしれない。この書物(あえて、そう書く)は、天に召された先輩の奥様が所有していたもの。最初、若い子向けに某学校の図書館に寄贈するはずが、我が家で預かることになり僕のコレクションになりました。(保管だけでなく、きちんと教育に使います)

高校時代のオタク友人とのサークル名に”ポー”と付けた僕にとって、当然、読破はしていましたし、度重なる引っ越しなどからフラワーコミック版を手放しても、文庫版などで”ポーの一族”を含む萩尾望都先生の書物は持っていました。(AMGプランナーの17期までの卒業生には、教材として「11人いる!」「百億の昼と千億の夜」をあげたよね~。今、凄さに気づいたのではないかい?)

では、なぜ昭和49年から51年(1974年から76年)に発行されたフラワーコミックス版「ポーの一族」を特別視するのか?

答えは簡単です。初めて手に取った「ポーの一族」だから。初回の記事で、オタク歴55年=生まれた時の環境がオタク形成に結びつくって書きましたが、いわゆる”男の子”である僕が、小学生高学年の男子として萩尾望都作品に出合う確率は少なく(妹がいたので「なかよし」「りぼん」などの低学年向けの少女漫画は目にしていたが)出会いは”週刊 少年チャンピオン”の紙上だった。ちなみに1970年代後半(私の小学生から中学生)の”週刊少年チャンピオン”には「キューティーハニー」「マーズ」「番長惑星」と言ったSF群が連載され、そして「ブラックジャック」「750ライダー」「ドカベン」と言った良作も載っていた(ちなみに「ブラックジャック」に繋がる、手塚治虫先生の性教育マンガ「やけっぱちのマリア」は1970年に連載されていて、少し意味が解った頃チャンピオンコミックスでドキドキしながら読んでいたんだけどね)

そして、週刊少年チャンピオン 1977年34号。光瀬 龍 原作/漫画 萩尾望都「百億の昼と千億の夜」が連載開始。

連載から1っか月。中学2年生の僕は、繊細なタッチで描かれるアトランチスの繁栄と滅亡、神の横暴と言う壮大なテーマに打ちのめされる。そんな僕に3つ年上の女子・学校の先輩がチャンピオンを見ながら言う。

”あれ、萩尾望都が少年チャンピオンで書いてるんだ…へえ~。ま、SFもファンタジーも書くもんね””ちょ、何?この人、少女漫画家でしょ?少女漫画でSF、ファンタジー?””ああ、そうか…わかったコミックス貸してあげるよ”

こうして僕は「百億…」に続き「11人いる!」(小学館文庫)とフラワーコミックの「ポーの一族」に出合い、瞬時にエドガーの妹・メリーベルに恋したのだ。まさに”中二”で、人生を変える作品に出合ったのですな。(書いていたら、そのお姉さんがセーラー服で乗っていた自転車 その前輪上のカゴに無造作に入れられた西友の紙袋に入っていた事まで思い出した。それだけ強烈な記憶だったんですね)

だから、違う形で持っていた「ポーの一族」(文庫版で、買ったはず)のフラワーコミックを手にした瞬間。”時代の記憶”が流れ込んできたのだと思います。コンテンツと接した時の記憶は、接した時代との記憶なんでしょうね。そして僕は、この時から少女漫画にも手を伸ばしたわけです。重要な出会いでした。

さて、今日はジジイの思い出話。でも、若い人にもコンテンツに出会った衝撃は忘れないでいてもらいたいですね。感想、シェア宜しくお願いします!



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