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お着物散財日記 4 女の自立と着物

昔は旦那様に着物を買ってもらう、という女性はたくさんいたと思いますがお着物が高級品となってしまった今、ハレの物はともかく、日常的にお着物を着る女性の多くは経済的に自立している方たちだと思います。今どきの男性で着物がわかる人は稀(こちらも絶滅危惧種か)ですし、ごっつあん体質の女性には男性もルイ・ヴィトンやエルメス買ってあげたほうがわかりやすいですしね。

まあ、そんなわけで着物(それも良い織りの着物)を日常着の一部としている女性には尊敬の念しかありません。街でお見掛けすると後をついていきそうになります。着物を自分の目で選び、自分のお財布で買うことほどカッコいいことはない、と私は勝手に考えています。ですから自分も自腹を切ることで審美眼も少しは養われていくのだと信じて修行を積んでおります。

本を読んで知識を付けることはできますが、手触り、着心地、経年変化(織の着物はこれが素晴らしい)、お手入れ、などは実際に触れてみたことがなければほぼ無意味です。この実体験を伴わない知識がまかり通るインターネットの時代。私は真逆を行きたいですね。

時流に乗って儲けることしか考えない方たちがSDGsなどに群がってギャーギャー言っているようですが、それなら洋服やめて着物着たらいいんじゃないでしょうか?良いものは50年でも着られますし、次世代に渡すこともできます。スタイルは不変ですし、体形に対する許容度も洋服よりもずっと高いです。毎年安物の洋服買っては捨てているなら着物のほうがずっと環境に良いです。

私は将来は着物を何かの形でサービスできるビジネスをやってみたい、とも考えています。もっと若い人たちに「本物」の良さを知ってほしい。たとえそれが手に入らないものでも、良いものを知ることは大事なことだと思うからです。ましてや民族衣装。民族衣装なのに何も知らないじゃあ情けないですね。

良いものは誰かに買ってもらうのではなく、自立して自分で買うこと。工夫もしますし知識も増えます。着物の知識は日本人としての教養の一部です。

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