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ヨーロッパ旅行(ドイツ編⑧)
旅行5日目。
ホテルから出た私は、国会議事堂に向かった。
濡れた地面が太陽の光を受けて、白く光って一本の道を作っているのが、美しかった。
スニーカーが雪の地面をさくさく踏み歩いていく音が気持ちいい。
歩いて20分ほどで、国会議事堂に到着。
目の前に国会議事堂が勇敢に聳え立っている。
さすがの迫力だ。
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国会議事堂の前では、事前予約をしたであろう観光客が内部を見学するために並んでいた。
こんな朝早くからすごい行列でびっくりした。
地方からベルリンに旅行に来ている人も多いのかな。
私たちが東京に遊びに行くようなものなので、彼らの気持ちもきっと昂ってるんだろうな。
私は国会議事堂を後にして、ブランデンブルク門へ向かった。
ブランデンブルク門は統一ドイツの象徴ともいえる存在で、私が高校の時から人生に一度は訪れてみたいと思っていた場所だ。
いざ目の前にすると、その壮大さに圧倒された。
とにかく大きい。本当に大きい。
門をくぐり抜けたら、前を向いている中央の馬車と勝利の女神が見えた。
何気なくこの門をくぐり抜けているが、すごいことなんだよなぁと私は思った。
東西分裂時は、門の付近に壁が築かれて、この門を通ることはできなかったのだ。
門を見ていると、目の前をたくさんの人が通り過ぎていった。
ただ、いつもの日常なのだろう。明日も明後日も続いていくであろう日常。
私は今の私たちの生活は先人の生きてきた歴史があってこそなんだと再確認した。
ブランデンブルク門を後にした私は、ペルガモン博物館に行った。
ペルガモン博物館は古代ギリシャの遺跡や当時の道具や美術品などを展示していて、ドイツでトップクラスの人気を誇る博物館だ。
博物館の中に入ると、大小様々な像が私を待ち受けていた。
「思ったよりも像に描かれている服は繊細だなぁ」とか「神様として崇めるにしては怖い見た目すぎやしないか」などの感想を抱きながら、館内を歩いていく。
一つ一つの像をどれくらいかけて作っていたのだろうか私には推しはかることができないけれど、相当な時間を要したことくらいはわかる。
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私は大小様々の土器や衣服やボードゲーム見ながら、3000年前に生きていた人々たちに思いを馳せた。
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彼らも今の私たちと同じように、ご飯を食べて、働いて、仲間と娯楽を楽しんでいたんだろうな。
彼らも当時あるものでより合理的な生活を生み出してきたんだろうな。
などと勝手に想像を膨らませた。
目の前に広がる古代ギリシャの世界を前にして、私はこんなことを考えていた。
"結局のところ、今あるもので生きていくしかないんだよな。個人も社会も。どんな時代でも。
いくらないものねだりしようが、過去と比較して現在を悲観しようが、結局今の自分で今の社会を生きていくしかないんだよな。
いつの時代もそれだけは変わらない。目の前の生活があるだけだ"
2時間半くらい展示物を堪能した上で、私は清々しい気持ちで博物館を出た。
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