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【見どころ】FC町田ゼルビア 2023年第39節 ロアッソ熊本戦

こんにちわこんばんは。ひだりです。

なんだか……緊張が解けない今週です。

秋田戦:この町田で前進する覚悟

有り体に言って、サポの自分が見ても面白いと言いづらい試合だった。結果にハラハラするリアルタイムはともかくとして、自宅DAZNで見直した後半はなかなか試された。(そんな中でもナカシ投入からの雰囲気の変化は凄い)

でも、選手は全員で戦っていた。前がかりにアグレッシブな守備で、チャンスの瞬間、勝利の瞬間を取りに行った。

秋田の仕掛ける球際強く縦に速いサッカーを受け入れ、球際強く縦に速いサッカーを突き返す。
鈴木準弥・太田宏介、キックの計算できる二人を両脇に置いて、秋田両サイド裏へロングボールを配給する。
自陣に飛んできたボールはCBが跳ね返し、1アンカー2IH中心にアグレッシブに仕掛けセカンドボール奪取合戦でも相手に時間を与えない。
ゴール前に飛んできたボールはハッキリとクリア。なるべく敵陣でのプレイ時間を長くする。

ボールが相手に当たってピッチの外に出れば、スローインで前進できればロングスローも狙える。相手陣地の時間を長くして、CKのチャンスも生まれるだろう。セットプレーで生まれるそれも町田のリズムだ。
今年の特徴であると同時に、こうした系統のサッカーはかれこれ5年前から知っている。

J2屈指の球際強度・激しさを誇る秋田の圧力を前に、いなしてうまくやるのではなく真正面からぶつかりあうのは、選手たち、現場にとって本当にタフな仕事だったと思う。

それだけに、乗り越えられた価値がデカい。

個人的な感想を言えば、この町田が首位なのかという感想だが、最も多く勝ち点を積んでいることは事実。

杜の都から世界を照らせ「2023 J2 第26節 ブラウブリッツ秋田 vs FC町田ゼルビア」 https://note.com/s04_vega_atm_rbb/n/nf6c048f0d0fb より引用

杜の都〜さんnoteを読んで、そりゃそうだよな……と思いつつ、、この戦いに意図して引き込み、もつれ合いに臨んだのは自分たち。
選手たちがそういう戦いをする覚悟を決めて、貫徹できた部分が、チームにとっての今節の価値だったと思うので

不格好でも進む選択を取って得た「首位と思えないようなサッカー」のトロフィーは、本当に賛辞だと勝手に誇りたい。

想いを巡らせていった先に、結局、今節のことは、秋田だけでなく町田にとっても、

  • 前に挑み続ける。個人の力を付ける。

  • 試合に勝つためにゴールを奪う。ゴールを守る。

  • ゴールを多く奪ったチームが勝つ。

  • 意志の強い走りと想い。日常からチームが勝つために、チームにどうやって貢献できるか。貢献と結果は繋がっていると思います。

敵将・吉田監督の試合後コメントにそのまま集約されてるじゃないかと気づいた時、なんだか、妙にハッとしました。やっぱり秋田の哲学に感じる妙な同志感。ありがとうございました。

秋田との死闘から1勝を取るのはこれほどまでに厳しく難しいことを再確認し、掴み取るまで続けましょう。
第38節、ロアッソ熊本戦の見どころです。
どうぞよろしくお願いします。

ロアッソ熊本の最近

まず前半戦のハイライトを置いておきます。

サイドからのクロスをデュークが収めおっくんの強烈ミドル1撃+裏狙いのロングボールを収めたデュークがエリア外で倒されたもののPK判定でエリキ決めきり。
88分、(ほんとは戻りオフサイドっぽいけど)粟飯原のクロスを石川フリックでゴールに流し込み1点差に詰め寄られるも以後決死の守備で守りきり、逃げ切り勝利した試合でした。

94分(ハイライト8:22 〜)、粟飯原の右サイドからのダレクトボレーに対するポープのシュートストップは、ゼルつくのインタビューでポープ自身が前半戦のベストプレーにあげていました。

前回対戦時プレビューがこちら。

対戦相手が熊本=つないでくるチームという前提で警戒して臨んでくる影響か、現在の熊本は、当時の印象と比べても、ポゼッションをフックに守備ライン裏やサイドを狙う取り組みが多めになってきている印象。

裏狙い対策で守備ライン下げれば、またポゼッションでぐいぐい押し込んでくるので、90分通じて前に出るか、引いて締めるか、機を見た守備構築判断が重要なゲームになることが見込まれる。

直近の戦績

熊本の直近5戦は3勝2敗。6/17藤枝戦以降、13戦勝ちなしと苦戦が続き、降格圏争いの直接対決・大宮戦で快勝。そこから勢いを取り戻し栃木・徳島を撃破し3連勝。リーグ戦は敗れた9/30 仙台戦以来で町田との対戦になります。

Football LAB https://www.football-lab.jp/kuma/match/ より引用

リーグで苦戦する一方、天皇杯ではJ3琉球、J1サガン鳥栖・FC東京・ヴィッセル神戸を倒して勝ち進む昨年の天皇杯王者・甲府を想起させるJ2からの勝ち上がり。先日10/8の準決勝では柏レイソルに4−0で敗れ、今季の天皇杯をベスト4で終えました。

先日スカパー解約してしまったため、フルマッチ見れないのが残念ですが、この柏の戦い方には、今節のロアッソとの対戦を切り開くカギがありそうな気配がします。(リーグ戦の栃木が近いことをやろうとしたものの、セットプレイで失点しうまくいかなかった印象。)

フォーメーション3313

フォーメーションは3313。前節・秋田の吉田監督同様、大木監督もブレない人なので、対戦相手がどうあろうと3313、ピッチ内に大小の三角形をたくさん作り、後ろからパスをつないでいくサッカー。

ボールホルダーに対して狩りに行く守備

相手最終ライン〜ボランチあたりのビルドアップに対しては、ボール保持者 正面方向の選手がスプリントしプレスをかける。プレス選手と小トライアングルを構成する他の1・2人も囲い込むように接近しボール奪取、ショートカウンターを狙う。
ハイプレスとは限らないが、即時奪回の意識が強い。

バイタルエリアからテンポの良い展開とミドル

アタッキングサードでボールを持つとダイレクトor1タッチのテンポ良いパスで展開。敵陣ゴール前でこそトライアングルのポジショニングが生き、対面守備者をワンツーで抜きやすく、3人目の動きも活用しやすい。

最終ライン裏を取る

前線でつないでくるチームというカラーを逆手に取り、相手が前掛かりになったところでは最終ラインへのロングパス、アタッカーがラインブレイクを試みる。

仙台戦より平川怜スタメン復帰

9/17の藤枝MYFC戦にて、攻撃の軸のひとりである平川怜が左ヒラメ筋肉離れのため一時負傷離脱。それでも9/24栃木戦にはサブメンバーとして復帰、試合終盤の出場に留まっていたところ、前節仙台戦よりスタメン復帰、フル出場。

粟飯原尚平のコントロール精度と判断の良さ

平川の離脱中、気の利いたポジショニングとキック精度の高い粟飯原尚平が好調。特に栃木戦ではコーナーキックで先制1オウンゴール誘発、直接FK1得点と結果を出した。

攻略のポイント

攻撃的守備でアグレッシブに押し込む

パスをつなぐチームなので、楽につながせない。パス交換で中盤から先に前進させないアグレッシブな守備が生命線。

熊本は、選手配置を活かして、ピッチ上に多くのトライアングルを描くチーム。中盤を超えて流動的に動く三角形をグイグイ作られていくと、ホームいわき戦のように、こちらは後手の守備対応しかできない状況に陥ってしまう。

逆に言えば、熊本が動的な動きを取り出す前、静的配置からスタートする敵陣ビルドアップの段階でパスコースを消しながら、アグレッシブなプレスを仕掛け、熊本にビルドアップ判断の時間を与えないことで、良い熊本のパスサッカーを発動させずに時計を進めることができる。

決勝点はPKだったが、ベガルタ仙台のトランジション局面での即時奪回プレスが非常に機能していた。天皇杯での柏レイソルもこの辺はかなり意識的にスカウティングしていたのではと思う。

1.5対1で勝つ

1対1で負けないことは前提に、0.5のフォローでパスコースを消す。
熊本ボール保持者にバックパスを選択させるか、パスを出させない距離まで詰め1対1での打開を強いる。

ボール奪取できれば、熊本は小さいトライアングルを絞って即時奪回を図ってくる。そこをうまくかいくぐれば、相手守備3人をぶち抜いて前向きな状況を作ることができる。
細かなパスの散らしを挟みつつ、相手の出方次第ではロングボールで前線に預けてしまうのも良い。ロングボールを警戒して引いてくれれば、リズムはより町田に近づく。

求められる1.5列目のケア

熊本はパス連携での前進を基本としながら、ポゼッションで引きつけ機を見て裏取りを仕掛てくる。裏を取るボールには最終ラインがついて戻り跳ね返す、回収するなど対応が求められる。

そうすると構造的に空いてきやすい1列目と2列目のライン間。1.5列目のケアが非常に重要になる。

中央では町田が不得手とするミドルシュートのリスク、サイドでは前回対戦での失点につながった粟飯原のクロスも1.5列目の高さから。

1.5列目のケアにはボランチはもちろん、アタッカー陣のプレスバックも計算に入れて対応、管理していく必要がある。
仮にそこで奪えれば、今度は町田のチャンスを持って来れる。

プレスバックの重要性

天皇杯 柏が奪った1点目を筆頭に、相手のプレスバックでの守備にやや脆さを感じる。失点まで行かなかったものでも、プレスバックで視界の外からのディフェンスを受けてボール奪取やインターセプトされるシーンは多々見られる。

ボールを持った時の、前方選手とパス連携する意識の強さから、後ろの状況整理に意識・判断のリソースを割きづらい部分があるのかもしれない。

高めの位置、熊本守備3★313 の★のあたりで、ボールを奪えれば、熊本プレイヤーは全体に自陣ゴール方向へ下がらざるを得ない。
熊本が守備戻りで下がっていく状況では、サイドからのクロス攻撃およびバイタルエリア活用が活きてくる。

セットプレー

結局、今節デューク・藤尾あたりがどうなのかはよく読めないため、どういう攻め手が正かは様子を見ていくことになりますが……今節も得失点パターン見るに、セットプレーからの加点は勝敗を分けるポイントになりそうです。

Football LAB https://www.football-lab.jp/kuma/preview/ より引用
Football LAB https://www.football-lab.jp/kuma/preview/ より引用

熊本vs栃木戦は試合の流れそのものは栃木が有効に進めていたものの、熊本はセットプレーを有効に活かして2得点、3−0快勝へとつなぎました。

クロッサー、セットプレーキッカー、右サイドと内レーンの使いわけが巧みな粟飯原尚平は好調なので、サイドの選手とアンカーorボランチあたり、連携して楽に蹴らせない・自由に走らせない守備を徹底し、クロスを上げられたとしてもしっかり跳ね返したい。

つまさきひとつ分の頑張り

仙台や柏の戦いぶりを見ると、本当に細かなところ、相手の身体に20cm深く寄せられるか、ドリブルで選択したコース取り数十°の角度の違い、ボールに届くか届かないか、つま先ひとつ分の距離差で勝負が変わってくる試合な気がします。

前を塞がれても、抜き切らなくても、一瞬のスペース作って脇を抜く。相手の仕掛けに必死に喰らい付いて跳ね返す。感覚的で、戦術でもなんでもないですが、そういう部分が試される。

1勝に昇格がかかる+α何か起こるかもしれない風向きをまったく気にせず一戦一戦とやるのは流石に無理がある気もします。

アウェイの地、絶対に勝ちにくるホーム熊本を相手に気圧されることなく、勝利への渇望で気圧す形で試合に入りたい。現在の状況をフラットに評価し、楽しんで、プレッシャーをポジティブな燃料にして、もう一歩、前へ出たい。

まとめ

秋田での大きな前進。あと1勝で昇格。状況と喧騒に自分自身「だいぶ狂ってきてんな」と、自分自身にだいぶ怖いような気持ちを感じている。それでも、この限界を越えないと、おそらく優勝まで辿りつかない。

行くにはなかなか厳しいから、パブリックビューイングで見たいな、でも子供小さいしなぁ……と妻と相談していたのですが「一番後悔しないところで見てこい」と言ってもらい。非常に、非常に逡巡したのですが、決行することにしました。

家族に負担をかけ寂しい想いをさせてしまう心苦しさ、平日疲労の回復望めず自分が持つのかの不安もありつつも、もしここでなにかがあるのなら、あー行ってたらな……って想いを抱えるのは、実に勿体ない気持ちがあって。

まだゼルビアサポーターを自認する前、J2・J3入れ替え戦、ホームは野津田で、アウェイはスカパーで見届けた。あの時と同じか、それ以上のものを見届けるチャンスが、いま目の前にある。
当然ながら、国内最高峰への初昇格という機会はマイチームにとって永遠に1回だけ。二度目はありえない。

まだまだ前後の動きほとんど定まっていないんですが、飛行機とチケット手配した以上、無事ミッションコンプリートできるよう今週後半、諸処の調整に注力します。

まだ4試合ある。
強い気持ちで、最終盤ラストスパート、全力で勝ち切りましょう。Road to J1!共闘!

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