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【プレビュー】vs北海道コンサドーレ札幌 強度とスピードに見出すミシャ式攻略【FC町田ゼルビア2024年第4節 挑戦J1】

こんにちわこんばんわひだりです。

毎節キャラの濃い対戦が続いて冒険感がすごい。
北海道コンサドーレ札幌戦、プレビューです。

北海道コンサドーレ札幌 開幕3戦までのチーム現状

選手に関するトピック

今節はフォーメーションの話が多いため、先に選手の状況から軽くまとめます。

主軸では田中駿太・小柏剛の移籍が特に痛かったポイント。ガンバから鈴木武蔵の帰還、横浜FCからの近藤友喜加入あたりが注目株か。

また昨年夏からはヴェルディに期限付き移籍してたJ2でもおなじみな長谷川竜也もボール持てる選手。2022年・横浜FC在籍時にはゼルビアと対戦していて得点取ってた。ニッパツでのあのヘディングゴールかぁ…。

怪我人が多い(2〜3節時点)

ただ2節・3節段階で怪我人が10人程度出ていたという情報もあり。第2節段階で札幌の怪我について取り上げていたノーミルク佐藤データラボでは以下のような感じ。

ノーミルク佐藤データラボ https://youtu.be/PuZEURX-1tU?si=oJi_4TgfisF31nZ7 より引用

特に高木駿・菅野孝憲のベテラン組が負傷中のGK陣が悩みの種。U18 2種登録で万一の準備をしているところとのこと。
でも、浦和戦の阿波加選手も全体的には良くやっていた印象ある。(ショートコーナーから酒井宏樹にどフリーで走り込まれてあのヘッド弾はGKだけの責任とは言えないだろう。)

前節・浦和戦のスタメン・サブメンバーは下記。(ともにFootball Lab https://www.football-lab.jp/sapp/report?year=2024&month=03&date=10 より引用)

浦和戦で出場はなかったものの、家泉怜依(いわきFCより今年完全移籍。昨シーズン、ホーム野津田でゼルビアに勝ってるメンバー。厄介)が負傷から戻りベンチ入りしていたりもするので、今節までにコンディション戻してくる選手もいくらかいるかもしれない。

ただ、状況的におそらくは前節とほぼ同様+サブとスタメン入れ替えるくらいの範囲がベースになるのではと想像されます。(怪我復帰明けの選手、たぶんウチとやらせたくないでしょう…)

鈴木武蔵はもちろん、浅野雄也のスピード・決定力には要警戒。小林祐希・荒野・駒井しかり攻守両面で状況見てアクションを起こせるマルチロールできる、一筋縄で行かない曲者が多い。J1ってやっぱり選手の粒、存在感が強い。

北海道コンサドーレ札幌の戦術面

北海道コンサドーレ札幌との対戦を考える際は、大前提としてミシャ式を把握しておかないと解釈しづらいので、人によっては目タコかもしれませんが、ざっと説明置いておきます。

ミシャ式:基本布陣3421/攻撃時415 守備時541

ミシャ式は基本布陣3421、攻撃時は前5枚で攻め、守備時は後5枚で守り切る可変型戦術。動きの流れは下記。

  • ボール保持時、3CBのうちLCB・RCBがサイドに開き、DMFの1名がCB位置に降りる。

  • アタッカーは中央の空けたスペースに入り込む動きでボールの受けを狙う。LCB・RCBはサイドバック〜MFのような振る舞いで前衛・後衛のビルドアップをサポートしつつWBと連携しながら前線への縦パス・サイドチェンジ・相手がプレスに来たらその裏へフィード。

  • 攻撃時は5トップでのパスゴー、ドリブル仕掛け、パス打開でバイタル刺入を狙う。跳ね返されたセカンドボールはDMF・CBが回収して、なるべく押し込み続けたい設計。

  • 守備時はWBが最終ラインに戻り5バック+ボランチも通常配置に戻り541。配置に戻るまでのタイムラグは1ボランチ中心にがんばる。

  • 相手の後方ビルドアップ時、前目の選手は自分の前方のボールホルダーにハードプレスを敢行。後衛はポジション移動は行わずマンツーマンでパスの出し先を塞いで牽制するのが通常。

Wikipedia「ミシャ式」より引用

ストロング

  • 前線5枚で5レーンどこからでも攻めれる。サイドアタック、ハーフスペース攻略、中央攻略、裏抜けと攻撃パターンが豊富

  • 4バック相手の場合、アタッキングサードで数的優位を作りやすい

  • 流動的なポジション移動で、対戦相手はプレス、マークの的をしぼりづらくなる

  • 敵陣で三角形を多く構築でき、特に縦方向のパスコースを作りやすい

ウィーク

  • カウンターに弱い。攻撃過程でボールを奪われると、中盤ガラ空きになる。

  • 構造上、ポジティブ・ネガティブ両トランジションの移行に時間がかかる(構造優位が生きる形を取るのに時間がかかる)

Wikipedia にも普通にわかりやすく詳細書かれているの面白い。

ミシャ式については解説記事も動画もたくさん、Wikiにすらページがあるなど、解説する情報が実に豊富。ミシャ式単体でコンテンツ、エンタメになるのすごい。

広島・日本代表森保さん、大分片野坂さん、ジュビロ横内さんがミシャからの流れ。広島時代喧嘩別れした元コーチ・ポポさんとは犬猿の仲かつ双方の指導の源流がイビチャ・オシムとここ20年くらいの日本サッカーの幹がニョキニョキ出来上がるピープルツリーは日本サッカーへの影響が本当にデカくてエモい。

2021〜2023年の得失点パターン

人の入れ替わりはあっても監督変わらず・戦術ミシャ式変わらずという前提なので、Football Labのデータを元にここ3年の得失点パターン 平均値を算出してみました。

得点パターン

Football Lab https://www.football-lab.jp/sapp 3年分のデータを元に筆者集計

得点パターンの最多はセットプレー(20.81%)、次いで30m未満のパスから(19.46%)・クロスから(16.11%)・こぼれ球(13.42%)からと続く。

最多のセットプレーと1%差程度で30m未満のパスが来ている点に、ゴール前をパスで打開する志向が見えている気がする。こぼれ球での得点も多いのは攻撃時ゴール前に人数をかけるためか。

失点

Football Lab https://www.football-lab.jp/sapp 3年分のデータを元に筆者集計

セットプレー・クロスからの失点が同率で最高値。次いで30m未満のパスから、こぼれ球からと続く。

これら4指標はどのチームでも得失点で比較的高い値になる指標だが、得点も失点もやや似たパターンになっているようにも見える。中盤の空いたスペースを使い合う、攻守の転換の激しいオープンなゲームになりやすい点がこうした得失点バランスにつながっているのかも。

セットプレー・クロスからの失点の多さは明確なので、サイド攻撃・CK+ロングスローも使える町田のストロングとは基本噛み合いそう。

以下はJ STAS REPORT 2023から

シュートマップの満遍なさ。あと平均ポジションの選手配置145!凄い
こぼれ球奪取率1位からもこぼれ球奪取が生命線との覚悟を感じる

ゼルビアの戦い方のポイント

以上ふまえてゼルビアの戦い方のポイントを整理しておきます。

守備は「ゴールを塞ぐ」からの逆算

札幌がボールを持ってポゼッション攻撃を当ててくる時間帯は、まず中央、ゴールを塞ぐことが最優先。

札幌の敵陣攻撃時は5トップ&1DMFで構成されるツリー型の構えを初期配置として、その周辺スペースを後衛4枚が適宜埋める形でサポートに入る。
サイドから、中央から、ハーフレーンからと人やボールの侵入を図り、相手守備ブロックにスキマやズレを生み出し、その間隙を突いてパスやシュートを飛ばしてくる。

適切な体の向き、かつコンパクトに距離感を絞った守備でしっかりゴール方向を塞ぎ、パスコース、スペースを消す。守備の水漏れがないよう、激しくも冷静・粛々と対処したい。

狭幅442ブロックで、相手をこちらの守備エリアに誘い込む

守備は基本狭幅442でサイドのボールホルダーとパスコース双方を塞ぎ続ける形が基本になりそう。
札幌はピッチの幅やスペースを広く使ってパス・ドリブルして戦いたいチームなので、逆にミュシャ式の配置優位を生かしづらい、ボールホルダーを中心とした球際の局地戦を作ってハメこみたい。

タッチライン際でスローインに持ち込めればロングスローで陣地回復できる。相手ボールホルダーとの距離を縮めて圧力をかけつつも、単騎で無理には突っ込まない。球際の対応はしっかり競りつつも、相手に食いつきすぎないことが重要になる。

札幌の攻撃はポジション変更ふくめ流動性が高く、ボール奪取を狙って目の前の相手にこちらが食いつきすぎると札幌の思うツボになる。こちらが自軍の守備ブロックを自ら崩してしまうことになる。

なるべく442ブロックを維持しつつ、札幌の前進をこちらの守備エリアに誘い込むように誘導し、瞬間的に2・3人で囲い込んで一気に奪い切りたい。鹿島戦得点シーンのように、複数名でボールホルダーの動きとパスコース両切りにして絡め取る形は今節も積極的に狙いたいところ。

サイド〜WBにボールが入ったところでの奪取

札幌のビルドアップ時、サイド、特にWBにボールが入るタイミングは、浦和も強くボール狩りに行き、何度も狙い所にしていた。
攻撃準備中のWBからボールを奪えると、札幌のミシャ式の構造上、敵陣までガラ空きに近い状態で前進できる。

こぼれ球・セカンドボール回収に勝つ

アタッキングサードとディフェンシブサードでは、こぼれ球の奪い合いのようなカオス状態が度々起こる試合になりそう。オセフンのポストプレイも含め、こぼれ球・セカンドボール回収に数多く勝つことが試合を優位に進めるための必要条件。

札幌の帰陣を上回る高速カウンター

ボールを奪い切ったらロングボールやボールサイドの2、3人でのパス打開で一気に前線へ。札幌の帰陣を上回るスピードで前進し、シュートまでやりきりたい。札幌の攻撃態勢でボールを奪えるほどカウンターの鋭さは高まる。

オセフンの頭に合わせてポストプレイ、札幌最終ライン裏へ配球して裏抜けなど、スペースに落とすボールの種類・質をいろいろ変え、札幌の帰陣・対応回数を増やし、相手を消耗させていきたい。

バイロンに代わるのは誰?

バスケス・バイロンの前節の負傷欠場が濃厚なため、平河と逆サイドに誰を起用するかで攻め方が変わってくる

現状だと藤本がファーストチョイスになるのかなという気もするが、藤本投入による決定的な仕事はまだ見られていないため、そろそろ沼田・荒木あたりのJ2優勝組の登場も期待したい。

あと、時間帯・状況によって今節ふつうにヘンリー出るかもなという気がする。ヘンリーの独特の間合いは、守備時の対応難易度が高い札幌のサイドは、止めれない可能性あるのかなという気がする。

マンツーマン勝負は町田の土俵

オールコートマンツーマンと言われる現在の札幌の守備。マンツーマンの局面は町田の土俵でもあるので、いっそ配置勝負でなくパス封鎖して局面マンツーマン勝負にこそ町田は持ち込みたい。いつもの町田らしく存分に戦ってほしい。

札幌のマンツーマン守備に勝つことは、一気にピンチ回避かつチャンスメイクに直結するので、近々J1でも評価してもらえるようになってきた町田の強度の部分で勝ち切りたい。

ロングスローふくめセットプレーの回数を増やす

過去3年の失点パターンとしても明白に弱点なので、CKもロングスローも、どんどん札幌ゴール前を狙ったセットプレーを打ち込みたい。

ショートコーナー弱点なんて話もあるのでいろいろ回数重ねてつど変化つけつつ攻め入りたい。

ゴールエリア前やオフサイドエリアへのロングスロー投下は、札幌の配置をリセットする効果も見込めるので、ラインを下げさせ自陣に押し込めたい。

ピッチ状態の懸念と負傷リスクへの対応

札幌ドームのピッチの芝の状態悪化が懸念されている。

前節、前田直輝とショルツが、特に接触のないタイミングで負傷交代している。強度高く、ハイインテンシティが前提のゼルビアにとってあまり芳しくないピッチ状態が想定される。

休息、こまめな水分補給、気温の寒暖差への備え、違和感出た際は速やかな交代など、今後の試合に向けて怪我人なく試合が終えられるよう事前準備含めきちんと対応しておきたい。サポーターは選手たちの無事を祈っておこう。

まとめ

伝えたい大枠、頭の中ではだいたいまとまっていたのですが、どう言葉に落とすのが最適か悩ましく時間がかかってしまいました。まあ、やるべきことはおおよそいつも通りです。

札幌の超攻撃的スタイルを前に、構えつつも過度に合わせない。そして、決して後手に回らない、アグレッシブに奪って勝つ戦いが見たいです。

昨年・今年と、1月のトレマでは勝っている相手でもあります。両年シーズン前の時期とはいえ札幌の戦い方のイメージは選手たち黒田さん明輝さんみな肌感として持っているはずです。チームを信頼してお任せして勝利を祈っておこうと思います。

今節はDAZN組です。現地組のみなさん、日程発表と同時に飛行機取っている方もちらほら見られてなんか結構たくさん行きそうな気配は感じてますが、当日の応援どうぞよろしくお願いします。
今週も楽しみましょう。共闘!

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