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【見どころ】FC町田ゼルビア 2023年第36節 V・ファーレン長崎戦

こんにちわこんばんは。ひだりです。写真は縁起の良いホーム長崎戦の勝利時画像です。息子がパチパチ拍手してました。

いつもより少し早めの更新。藤枝戦の翁長については長崎戦に向けしっかり休養だといいなと希望的観測(祈)でおります。

昼ごはんでちゃんぽん食べながら公開しますね。

藤枝戦:苦しくも正しいJ2終盤戦

今のチームがシーズン最初から大事にしてきた最も重要な部分は守ること。その点で言えば、福井の八面六臂の大活躍も含めてではあるものの、スコアレスで90分+αを終え勝ち点1を持ち帰れたことは一定評価できるところ。

守備の重要性を第一とする部分をブラさぬまま、いま課題となっているエリキ離脱後の得点をどう底上げできるか。

FWが強力だからサイドが生き、サイドが脅威だからFWが生きる。
ボランチ・SBのサポートと備えがあるからサイドも強気に攻めれる。
前線から献身的にプレスバックするからCB、GKで塞ぎ切れる。

フィニッシャーが、1本中の1本を決め切る、コンマ数秒の余裕を得るためには、選手全員が目の前の勝負とチームの勝利にこだわり、攻守の良い循環を継続し、ペースアップしていく必要がある。
あと1歩・数十cm、踏み込めるか、あと0.数秒早く切り替えられるか、の世界だと思うのですが。

目の前の1戦に勝つことに死力を尽くす、強か(したたか)に未来を見据える。

個人の心情として選びやすいのは前者なのです。それでも、あるべき未来を直視し心の余裕を持って引き出せる力もあると思うし、1戦1戦にかけた結果少しずつ迷走していった経験もある。どちらが最適なメンタルの運びなのかは正直わかりません。(黒田監督とバイロン、青森山田思想に準じた言という点にどこか意味が隠れている気もする。)

チームにとっても、プロ初年度の黒田監督ご自身にとっても、いま臨んでいるのは未知の領域の戦いなのだと想像します。言うは易しですが、1戦全力主義と状況見据えたプロセスデザインが両立する形で、ひとつの心として昇華していってほしい。疑いないのは、勝つことがベストな解決方法である点だけ。

昨年ラストの記憶が頭によぎり、不安に感じてしまう部分は、ゼルビアのサポーターならば避けることは難しい歴史の話、ただの過去の事実です。

それでも、個人的には、いまチームが臨んでいる闘いそのものは正しい道程だとも思っています。攻撃にも守備にも、この壁に打ち勝てるだけの多くの才能が、今年のチームには揃っている。
次節、引き分けではなく勝ちに行かなければならない相手に「俺たちは強い」と、力を証明しましょう。

アウェイV・ファーレン長崎戦、見どころいきます。どうぞよろしくお願いいたします。

V・ファーレン長崎の最近

前半戦のハイライトはこちら。

エリキ&デュークがモノの違いを見せた各2得点。やはりスペースがないところで判断モーションが速いエリキのアクションが光った試合でした。

エリキ不在の状況で完全再現は難しい試合運びながら、マンツーよりはゾーン気味な長崎守備の間隙を突く戦い方はひとつ参考になる部分です。

V・ファーレン長崎の戦い方(後半戦での変化)

前回のプレビューはこちら。

強力FWを中心にパワフルに攻め立てる大枠の戦い方は変わっていない印象です。

前回プレビューの長崎の特徴をベースに、今回仕様に書き換えると……

  • 4231

  • 前線パワー系FWによるシンプルな攻撃

  • サイド攻撃

  • ロングスローによるカオス状況からの押し込み

  • ゾーン意識の強いセットプレイ対応

  • 前線プレスのハマらなさ・ビルドアップに課題 ←攻撃参加人数の増員+夏補強外人ボランチで押し込み続けるスタイルにシフト

攻撃シフト4231は更に攻撃的に。

スピード感と攻撃センスに長けたSB、OHを軸としたサイドアタックを基本に、ボランチ起点の鋭い縦パスor ダイナミックなサイドチェンジ、ロングボールも組み合わせ、前目の屈強FWを活かす攻め手の大筋は前回対戦時と同じ。
ビルドアップのルートはサイド展開からスタートするのが優先。攻撃に転じるとナナメ方向パスとドリブルを活かしてスピーディーな縦展開するのはブレない長崎らしさですね。

ただし、前半戦より、ゴールエリア〜バイタル周辺で攻撃参加する人数が増えている。前半戦は、後方からのビルドアップ志向で前線は強力な個による少数突破の色があったが、ボランチ含めた押し上げが効きはじめ攻撃時の数的不利を解消する変化が加わった。

人数が増えたことでアタッキングサード範囲に構成できるトライアングルの数が増え、攻撃局面でボール保持者はより多くの選択肢を持つことができるようになった。雑なクリアはボランチのカイオセザールと夏加入のマテウスジェズスがフィルターをかけて回収、すぐに二次攻撃・三次攻撃への展開を図る。

その上で、現状J2最強FWファンマを活かすプレイ+澤田、増山朝陽、マルコス ギリェルメ、名倉くん(←推)など2列目も豊富。SBのフリしたアタッカー米田にすごいミドル決められた試合も前ありましたよね確か。

ファンマはゴールを狙うフリーマン

長崎といえばファンマ。負傷離脱のエリキを越える21点の現状J2トップスコアラー。あれだけ点を取っていますが、本人は前線に常に張っているわけではなく、むしろ常にゴールを狙うフリーマンという装い。

中央でボールを受けて独力突破も、ポストプレイもするし、少し下がり目ハーフスペースで受けて中衛の攻め上がりを使う。ボールをはたいた後、再度動き直して、こぼれ球を狙える位置にしっかり移動する。

ゴールから結構距離のあるところをフラフラとしているシーンも散見されるものの、そうした時もゴール周辺をジッと見据えながら動き、試合の流れを読み取っている気配を漂わせ、まるでゴールを狙うヒョウのような存在感。

ゴールを奪うために平気で下がる、サイドにずれる、そして動き直す(逆にボールが流れてきそうならあえて動かない)佇まいと、そこからゴールを奪う瞬間は爆発的な一瞬のスピードとパワーでガッとくる。どっしり前線に張られる以上のゾッとする怖さがある。
ファンマがいるところは、対戦相手もケアせざるを得ず、そういう特大の重しがフリーに動くのは極めて厄介。

ロングスローありセットプレイ強者

現状スタメンでは増山朝陽がロングスロー持ち。我らがオカジュン(岡野洵)もロングスローありますね。

前線・中盤、高さ・強さの揃った選手しかいないんじゃというレベルなので、セットプレイは強力です。

Football LAB https://www.football-lab.jp/ngsk/preview/ より引用

長崎の得点の3割近くはセットプレイからなので、セットプレイの守備はしっかりと跳ね返す部分が重要になる。

攻略のポイント

エリキ不在をどう跳ね返すか

前回対戦時、快勝できた背景にはやはりエリキの存在がありました。おそらくですが、サイド上がり系攻撃的ビルドアップ型の長崎は、エリキが最も高相性に機能するタイプの相手でした。

「エリキの裏抜け」は、そのまま長崎の最終ラインを押し下げる効果を発揮しますし、狭いスペースでもクイックに行える突破・パス出しにデュークも連動して前回の4得点。

5得点の山形戦以降、ここ3戦無得点が続くゼルビア。エリキ不在の影響を痛感しているタイミングで長崎との対戦が来るのは、今季のチーム力の真価が問われる1戦になりそうです。

セカンドボールを奪い切る

中盤争いで後手を踏むと、斜めのポジション関係をいました前傾姿勢で波状攻撃レディな状態で攻め立てられてしまいます。

サイドとボランチの連携を寸断し、局面の連携を切りつつ、球際で勝ち切りセカンドボールを奪い切ることが町田の攻撃チャンスを得るだけでなく、長崎の攻撃の糸口を作らせないことに繋がるはず。

ハイラインとハイプレス・ミドルプレスの使い分け

最終ライン取りは高めでキープしつつ、相手の速攻を防げるよう守備も複層的な対応ができるよう、適切な奥行きを保って落ち着いて対応したい。

ボールの取り所はミドルゾーンなので、CBからパスの出口となるサイドをケアしつつ、状況タイミング見てCBへの連動ハイプレスを発動したい。寄せたところへの縦クサビやロングボールも長崎の狙いなので、ボランチ、CBもしっかり連動して長崎の使えるスペースを消したい。

ファンマのケアは飛び込まない

ボールサイドを狭く深く守りつつ、折見て入れてくるロングボールによるファンマ当て・裏抜けは冷静に対応したい。1人がゴール方向を塞ぎ、ハーフスペース付近でもう1人、他選手の攻め上がりをケアしつつファンマ阻止のサポートに入り、状況見てダブルチームで止められるようにしたい。

身体が強くスペイン人らしく柔らかくかわすテクニックも持ち合わせたファンマに1on1で安易に飛び込むのは危険。ファンマにフラストレーションをためさせるためにも、ボランチ含めて基本的にはファンマにボールを入れさせない対応を重視したい。

デューク、藤尾と「槍」の絡み方

ボールを奪った後のアタックの運び方のニュアンスはやや異なるものの、電撃的にやりきろうとする性質はわりとかぶる町田と長崎。

デュークの近くを衛生的に藤尾がうかが動きは基本実装として、もう一本、槍の動きがほしい。クロッサーだけでなくゴールに直結する内に切り込む役割も遂行してほしい。

沼田はもっとチャレンジしていいし、平河も自分で仕掛けていってほしい。ボランチやサイドバックのサポートを絡めて3人目の動きを作りたい。
バイロンならサイドでタメを作るタイプの選手なので、中の選手の動き出しとセットでゾーン守備の隙を突きたい。

個人的には、沼田はガチで一度「エリキの完全模倣」をやってみてもいいんじゃないかと思う。もちろん個性は違うけれど、藤尾がデュークとエリキのちょうど中間地点を感じるプレイスタイルで今のポジションを獲得できたように、現在24歳の沼田なら、エリキのプレイをトレースすることで学べることがまだまだありそうな気がする。強気の仕掛け・前線ハイプレス・献身的なプレスバック、期待したいし、期待されてる部分だとも思う。

冷静さ、「勝ち急がない」ことが勝利への最短距離

藤枝戦の反省をふまえても、今節はピッチ上での冷静さを見たい。

藤枝戦は「勝たなければ」の気持ちが強すぎた1戦に感じた。藤枝の町田対策として、中盤のファーストタッチで横や斜めに持ち出し町田守備のプレスの芯をずらす、裏返す動きを多様して、藤枝の大カウンターを何度も食らうなどなかなか効果を発揮していた点は当然長崎も見ている。

力強い飛び込みはゼルビアの戦い方の伝統・レガシーであるとともに、黒田ゼルビアの大特徴のひとつでもありますが、簡単に飛び込むプレイは、サイドの加速と前線の力強いフィニッシュでシンプルな攻撃をやり切れる長崎相手には大きなリスクを伴う。
相手ボール保持者に対して「寄せる」「止まる」「詰める」守備を対峙する相手の動きを察して(見てからだとやや遅い)冷静に、丁寧に、速いピッチで遂行したい。

ポストに嫌われる・ゴールライン割るか割らないかのところでクリアに合うといった場面は、やはり最後のところで集中しきれていない、決まってくれ!という想いが先に立ちすぎた結果起きた事象にも思える。「この位置から、この角度で、この強さでシュートを打てば当然決まる」という状況になるべく近づけていくことで、ゴールの可能性を高めたい。

ここしばらくの対戦では、磐田戦で町田が見せたような落ち着きを見たい。冷静なアクションを愚直に繰り返し、遂行し続けることで、長崎にストレスを与え、イエローを誘発できる可能性もある。

得点チャンスはセットプレーとゾーンの間を突く攻撃

Football LAB https://www.football-lab.jp/ngsk/preview/ より引用

長崎の失点パターンで多いのはまずセットプレー。長身選手も多く跳ね返し性能も高いものと思われるが、こぼれ球からの失点も多い。ゴール前混戦を誘発しやすいハイボールは悪くない手かも。(速いストレート系ボールだと跳ね返しを拾われると速攻カウンター喰らうリスクも出やすい。)また、落下地点を捕捉しづらくクリア時の距離も出しづらいロングスローはやはり狙い目。

地上戦では

  • 30m未満のパス

  • ドリブルから

あたりが高め。

前半戦の得点でも、守備スタイル的にゴール前での細かなボールの動かしに不得手を抱えている点は、そこまで大きな改善がなされていない模様。

こぼれ球へのリアクションも含め長崎守備網の間に人が入っていく、ボールを刺していくアタックが見たい。安井・レンジとダイゴ・藤尾・荒木あたりの連携ならイメージも十分湧く。

一つの可能性:長崎のカウンター大作戦

4123の形は実戦投入あるらしいので、引いてカウンター狙いも可能性としてはあり得そう。

Football LAB https://www.football-lab.jp/ngsk/formation/ より引用

サイドがスピード型の戦い方を志向していて、かつ前線の屈強さ、中盤のソリッドさを持っているので、うしろ5枚で引いてカウンター狙いは全然強力そうです。
その場合、展開的には藤枝戦と似たような、ペナ角の内と外を崩す町田vsカウンター一閃を狙う長崎の形でジリジリとした長期戦もあり得る。

町田対策としてうしろ5枚並べるはオーソドックスではありメリット分かりやすいですが、攻撃的ながらやや後ろのビルドアップの重たい傾向がある長崎として引きすぎる戦い方はどうか?という面もあります。戦略的に引いてきた場合はややイレギュラーな形の隙を突いて崩したいところ。アウェイ徳島戦で柿谷にやられたミドルシュートからのこぼれやすらしみたいなのも有効そう。

いずれにしてもDF網の只中にアグレッシブに入り込んでいく攻めが必要となる点は変わりません。落ち着いて対応したい。

まとめ

長崎戦は家族で観光兼ねて現地へ行くことになりました。
自分としても家族としても史上最遠アウェイ参戦です。この記事を書き終え、心置きなく移動の準備を進めよう。。

先制点が取れれば大勝もあり得るし、逆に奪われれば大敗もあり得そうな圧倒的得点力を持つ、強い相手です。

ギリギリのバトルを楽しみつつ、絶対に勝ちましょう。共闘🔥

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