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【見どころ】FC町田ゼルビア 2023年第42節 ベガルタ仙台戦

こんにちわこんばんは。ひだりです。エルゴラ表紙2枚をプリントしてA2で額装しました。飾り場所決めてちゃんとかけておきたいなー。

あと1節しか書けない!なに書こうって思いながら仙台の過去試合ふりかえり配信見てたらもう週末来そうです。私事仕事などバタバタでなかなかまとめられずこのタイミングになりました。11月は本当にせわしない。

山口戦:戦友(ライバル)よ次はJ1で。

  • 昨年ホームで天皇杯王者・甲府に対して自分たちがやったガードオブオナーを、今年はやってもらう立場に

  • それをやってくれたのがJ3時代からチームスタイルごと真向対立で鎬を削ったライバル・山口だったこと

なにが嬉しいって、このタイミングで対戦相手が山口だったことなんですよね。あのJ3最終年 終盤〜入れ替え戦あたりからゼルビアを見始めた自分にとって、山口は本当に特別な相手。

ライバル関係はこれからもきっと変わりません。カテゴリがどうあろうと、レノファと町田との対戦はいつもガチです。

次はJ1でやろう。そうなれるよう、来年以降のチームも今年同様かそれ以上、がんばってくれると信じています。


前半22分の梅木の決定機など、1点でも取られれば、町田山口の対戦でありがちな、自分たちの形に互いにこだわり、ジリジリバンバンと叩き合う死闘へともつれこんでいたと思います。

そこをやらせず、サイドからの強襲を繰り返して2点奪ってゲームを締める老獪さは、2023年シーズンの町田らしさでした。

福井の接触プレーについて

福井のレノファ梅木に対して膝を上げて飛んだ空中戦チャージについて、厳しい声が上がっています

あのシーンに関しては、流石に福井のプレイが良くなかった気がします。こちらとしてはイエロー判定で助かりましたが、J1ならVAR一発退場だった可能性は高そうです。

DAZN越しで梅木選手が無事かどうかハラハラして見ていたので、ほどほどで立ち上がりプレイ再開してもらえたのは本当にホッとしました。予後も大きな問題なく、梅木選手が良いパフォーマンス状態で今季最終節に臨めるようお祈り申し上げます。

ゴール、ボールを死守する気迫はよしとして行いとしてはハッキリ課題なので、最終ライン裏にボールを落とされた場合に取るべき対応を確認し、今後の学びとして生かしてほしいところです。「そこを気にして勝てるのか」と意味性問われてしまうとなんとも言えない部分ですが、子どもにやってほしくない、お手本にしちゃいけないプレイはやっぱしてほしくない。マリノスや川崎のような、目前の試合だけではない、本当の価値ある勝者となるためには大事なことな気もします。

福井の気迫で成し遂げたクリーンシートでもある

一方で、レノファGK寺門の飛び出し対応〜太田との空中戦デュエルで跳ね返し失敗の隙を突いてゼルビアが2点目を奪ったのは、福井の対応とはある種対照的です。

気迫のこもったシュートセーブを見せ、キックで2点目の起点にもなったこの試合の福井の奮闘がクリーンシート勝利を呼び込んだ部分はきちんと評価すべきに思います。

自分の中でもちょっと矛盾しそうな感じが残っていて、この辺はちょっと個人的に少しモヤっとしています。

結局、選手の質勝負に持ち込んだことを課題とするなら、山口戦でチームとして打ち出せなかった課題をふまえた上で、J1級相当に近い戦術機動への対応をシミュレーションする意味合いで、仙台は本当に良い対戦相手。

わかりやすくアグレッシブだけど攻守にバランスが良くとらえどころがない、絶えないスペースへのランニングが特徴的な連動サッカーは、過去試合を見ていても、目が離せない感じで楽しいスタイル。

今季最終戦・第42節アウェイでのベガルタ仙台戦 見どころです。
どうぞよろしくお願いします。

ベガルタ仙台の最近

まず前半戦のハイライトを置いておきます。

第1節、互いに手の内が読みづらい状況で行われた初戦。仙台は伊藤彰監督体制でシーズン入り。以後7月13日、成績不振により伊藤監督は解任。コーチを勤めていた堀孝史氏が監督に就任し、現在に至ります。

双方の戦い方に初々しさを感じるハイライト。ゼルビア側はまだエリキとデュークの役割分担・関わり方がまだ模索中だった頃ですね。終盤の平河の大チャンス2回はいま見ても「あーそこは決めてー!」という気持ちにさせられます。(もうひと越えでもっと脅威になる雰囲気は、ある種、今季を予見していたとも言える)

ともあれ、J1経験も豊富な強豪・仙台を相手のスコアレスドローで「今年のチーム、ちゃんと守れるじゃん」と一定のほっとした感覚を覚えた記憶があります。(昨年終盤を思い返せば余計に)

前回対戦時プレビューがこちら。

開幕節、選手の確認だけで対戦相手分析やってないですね。お互い(特にウチ)どうなるかわからなかったですし、この記事を公開した時点で、正直「42節プレビュー全部書く」とはまったく考えていませんでした。でも、昨シーズンからの変容について触れていたり、今季開幕前の情報・風景がまとまっています。当時の空気感が伝わって、むしろ今読んで楽しいです。

シーズン当初から今日まで内外環境状況の変容ぶりに想いを馳せられて楽しいかと思うので、よければどうぞ。

直近の戦績

直近のベガルタ仙台の戦績は2勝2分1敗。

Football LAB https://www.football-lab.jp/send/match/ より引用

前節長崎戦では前半先制を許し、後半同点に追いつくも勝たないとプレーオフ進出が消える長崎の猛攻から終盤で劇的に失点。仙台としては奮闘するも、耐えきれずの敗戦となりました。

442ベース、流動的に人とボールが動き続けるパスサッカー

仙台のフォーメーションは442ベースですが、中盤がグイグイ動くのであくまで442はあくまで初期配置。

ビルドアップではセンターバック2枚+を底に両SBを使うか、ボランチを経由して中央から左右サイドのうち前進しやすい方向を選択する形で前進を図ります。
特に、ここ数試合のフルマッチを見る限りは攻守にタフバトルできるボランチ長澤がボール奪取兼ポジトラの起点の役割として試合中でも非常に目立ちました。

中盤高めまで前進できると、前方のパスを受けられるスペースにボール非保持の選手が入ります。

連続する斜めのパスゴー

攻撃局面では斜め方向の位置関係に常に選手が入り込む動きを繰り返し

  • ボール保持者

  • 上がってきた後衛1名

  • 下がってきた前線1名

のトライアングルでパス打開を図ります。

トライアングルでの前進で片方サイドに相手DFをおびきよせると、

  • シンプルにワンツー等でサイド攻略

  • 逆サイドへ大きな展開

  • 下がった前線1名に対してつるべの動きでゴール前やDFライン裏に侵入するアタッカーに直接斜めのクサビを刺す

など、連続する斜めのパスゴーの中で、ダイナミックな展開を挟んできます。

ショートパス連携によるゴール前打開

仙台の攻撃は郷家・中島・氣田・鎌田などテクニックとハードワークに優れた性質のアタッカーが揃っており、ゴール前は流れるような人とボールの動きで連携し、ゴール前への侵入を図ります。
重要局面での斜めと縦のパスの差し込み方、緩急を活かしたショートパス連携が鮮やか。
去年か一昨年どなたかがtwitterで言ってましたが、ちょっと昔、ザック時代あたりの日本代表みがあるんですよね少し。

フィニッシュは少し苦しんでいるようですが、逆に言えばフィニッシュ決められれば確実に上位に来るサッカーです。(身も蓋もない話ですが)

守備はハイプレスとそれに準じたミドルプレス&ゴール前の塞ぎ

守備の方法は対戦相手のスタイルに応じて変えている気配ですが、基本的にはまずボールホルダーへの単騎ハイプレスからスタートします。
プレッサーのアクションに応じて中盤がパスコースを切りつつ、距離をつめてファーストプレスエリアのフォローに入ったり、中盤に差し込まれた瞬間のボール奪還を狙います。

中盤はブロック守備で相手を受ける対応よりも敵の前進に時間をかけさせて、プレスバックで囲い込み奪取するアクションがメイン。

単騎ハイプレスを敢行する時の勢いと並んで守備強度を感じるのは、ゴール前の塞ぎです。中盤守備で敵の前進を阻害するうちに全力の戻りで人数しっかりかけてゴール前を埋めます。レッズでACL取った時も守備の良いチームでしたし、この辺は堀監督のカラーなのかもしれません。

GK林彰洋というデカい最後の砦

仙台の守備について、GK林彰洋のシュートストップ能力の図抜けた高さは非常に重要です。相手陣地でのハイプレスも、コース限定を図る自陣守備も、正面からのフィニッシュなら大半は林が塞いでくれることを前提にしているように見えますし、実際、塞いでしまう名手なので、ゼルビアとしては林の守るゴールを落とすのは結構な大仕事です。

秘密兵器・遠藤康来ちゃう?

8月に手術してたんですね。もうめちゃくちゃ町田とやる気満々なの記事になってんだけど、出場来ちゃうの?

1人で展開や危機察知のレベルを1段階上げられる選手なので、フルはないとしても、後半終盤など出て来ると厄介ですね。

鹿島で、その実力で平戸をSBに追いやった男なので、負けたくない相手です。(だから当時、王の帰還がありえた意味では、間接的に町田の歴史を動かした恩人なのかもですけど)

攻略のポイント

中盤ボール奪取争いに持ち込む

仙台は基本的に常に相手守備の間受け、および空いたスペースの侵入を狙ってくるチームなので、そもそもの間・スペースを狭めて対応することで、仙台が前進しにくい状況を作ることができそうです。

選手起用にもよりますが、今節は3バックで中盤を分厚く埋め、CBのフォローもふくめゴールに直結する中央レーンの人・ボールの侵入を制限するのが有効そうな気はします。
気持ちとしてはこういう奪取を442ダブルボランチでやれるのが理想には思いますが、より慎重に考えるなら、352等で中盤に人をかけられる状況を作るのが好ましいと思います。

奪ったら切り替え0秒で攻撃に転じたい。

球際で優勢を作る

仙台は試合序盤のフォアプレスの勢いはスピード強度ともにかなり速いです。ただし、攻撃でのポゼッション局面では基本的に人とボールを動かしテクニカルにフィジカルをいなす方向のチームです。

ここ数戦を見る限りは、長澤を除き球際勝負で高強度を感じる圧のあるプレイヤーはあまり見られません。
なので、幻惑的なパス&ラン、テクニックに翻弄されず、寄せるところしっかり寄せて身体の軸を捉えた球際勝負に持ち込めれば、今年の町田の強度であれば優勢な試合運びができると思います。

ただし長澤は例外です。まあ倒れません。なんなら倒してきます。強い気持ちで抑えたい。

サイドから縦にぶっちぎる

前節長崎戦の2得点や山口、秋田なども強く縦にちぎる形からチャンスが生まれました。

攻守に斜めのランニング・スペース取りを多様する仙台は、自陣守備でも以下のような守備対応を取る事が多い。

  1. 前進する敵アタッカーに対して、守備者Aが斜め方向に、内から外へと押し出すように寄せる

  2. 守備者Aが動いて空いたスペースに内側レーンにいる守備者Bが移動し、自陣ゴール方向の進路を塞ぐ

  3. 敵の前進を遅らせられたら、ボール保持者の背後から守備者Cがプレスバック

ざっくり図にするとこんな感じ。

この守り方に対して、

守備者Aの奥へのドリブル等での突破

守備者A・Bの間を抜く速めのグランダーパスを通す

といった突破ができると、瞬間的に縦方向がガラ空きになることがある。

仙台の守備網は決してそこまで自陣に深みを取る守り方ではないため、一本裏を抜けると守備者は一気に自陣方向への追いかけっこ&ゴール前塞ぎに帰陣することになる。

仙台守備陣はボールウォッチャー気味での対応を迫られる局面なので、ファー向けのクロスやバイタルエリア攻略が効く。

また、仙台は中盤でのネガティブトランジションでは、敵アタッカーを囲い込みする過程で斜めの位置から足を伸ばし、トリッピングの反則を侵すケースが多々見られる。前進できなくてもファウルさせれば、町田にとって強みのセットプレーに持ち込める。

ゴール前の冷静さと、決まらなくても焦れずにやり続ける気持ち

ゴール前に立ちはだかるGK林の壁を越えなければならない。
ペナルティエリア内守備ではFPが人数をかけ身体でゴールを塞ぎ、林のセーブ可能範囲にコース限定する体制を取ってくる。
理想は守備に入られる前に一気に攻めきることだが、守備モードに入る時間を与えてしまうと、ゴールへの隙間を抜くのはかなり難しくなりそう。

長崎が決勝ゴールで見せたサイド打開からファーへのクロス→ファーから折り返して→守備者・GKを外して反対側で決め切るのは理想的。

ゴール前に2人、3人と顔を出すことが、GKや守備者の判断に迷いを与えられるので重要になってくる。
簡単には決まらないはずなので、決まらなくても焦れない。バイタルからのミドルも直接狙うのは割と難易度高そうなので、シュート性のボールをゴール前でスラすみたいな飛ばし方も狙いたい。

バランスの良さを逆手に取る

フィールド上のスペース侵入/スペース封鎖を意識して実直に行ってくる相手で自陣中盤敵陣すべてのエリアで人数の掛け方のバランスが良い。

フィールドを広く使うバランスの良さを逆手に取って、町田はコンパクトなバランスを意識し、中盤密集へのつなぎを狙った守備と、幅・厚みのある攻撃へ、なるべくメリハリの効いた攻守を仕掛けたい。

互いにボランチ牽制が勝負のカギ

肝になるのは攻守をつなぐボランチ。安井またはレンジの出番もあり得る気がする。相手の対応のリズムをズラすパスや機を見たテクニカルな侵入が見たい。

仙台はアタッカーの質とアイデア力が優れているので、そもそものアタッカーにボールを渡す役割の選手に楽に仕事をさせたくない。
具体的には長澤をどうケアするかが重要と思ってたんですが、ここで遠藤康ホーム最終節に帰還ってなると実に厄介ですね。前節決勝点が80分台だった通り、終盤で勢いが落ちていく傾向を感じていたのですが、そういう部分のリスクを遠藤康はうまく救う仕事をしそうです。

得失点関連データ

軽く得失点データだけ見ておきます。

Football LAB https://www.football-lab.jp/send/ より引用

得点の形ではセットプレー・クロス・30m未満パスが10ずつの高い値。PK獲得はゴール前の連携力から敵守備が引っ掛けるケースが多いのかも。ドリブルやこぼれ球も含めわりといろんな形でゴールを取れるチームではあります。総数がやや不足している点は決定力の課題な部分なのでしょう。

Football LAB https://www.football-lab.jp/send/ より引用

失点はクロスからが最多15、セットプレーが13、30m未満パス9。こぼれ球8は、ゴール前に人をかけて塞ぐ守備が逆に仇になりハイボール処理にエラーが出るケースがあるのかな、なんて気配を千葉戦ハイライトの1点目(ロングスローをゴール前投げ込んで、混戦からこぼれ球をフィニッシュ)など見ると感じます。

まとめ

プレーオフ煽りVでなくプレーオフ出場権煽りVがお馴染みSHINDOWSさんから出てまして、大変エモくて素晴らしい。
煽りVにいつかウチのチームも出れれば……とか長年思ったりしていましたが、今となっては出ないで済んで本当に良かったです。
これ以上魂バーニングさせたら事の行く末によってはメンタル爆死マジで立ち上がれないところでした。もたねえ。
一方その頃三輪緑山ではほのぼの我が軍

試合はガチで頼む。

家族の体調不良、自分自身もかなり身体が重かったり、あれこれあってちょっと困った状況でおります。現地なのか、DAZNなのか……はっきりしないところなのですが、なにかしらの形で、今シーズン、このメンバーでできる2023J2リーグ最終試合、見届けたいと思います。

コースケにとっては現役最後の試合にもなるんですね。有終の美でJ1に乗り込むため、全力で勝ち切りましょう。共闘🔥

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