レノファ山口FC戦 試合前プレビュー(2022年 J2 第35節)
こんばんわ。ひだりです。
今回の写真は山口戦ではないですが、J3同期対決ということで、僕がはじめて野津田へ応援に行った2015年のJ2・J3入れ替え戦の写真です。人入ってたなー。
岡山戦、みなさんどうもおつかれさまでした。
90分通じて、あの手もこの手も全面的に抑え込まれての完敗。選手たちも与えられた状況の中で試行錯誤を繰り返し、全力出し切った中なのも十分理解しており、むしろだからこそ身にしみる、キツイ敗北でした…。
りんぐさんの現地の雰囲気伝わるレポ。楽しかった、というか、読めてよかったです。アウェイ参戦、本当におつかれさまでした。
選手や戦術などのレベルだけではなく、町田と岡山の、チームとしての総合力の差を見せつけられた敗戦だったと理解しています。
とはいえ(自分もですが)twitter 見ればゼルサポ諸氏の皆様も荒れ模様、ため息と苛立ちばかり…という論調がシンドく「次に目を向けるぞ次!」と、次の対戦相手・レノファ山口のハイライトを見て感じたことをつぶやいたら
予想外に多くのレノファサポの方々からいいねをいただいてしまいました。場末の町田サポ的に異例で恐縮です。
チームを取り巻く雰囲気が厳しい時だからこそ、しっかりなにかを出したい想いもあり、いつもより早いレノファ山口戦プレビューです。がんばった僕!
まだ何も終わっちゃいない。さあ、週末、手のひら返す準備をはじめましょう。
山口サポさん含め、はじめましての方も見られるかもしれないので定型文も久しぶりに載せます。
このプレビューについて
分析にあたってはDAZNで見られるレノファ山口の過去5戦ハイライト+フルマッチ(前後半15分以降)をざっとチェックして、
・どんな戦い方を志向しているのか
・どんな形で失点しているか
・特徴的な選手は誰か
あたりを気にしながらチェックしています。
今回のフルマッチはレノファ山口戦の横浜FC戦全部+徳島戦をラッシュで見ました。
相手チームについても参考になりそうな記事がある場合は参考にします。
「FC町田ゼルビアの対戦相手を理解する」が裏テーマなので、まずは相手チームが町田に対してどんな戦い方を目指してきそうかを考えるところからスタートして、じゃあ町田はどう戦うべきか、対策を考えていく流れで考えていく、というルールでまとめていきます。
それでは以下からスタートします。長いです。読みづらければ見出しだけナナメ読みしてくれれば、だいたい理解いただけるかと思います。
レノファ山口の特徴と町田とのざっくり比較
突っかける守備の勢いそのまま攻めてくる
・ボール保持者のパスルートを塞ぎながら積極的にプレスをかける守備が基本。球際の強さもあるが、それ以上にこぼれ球を掠め取る切っ先の鋭さ、出足の速さが印象的。
・中盤での前進ではショートパス+運ぶドリブルでの前進が多い。
局面を個の技術でチャレンジする意識が高く、突破の際は身体を当ててゴリゴリとフィジカルも活かしてくる。局面勝負する後ろから追い越す動きでアタッカーが湧いていく。
プレスに来る分、裏が空きがち
・中盤で積極的にプレスをかける守備である分、最終ラインと中盤の間にスペースができることがある。そのスペースを埋めるため最終ラインを上げるため裏が空くことが多々ある。
横浜FCは山口の中盤守備者がプレスするタイミングを狙って斜めや縦のクサビを入れていた。
フィニッシュ以外のパスルートはやや町田と似ている
・CBからのボール保持時のパスルートの作り方はゼルビアとやや似ている。
横浜FC戦のパスルートを比較すると中盤までのつなぎはそっくり。(山口が町田vs横浜FC戦をスカウティングした結果のたまたまかもだけど)
※SPORTERIAの規約的に画像引用できないため、下記URLご参照ください。
町田vs横浜FC https://sporteria.jp/data/2022082710/299381
山口vs横浜FC https://sporteria.jp/data/2022090314/303322
特に前進できなかった時のCB・GKあたりでつなぐ振る舞いには強い既視感あり。
・アタッキングサード攻略では、落ちてくるFWも含め1.5列目〜ゴール前までパスで打開を図ることの多いゼルビアに対し、レノファは細かなパス連携でスペース作ってドリブル攻め上がり。でなければロングボールで素早く前線へ通す。
ゴール前には3人入ってくる
・ゴール前にボールが入ると、2、3人がゴールへと雪崩れ込む。2FW+もう1選手くらいがニア・GK前・ファーに入ってくる動きは位置・角度ともに約束付けされてそう。
ゴール前にボールが来た時、人がいっぱいいるので攻撃が分厚い。直近の試合でもそうした攻撃の厚みがこぼれ球の押し込みやPK獲得での得点につながっている。(ハイライトがすごく映えるのは、たぶんこのゴール前の分厚さが理由っぽい)
・前がかり前提の戦い方のため、中盤でボールを奪われるとDF枚数が不足する構造的な課題がある。
横浜FC戦の61分・長谷川のボール奪取からのカウンター、その直後の小川航基の3点目への流れなど。
・コーナーキックへの守備は基本ゾーンディフェンスでかきだすスタイル。ペナルティ範囲を人で埋め、隙間を作らないがハイボールへの対応にやや不安あり。岡山戦64分・岡山3点目の柳のゴールなど。
・ゴールへの執念と強引さを併せ持つ元町田戦士・岸田と意外性と思い切りの良さがあるテクニシャン高井和馬は町田的に厄介なキャラクターのイメージがある。Football LAB情報だと高井和馬のplaying style近い選手は
ちなみに、昨年の町田での対戦は渡邉前監督時代のベストゲームだったそうです。
山口との試合はどういうわけか互いにホームが勝ちづらい印象はありますが、、今年はやらせるわけにはいきません。
山口視点の町田対策
前線からプレスする
(岡山の町田対策を参考に) 2CBに1トップ1シャドウが圧力をかけ、サイドに出たパスをMFとFW(2度走り含む)で挟撃奪取を図る。狙いは町田のパスワーク前進の阻害。状況見てGKまで追う。
平戸・安井をケアしてテンポを崩す
SB、ボランチは平戸へのパスコースをなるべく切る。安井をボランチとFWで監視。
創造的なプレイができる2選手に制限をかけチャンスメイクと町田のスムーズなパス連携を阻害する。
特に安井には体を当てて状況を難しくさせる。攻撃的な性質でやや熱くなることもありイエローカードを出させることができる可能性がある。
空きがちなSB裏はCBがケア
CBはペナルティエリア幅を基本にポジショニングを取り、SBの上がった裏のケアに常時注意を図る。SBも原則攻撃要員。
ゴール前局面はアグレッシブに2度攻め・3度攻めを狙う
攻撃はシャドウ基点でペナ角あたりから切り込みシュートまたはクロス。逆サイドに流れたボールはSBが回収し再度クロス。
FW+シャドウでニア、GK前、ファーを埋め、間にボランチ等が入り込んでこぼれ球を狙う。ゴールエリア内で2度攻め、3度攻めと機会を増やしたい。
5人交代をフル活用して90分闘い続ける
5人交代をフル活用し90分のチーム強度を担保する。特に町田の失点が多い後半引水タイム(あるいはそれ相当の時間帯)以後は最後の猛攻をしかけたい。(個人的にはこの時間帯の山瀬とかめちゃくちゃ嫌です。。)
守備では町田に気持ちよくボールを持たせない。ボールを奪ったら素早く展開しゴール前にFWからSBまで一気に侵入する迫力で圧倒したい。
町田視点での山口対策
最終ラインのプレス回避~チャンスにつなげる
岡山戦のスカウティングもふまえ、山口は町田のパス前進を阻害するためにDFラインへ積極的なプレスを掛けてくる可能性が高い。
守備陣は相手プレスを回避し、空いた裏のスペースへのボールの納め方をサイドの選手とアタッカーで明確に擦り合わせておきたい。
時には高江が守備ラインに落ち、サポートしながら攻守をコントロールしたい。(毎節だけど、この試合で高江はめちゃくちゃキーマンな気がする)
なおDFラインはアジリティ重視で高橋祥平、菅沼、岡野で入って後半終盤チーム締める交代深津がいい気がする。
自陣守備では飛び込まない
自陣守備は飛び込まず前方を塞ぐ。前への一気の加速、ゴール前への殺到が山口のストロングなので、対面守備者は山口アタッカーに時間をかけさせて、守備ブロックを敷く時間を作り、フォローで守備に入る選手との囲い込みでボールを回収したい。
サイドは仕掛ける
レノファのラインは高めが想定されるため、太田や山口一真、ドゥドゥ、平河などで守備ラインの裏、特にSBの裏を突きたい。積極的に仕掛けることで、レノファのSBが上がりづらい状況を作る。
中距離の縦クサビと裏狙いロングボールの使い分け
横浜FCも行っていた「中盤にボール預けて相手を寄せて空いたスペースに縦クサビを差し込む」が基本の展開となるだろうが、レノファ中盤守備は勢いよく突っ掛けてくるためボールを持つ時間はそうそう簡単には与えてもらえないはず。
ボール保持者そばの空いたスペースにSBやボランチがフォローに入り、ダイレクトを含めたパス連携で前進を図りたい。
進行方向を塞がれたら戻して組み立て直し。
守備ライン近くの高江に落として逆サイドへのロングボール展開からの太田やドゥドゥ・山口あたりを使った裏狙いは、シンプルだけど必要だと思う。
平戸は高めの中間ポジションを取りたい
平戸は高めの位置で相手守備を引き寄せ、ボランチやサイドと連携しながら攻撃の演出に絡みたい。平戸が低めに下がりすぎると、パス回しの重心が下がり攻撃の脅威が減り、レノファからすると中盤守備の狙い所が増える。
戦況によっては、この役割を平戸とアーリアで入れ替わりつつ行う。どちらかがレノファの守備範囲からズレる一瞬を作り、そこを糸口に3人以上の選手が絡むダイレクトパス攻撃を発動したい。
サイド攻撃はハイボールのファーとゴール方向に向かうニア
山口のコーナーキック守備がゾーンディフェンスであることを活用していくつかプラン練れそう。
クロスやコーナーキックではファーに入っていく選手にハイボールをあてて直接またはポストプレイが効果的。
コーナキックでは変化つけてファーにクロス、後ろから飛び込んでくる選手でのヘッドも効きそう。
ニアはゴール方向に向かうシュート性のスピードボールを入れてゴール前混戦の中を押し込みたい。
(妄想)宇野行けるならオプション442
レノファのフォーメーション別勝敗で見ると3バック相手の試合の方が勝率が低い。
なので町田もおそらく3421で入ると思うのですが、宇野禅斗復帰いけそうならコンパクトな442で中盤勝負するのもアリな気はする。
前半のレノファの出足良い時間帯を442の分厚いブロックで迎え撃ってカウンター。あるいは先制できれば後半の宇野投入ガッチガチ442で簡単に崩せない感じにゲームを引き締める。
90分442は厳しいものの、横浜FC戦、岡山戦越えて、頭と身体がついてきてない感もある。選手にとって、ごくオーソドックスな戦い方で、考えすぎなくてもシンプルに身体が動く形を選択するのはアリなんじゃないかなと妄想してます。ポポさんの傾向からするとやらないとは思ってるけど。
まとめ
2015年J3における町田・山口のJ3のタテホコ・デッドヒート時代は、僕がゼルビアに感心を持ちはじめた重要な時期でした。
その頃からレノファは順位と無関係に、いつでも負けてはならない相手、ライバルだと認識しています。
2012年J2時代を知る古参サポの方にとっては、その対象が松本山雅のようですが、僕にとっては、レノファはとても特別な対戦相手です。
同じ想いの人が結構多そうなので安心します。
レノファのハイライトに映る、時に守備を犠牲にしても前進を止めない強烈な風景は、どこか2015〜16年頃のレノファに通じて感じられて、レノファもがんばってるなと、不思議に勇気づけられました。
レノファサポのみなさまも可能な方はぜひ、週末町田にお越しください。天空の城にてお待ちしております。
返り討ちにしてやる!
昨日は金沢が気を吐き長崎相手に3点追いついての劇的ドロー。
試合数の差が縮まりつつある中、プレーオフも勝ち点差だけで言えば3ポイント、1試合で手の届く位置に入れています。13敗もしているのに…ある種奇跡的に持っている。
天皇杯では甲府が福岡を破り準決勝へ。町田の前を90分+α、最後の最後まで走りきった岡山も、同じリーグが手本にすべきチームだらけなことは頼もしい。
ラストスパート。
ここから、2022年式の不屈のゼルビアを見せてくれることを期待して。
週末勝ちましょう。共闘!
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