女性もしたいってことを初めて知った時の話

大学一年生の時に所属していたサークルで、同い年の女の子(まきちゃん)が一つ年上の男性の先輩に恋をした。
まだサークルにも入会したばかりの4月か5月くらいの話だったと思う。
私はサークル掛け持ちしていて、休むことも多かったので、その子の近況は親友伝に聞くことが多かった。

親友は、「先輩のどこがいいのかわかんないけど」などと言いながらも結構親身に話を聞いていたようだった。

夏頃、親友と2人で歩いている時に、その話になった。
親友によると、その先輩は「別に本番シなくても口でしてくれればいい」と言ってたらしい。
先輩はまきちゃんが先輩のことを好いていることを知ったうえで、その発言をしたという。
親友は「まじ最悪じゃない!?ありえない。自分だけ気持ち良ければいいのかよ。まきの気持ち考えろよ」と結構怒っていた。

私はその時、「本番しなくて済むならラッキーじゃない?口ですんのもやだけど。」などと思っていたし、全然最悪じゃなかった。むしろ「性行為ってしたいものなの?」と言う違和感がおおきかった。

そっちに驚いて「え!?」とドン引きしたような反応をしてしまったけど、親友は「やっぱ蒼井でもドン引きするよね!!」と解釈してくれたのでそれ以上は何も言わなかった。

私はそこで、普通はその発言に対して、その先輩に対して最悪とかひどいとかの感想を持つんだということを察した。

私はしたいと思ったことはなかったし、できればしたくないと思っていた。女性はみんなそんな感じなんだと思っていた。
それでも恋人ができたら、行為は受け入れないといけないんだと思っていた。それが当たり前でみんなそうなんだと。
でもどうやら違ったらしい。

その時は、なんとなく違和感を持ちつつも、親友と話の続きをした。
後からじわじわと、女性も性行為したいの?私の感覚ってみんなと違うの?え、つまりどう言うこと?と新たな世界を巡るような思考の旅がはじまる。
女性もしたいんだ、と気づいた時は空が降ってきたような衝撃を受けた。

ただ、当時私はまだ好きな人はいなかったし、その前に人を好きだったのは中学生くらいの時で、性行為なんて全然わかってなかった。
だから、とりあえず女性もしたいものらしい。私はその感覚はまだわからないけど、大人になれば変わるのかな、くらいに認識して蓋を閉じた。

恋人ができ、やっぱり違和感が拭えずにアセクシャル、ノンセクシャルという言葉と出会うのはもう少し後の話。。

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