非常ベルが鳴った夜に、本当に必要なものを考えた
マンションの非常ベルが鳴った。
初めて非常ベルの音を聞いた時は、心臓がバクバクした。
消防車が来て、点検が終わるまでずっと、不安だった。
『あれも持ってくればよかったな』
『これも忘れた…』
たくさんの後悔があって、『どうか無事であってほしい』と願った。
※※
今日、3度目の非常ベルが鳴った。
年に1度…というくらいのペースだ。
『何の音!?』とびっくりはするものの、『あぁ、またか…』『きっと大丈夫でしょう』と落ち着いてる。
なくなって困るものをカバンに詰め込む。
服を着替えて、外出する準備をして、家を出た。
状況が落ち着くまで、カフェでのんびりnoteを書いてる…
薄れてしまった危機感に、危機感を覚える。
”いざという時”というヤツは、突然やってくるものなんだと思う。
だから。もう少し危機感を持った方がいいんだろうな…と思った。
※※
もしも家がなくなってしまった時に後悔することがないように…とバックに詰め込んだ荷物を確認してみる。
パソコン・充電器
スマホ
お財布
ノート
折り畳み傘
これだけしかない。
『もう、持って行かなきゃいけないものはないな』と部屋の中を見渡してから出てきたのに、これしか持ってこなかった。
部屋の中には、たくさんのものがある。なのに、たったこれだけ。
あとのものは、『なくても生きていける』『欲しければ、またすぐに購入できる』ととっさに思ったんだと思う。
ベッド、机・椅子は単純に、持って逃げれる大きさじゃなかった。
でも、ベッドはなくても、安いマットレスでもいいと思ってる。
机・いすは、主にパソコン作業をするときに使う。あったら便利だけど…なくても生きてはいける。
カフェで作業することも多いので、机といすは気にならなかった。
テレビは、あるから見てるだけで、なくても問題ない。むしろ、ない方がいいんだと思ってる。捨てる勇気がないだけだ。
服は…必要だけど、着てる服なんてほんのわずかなもので。ほとんどは不要なものだ。
なくなってしまったとしても…その時に買えばいい。
シャンプーやアロマは、お気に入りものもがあって…やっぱり、あった方が快適な生活を送れるし、自分に自信を持つことも、心を落ち着けることもできる。
でも、なくても生きていけるし…必要なら、必要な分だけ買うこともできる。
靴は…とりあえず1足あれば、何とかなる。
準備してる時、一瞬迷ったのは、カバンだった。
私の部屋には、いくつものカバンがあるのだけれど…『これさえあればいい』と思える、お気に入りのカバンがいない。
いつも使ってるカバンを持ち、『本当にこのカバンでいいの?』と思った。春・夏っぽさが強いデザインだから…
でも、1年中使い続けたいようなカバンがなかった私は、いつも使うカバンを手に取った。
時間が経ってから考えると…『あの鞄はブランド物で、高価なのに…』とか、『あの鞄は気に入っていて、もう廃盤になったものなのに…』とか、『もっとおっきなカバンを持ってた方が良かったかな』とか、、、いろいろ考える。
でも、それは『もったいない』とか『もしも』ばかりで、本当に必要なものなのかは謎だ。
ただ…いざとという時を考えた時、それを全部捨てることも覚悟したんだと思う。
だから、今の自分のとって本当に必要な、ベストなかばんは持ってないのかもしれない…とも思った。
※※※
私は今、引っ越しに備えて、いろんなものを売ってる。
必要のなくなったものを捨ててる。
捨てられないカバンがいくつもあるのに…新しく本革のリュックを買いたくて迷ってる。
そういう状況もあって、『今、私に必要なバッグは何なんだろう?』とすごく考えてる。
バッグだけじゃない。
『本当に、私に必要なものは何?』
『周囲の目を気にするのではなく…本当は何を欲してるの?』
ここ最近、そんなことを考える機会が増えた。
今日の出来事も、『自分に必要なものは?』と考えるいい機会だったのかもしれない。
世の中には便利なものがたくさんあって、『これも』『これも』といろんなものが欲しくなる。
でも、生きていくために必要なものって、ものすごく少ないんだと思う。
だからと言って、私にはミニマリスト的な生き方なんてできない。
実際に、『リュック1つで、必要最低限のものだけで…』とプチ旅をしたことがある。
物が少なくても、困ることはなかった。
でも、シャンプーの香りがしなかったり…ちょっとしたことで、自信満々の強い自分でいられなくなる瞬間があった。
私はたぶん、そこまで弱い人間ではない。
でも、ものすごく強い人間なわけでもない。
だから、シャンプーとか、アロマとか、カバンとか…いろんなアイテムに支えられて、自分らしく生きることができてるんだと思う。
自分に足りない自信を何かで補ってるんだと思う。
だから、必要最低限のものではなく…私が自分らしく生きていくために、必要なものを見極めていく力が必要なんだろうなと思う。
誰よりもいいものをひたすら集めるのではなく…
自分にとって不要なものは、持たない決断をする。
誰がどんなに素敵なんだと語っても、自分に不要なものは、不要なままでいい。
そして、誰かにとって不要であっても、自分に必要なものを手にしていく。
そういう選択をできるようになりたいなと思う。
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