レンズ沼あれこれ:PENTACON auto 4/200 MC
今回は旧東ドイツ製レンズ、PENTACON auto 4/200 MCです。レンズ本体の表記からは詳しい情報が読み取れないのですが、ペンタコンという名前から、東独の流れをくむレンズだと推測できます。第二次大戦後、ドイツが東西に分かれ、ツアイス・イコン社も分割。東独側は商標の問題をクリアするためにコンタックスではなくペンタコン(ペンタプリズムのあるコンタックス)としたのだとか。
オールドコンタックスといえばレンジファインダー機のイメージ。一方、初期のペンタコンの一眼レフカメラはウェストレベルファインダーで、いわゆるアイレベル機構となったのはPRAKTICA Ⅳ(59年〜)からだったようです。
ネットで検索すると、私が所有するレンズとは少しずつ違ったデザインのものがちらほら。PENTACON auto 4/200 MCにはいくつものバージョン違いが存在するようですが、手許のレンズには生産国の表記はなく、絞り羽根は6枚。M42スクリューマウントです。
想像ですが、ペンタコン社のプラクチカシリーズのために作られたレンズでしょうか。79年にはプラクチカシリーズのバヨネットマウントモデルが登場し、M42マウントのカメラはすぐに生産終了とはならないまでも次第に衰退。手許のレンズはそんな過渡期、70年代中頃〜80年代初めに生産されたレンズなのかもしれません。
PENTACON auto 4/200 MC
マウント:M42スクリューマウント
レンズ構成:5群5枚
絞り羽根:6枚
重さ(実測):666g
お天気の日ではフレアが多く発生するため、強い光はあまり得意ではありません。何しろ200mm。ファインダーばかりを覗いていると視野が狭くなってしまいますが、周りの光の加減も確認しつつシャッターを切ります。シチュエーションにもよりますが、概ねコントラストは低めで、色味はあっさり系。ただ、ボケの具合はまずまずですし、どこか不思議な空気感があるような気がします。
日向ぼっこのカワウたちをスナップ。マイクロフォーサーズ機だと、400mm相当の画角となります。羽根の質感もまずまずではないでしょうか。
華やかな色表現が不得意かというと、決してそうとも言えないようです。ふんわり系で背景のグラデーションも偶然、いい感じに捉えられることがあります。また、あえてフレアを生かした画にするのもよさそうです。
金属鏡筒でずっしりとした重さがありますし、単焦点の望遠レンズ。カメラとの重量バランスもよくありません。ということで、気軽に持ち出すにはちょっと難しいレンズではあります。とはいえ、分家もそんなに悪くないなぁという印象を持たせてくれるレンズです。カメラ選択やシチュエーション次第では、なかなかいい味を提供してくれますね。
なお、レンズに関する記述や評価はすべて、素人カメラマンの個人的な感想です。誤った情報や評価などがあれば、ただちに修正していきたいと思っています。その点はご容赦ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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