官房機密費

毎日新聞2023/11/17
馳浩知事、東京五輪招致で「機密費でIOC委員に贈答品」 後に撤回

石川県の馳浩知事が17日、東京都内の会合で講演し、2013年に開催が決定した東京オリンピックの招致活動で、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に対し、内閣官房報償費(機密費)を用いて贈答品を渡したと発言した。馳氏は同日夜「誤解与えかねない不適切な発言であり、全面的に撤回する」とのコメントを出した。

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内閣官房機密費は、こういうことに使われると、私はとても嫌だと思う。

前にも触れたが、官房機密費とは、頭の触れたプーチンとのやり取りだとか、狂犬のネタニヤフだとか北朝鮮の拉致被害に対してだとか、いやとにかく、一筋縄では行かない交渉の何かに使われるのだと思っていたから。

それが、オリンピック招致のためと。
「たかが、オリンピック」と言い切っては、強過ぎるだろうか。
前世紀の遺物であり、米メディアとIOC乞食たちの魑魅魍魎の出来事で、決して未来に繋がるようなものではないのは、もう周知の事実ではないか。そのようなうたかたに、高額の予算が振られるのは、もううんざりだ。

市民に何も利するものはないとは言わないが、利するのは権力者とその取り巻きだけと言っても良いくらいだ。終わった後は何も残らず、箱モノだけが残される。日本の建築物は、ルイ14世の作った宮殿と違って、30年もすれば建て替えなければならない運命である。
残るは、大量に作られた関連グッズ。どこまで行っても、エネルギーの無駄、環境問題の軽視でしかない。今でも、時々、オリンピックのグッズが学校を通して配布される。使うこともないグッズ。何がSDGsだとため息が出る。

となると、その利する人たち、権力者たちとその愉快な仲間たちは、何が利かと言えば、利権、大量のお金、そして、おそらく安倍晋三氏はレガシーにこだわったのだと思う。憲法改正も、そのような印象である。

東京オリンピックを自分の治世中に開催したと。その教科書に載るような記録というレガシー。

残念ながら、日本政治史上最大の亜帆にレガシーは作れまいよ。
だって明治以降を考え、はて、日本にレガシーなどあっただろうか。

結局、経済的に興隆し、安定し、人々が活発に交流しクロスし、そんなところからでなければレガシーなんか生まれまい。

ヒトラーやムッソリーニのことを思っていたのかもしれないが、結局、全体主義に文化的レガシーは作れない。

まあ、安倍晋三氏が本当は何を考えていたかはわからないが、とにかく浅薄な思考で、自分に利することだけを思っていたのだろうと仮説を立てる。

菅義偉時代に、官房機密費は過去最高になった。
果たしていくら、このような未来に繋がらない愚かなことにお金を使って来たのだろう。税金を公正に分配することしか望んでいないのだが、そんなに難しいことだろうか。

官房機密費とは、数年後でも良いから、詳細を明らかにしてもらいたいと思うのは、望みすぎとは思わない。民主主義の在り方として、誤りではないはずだ。私たちはあまりにも政治家の所業を盲信、いや、見逃しし過ぎてはいないだろうか。

法治国家としての体を成さなくなり久しい。
「官房機密費は、公表しなくてよい、機密費だし官房だから」というような、世界中に蔓延る、本来ならボーイズクラブにしか通用しないだろう決まり事が、常識として蔓延ってしまっているが、これが真理かと言えば全くそんなことはない。
すぐには無理でも、徐々に、そこから引き剥がして行きたいものです。

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