国家終身の計

2023年末、次々と、昔で言う「一面トップ」的なニュースが目の前に現れる。
※現在の、政治部の力を失って久しい、「ジャーナリズムが見えない」レガシーメディアに、最早往年の「一面トップ」の概念はないことは付け加えておく。

・旧統一教会友好団体トップと岸田氏との接触の写真
・自民党5派閥が政治資金パーティー券収入の一部を政治資金収支報告書に記載せず、裏金として所属議員に還流
・経団連が自民党に毎年献金
・内閣官房報償費(官房機密費)を、選挙向けに支出

震撼するようなニュースばかりで、どちらもトップニュースであってよいほどのインパクトがある。
政治部も、実に追及し甲斐のあること限りなしで、さぞ忙しいだろう。なんとも羨ましい限りであるが、もちろん皮肉である。

テレビニュースで、大谷翔平を流しても良いと思うが、尺の公平性に欠けている。しかも、著しく。
メディアの指摘も追求も仮定も、全てが甘すぎる。メディアが沈静化しているから、世論が湧かない。アゴラが育たない日本である。

税金を着服し、メディアにたんまり配布するんだもの。それはもう、そうなるよね。
腐敗しているとは思っていたが、残念ながら自浄作用なく、反動も訪れず、とことん、悪くなるばかりであった。

メディアばかりか、広告、商社、財界、司法警察に至るまで、政界のみなさんが税金で言うこと聞かせようとしてるとなったらもう、庶民には手出しのしようがない。

民主主義を揺るがすニュースといえば、森友学園が思い出される。検察庁法案改正も。日本学術会議任命拒否問題も。桜を見る会の私物化、安倍昭恵氏や岸田裕子氏の公人的振る舞いも。
近代民主主義国家とは到底思えない。そして検察も刑事も司法も何も裁けない汚職の数々。


私たちは、政治家が愚かであることに、慣れすぎてはいやしないだろうか?

清く正しく美しくなんて絵空事だと、絵に描いた餅だと、社会はそんなに甘くないと、そんな風に、斜に構えてやしないだろうか?

ヴェネツィア共和国が最大領土だった時代、その経済力、ネットワーク構築力で地中海の女王となっていた時代。
権力者の法律違反は厳しく取り締まられていたと聞く。その人の国への貢献度などとは切り離されて。

国家百年の計だなんて、もはやこの選挙のことだけ熱心で、元々がお金持ち家系の三世四世であるしか誇るものがない、ガバナンス能力に劣る人たちに望むべくもないが、以下のことには声を大にして言い続けたい。

私たちは、政治家が無能で贈収賄に塗れた存在であることに、慣れ過ぎてはいやしないだろうか。

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中日スポーツ2023/12/5
経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)が4日の会見で、国からの政党交付金制度があるにもかかわらず経団連が毎年約24億円の政治献金を自民党側に続けていることについて「社会貢献の1つ」と説明、「世界各国でも同様のことが行われている。何が問題なのか」などと語ったことがメディアで報道された。ネット上では「賄賂じゃん」「癒着の典型的な例」「開き直りも甚だしい」などと怒りがわき上がった。

 会見を受け東京新聞は「自民に毎年24億円献金『何が問題なのか』と経団連・十倉雅和会長『社会貢献の1つ』」との見出しで詳報。自民党安倍派による政治献金パーティーでの裏金づくりの疑惑について説明責任を果たすべきだとの考えを示したことなどを伝えた。

 報じられた十倉会長の発言はX(旧ツイッター)などで拡散され、「ちょろいもんでっせ、法人税は下がるし、消費税還付金はもらえるし」「政党交付金制度ができた趣旨を理解していない十倉経団連会長。社会貢献なら『国境なき医師団』や『国連UNHCR』『ユニセフ』『フードバンク』等に寄付すれば良い」「子供食堂や介護施設にでも寄付したら?」「贈賄って社会貢献だったのですね」「経団連の会長に問題意識がないことが最大の問題」などと厳しい声が飛びかった。

2023/12/5共同通信
岸田文雄首相と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の米教団元会長や友好団体トップらが2019年に面会した際の写真が報じられたことに関し、教団関係者は5日、自民党本部で面会したと認めた。首相は「ギングリッチ元米下院議長と面会した際の同席者は承知していない。写真があったとしてもこの認識は変わらない」と重ねて強調した。官邸で記者団の質問に答えた。
 教団関係者によると、友好団体トップらは当時首相だった安倍晋三氏と面会すると聞いていたが、当時、自民党政調会長だった首相に変更になったという。理由は不明としている。日本教団は「友好団体のことなので、コメントできない」としている。
 首相は記者団に、同席した通訳など関係者に面会の有無を確認したところ、記録はなかったと説明。「ギングリッチ氏と会ったことは記憶しているが、その内容は記憶していない」と言明した。
 朝日新聞は5日付朝刊で、首相と旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップとみられる人物らが並んで写った写真を掲載した。
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