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世界の色

夕焼け空を見たとき空の色が3色でないことに
改めて感動させられる
写真でも絵でも切り抜けぬ自然界の色
物寂しさと揺さぶられる感情がそこにある

冬の寒さは感じず 
でも指先がじんじんしている
きっと寒いはずだ 
でもそのじんじんさえ心地いい
寒さを感じさせないのは 心地よくするのは
自然の偉大さなのだろうか

いつもは人があまりいない夫と行きなれた町
人口約7,000人弱 高齢者が占める町
その町に大勢の若者が集まった
岩だらけの海岸でブーツやヒールの女性が
声を上げながら進んでいく
三ツ石を
「あれが有名な岩なんでしょ」
等と話しながら指差す
誰も三ツ石と答えられる人はいない
三ツ石の夫婦岩のしめ縄を新しくしたと夫が
それを知ってるのはごく僅かなのか
そう思うと少し切ない
きっと初めて来る人が多かったみたいだ

いつもの真鶴と違う真鶴は少し居心地が悪い
しかし初日の出を待つ間
鳶の声や波の音 
だんだんハッキリしてきた三ツ石を見て
少し心穏やかになる

初日の出が出る少し前から
やはり空の色が3色ではないことに気づかされる
あがる日の出に照らされ
海も色を変える
人混みがダメな私が周りの歓喜に惑わされず
さざ波の音が私の耳を塞ぎ
邪念をシャットアウトする

そこには私と自然だけがいる
身体が宙に舞う感覚とはこのことか
自然の神秘を見出した

オレンジ 赤 紫 コバルブルー エレラルドグリーン 水色 青
人間の目に見えるだけでもこれだけある
色は無限なのではと思わされる

人がつくり出す色も美しいが
自然界が作り出す色もまた美しい
自然を前にして私は太刀打ちできず
ただ ありのままの姿を受け入れる他ない

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