見出し画像

漁期終盤もサンマ好調 女川魚市場 水揚げ昨年の1.2倍

春夏不振分挽回の勢い

 今年8月の小型船解禁からサンマの水揚げ不調が続いていた女川魚市場で10月以降、過去最低だった昨年から一転し、水揚げの好調が続いている。10月10日の初水揚げ以降、同市場では安定した数量を維持し、9日も5隻で78トンを水揚げ。買受人や市場関係者の努力で漁業者に「サンマの町・女川」のイメージが戻り、入港する船が増えている。すでに昨年1位の気仙沼魚市場を抜く水揚げ量となるなど漁期終盤を迎えても市場は活気付いている。【渡邊裕紀】

 今年のサンマ漁は8月4日に小型船が女川漁港から出港し、10日からロシア沖で始まった。しかし、調査で魚群が見つからず、出港した船は女川に一時帰港。その後、遠洋を主軸とする大型船中心に漁獲が上向き、10月10日に女川漁港で今年初めて26トンが水揚げされた。

サンマ水揚げ好調 (22)b

9日も5隻のサンマ漁船が水揚げした

 これ以降、順調に水揚げが続き、漁も終盤となった9日も5隻が計78㌧を水揚げ。加工品の主流となる100グラム以下の小型が中心だが、1キロ単価は昨年より高く、コウナゴの漁獲ゼロだった春漁、カツオなど夏漁の不調を挽回する勢いとなっている。サンマの水揚げは11日までに計4995トンと昨年(4564トン)を上回り、5000トンの大台が見えてきた。

 全国さんま棒受網漁業協同組合の水揚げ状況によると、11月末までの女川漁港の水揚げ数量は昨年の約1.2倍。しかし、全国の水揚げ総量は昨年の約7割に落ち込む。国立研究開発法人水産研究・教育機構の水産資源研究所=青森県=の宮本洋臣博士も「今年は南下するサンマの到達が遅く、水揚げもずれ込んだ。その影響で漁獲量全体も減ったのでは」と分析する。

 それでも、漁業者らに女川町が「サンマの町」として印象付けられたことで、多くの漁船が女川魚市場を選んで水揚げした。同市場の木村仁部長は「サンマ水揚げは15日ごろまで続き、総量で5000トンを超す見通し。年を追うごとにサンマ来遊量の予想は悪化しているが、これを覆すような傾向が続いてくれれば」と来期の水揚げにも期待を込めた。


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。