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鎮魂の青いこいのぼり泳ぐ 東松島の空約700匹 伊藤さん「10年目の思い発信」

 東日本大震災で亡くなった人たちの鎮魂と子どもたちの明るい未来を願う「青い鯉のぼりプロジェクト」のイベントが9日、東松島市の矢本海浜緑地パークゴルフ場内駐車場で行われた。昨年はコロナ禍でリモート開催だったため、野外では2年ぶり。約700匹の青いこいのぼりが悠々と空を泳いだ。

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力強く空を泳ぐ700匹のこいのぼり

 雨のためイベント開始が30分遅れたが、今年も全国から寄せられた青いこいのぼりが元気にひるがえった。震災で弟の律君(当時5歳)を亡くし、プロジェクトのきっかけを作った市職員の伊藤健人さん(28)は「今年も揚がったよという思いは変わらない。今年のテーマは〝風を興す〟。(強風は)天国からのメッセージだと思って、10年目の思いを発信したい」と話した。

青い鯉のぼり(3)

ライブイベントもあり出演者が会場を盛り上げた

 昨年参加するはずだった仙台市の舞踊グループ「羽跳天」のメンバーや3人組の音楽ユニット「サムライアパートメント」がパフォーマンスを披露。ハウンドドッグの元キーボーティストで石巻市出身の箕輪単志さんも初出演。自ら作曲の「ff(フォルテッシモ)」の演奏では観客、スタッフが一斉にこぶしを振り上げた。

青い鯉のぼり(6)

 毎年のように見に来るという同市大街道の会社員佐藤功也さん(43)は「10年たっても心の復興はまだまだ。子どもには、なぜたくさんのこいのぼりが泳いでいるのか教えていきたい」と話し、長女鈴夏ちゃん(5)は「こいのぼりにさわれてうれしい」とはしゃいでいた。【本庄雅之】


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