見出し画像

市道整備で行きやすく 恋する大須埼灯台 さらなる活用へ全国初協定

 「恋する灯台」に認定され、新たな観光名所に期待される大須埼灯台=石巻市雄勝町=は先月、灯台に至る市道や駐車場が完成し、行きやすくなった。19日には、子どもたちの健全育成や地域活性化へのさらなる灯台の活用に向け、管理する宮城海上保安部と雄勝総合支所が包括連携協定を締結。こうした趣旨の協定は全国初という。

 集落の高台にある大須埼灯台は、昭和24年に設置。地元住民のボランティアグループ大須灯台会(大須ともしび会)が周辺を手入れし、四季の花々で彩られた憩いの場になっている。太平洋を望む絶景だけでなく眼下の漁港がハート形に見えることから、平成30年には灯台の価値を見直す日本ロマンチスト協会と日本財団のプロジェクト「恋する灯台」に県内で初めて認定された。

大須埼灯台活用協定 (39)

白亜の大須埼灯台。先月に遊歩道が完成した

 これをきっかけに観光客やデートのカップルが増え、市は昨年から約390メートルの新たな市道の建設を開始。集落の狭い路地を避け、灯台に行くことができるようになった。合わせてバスや障害者用を含む12台分の駐車場、トイレを整備。そこから灯台まで約120メートルの遊歩道を舗装し、夜間の照明も設置した。

大須埼灯台活用協定 (14)

包括連携協定に署名した品野次長(右)と万城目総合支所長

 宮城海保は救命胴衣着用推進の取り組みなどで旧町時代から雄勝地区と関わりが深く、これまでも灯台の一般公開や子どもたちの体験学習などに協力。協定はこの関係性を明確にしつつ
①地域の安全確保
②人材育成
③子どもたちの健全育成
④地域の活性化

―などの事項に関して一層、連携協力を図る内容で、行事などで灯台の一般公開がしやくなるという。特に海保は震災後、海離れにある子どもたちに灯台を通じて海の知識や命を守る方法を学んでもらうことを期待している。

 締結式は総合支所であり、協定書に署名した宮城海保の品野馨次長は「灯台は72年間、船舶に光をともし、地域に愛されてきた。今まで以上の関係を築いていければ」とあいさつ。万城目昭博総合支所長は「観光に寄与するよう県内外に発信したい」と感謝し、同席したともしび会の小松英雄会長もコロナ収束後に多くの人が足を運ぶことを望んだ。【熊谷利勝】


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。