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1万人来場にぎわい復活

第30回サン・ファン祭り


 石巻の初夏を代表する大型イベント「サン・ファン祭り」(同実行委員会主催)が21日、石巻市渡波のサン・ファンパークで開かれた。今年は第30回の節目となり、コロナ禍の中止や変更を経て、令和元年以降、4年ぶりの通常開催にこぎ着けた。朝から青空が広がる好天に恵まれ、市内外から約1万人(主催者発表)が来場。地元団体によるステージ発表や多彩な飲食ブースが展開され、にぎわいに包まれていた。

「夢回帰」掲げ初心と伝承


 パーク近くにあった復元船サン・ファン・バウティスタ号の進水日(平成5年5月22日)に合わせて開催している祭り。30回の節目である今年は1回時のテーマと同じ「夢回帰」を掲げ、慶長遣欧使節団の偉業を後世に伝える意義を改めて共有しようとの思いを込めた。
 老朽化に伴って復元船は令和4年7月末までに解体を終え、展示施設のサン・ファン館は新しい復元船の整備も含めて長期休館しており、再開は令和6年度中の見込み。復元船解体後初の通常開催となったが、イベント開催を待ち望んでいた住民は多く、コロナ禍前とほぼ同規模の来場者数となった。


地元団体のステージや飲食販売でにぎわった

 渡波小鼓笛隊や万石浦小マーチングバンド、石巻好文館高チアリーディング部など華やかなステージ発表が祭りに花を添え、イタリアンフードや出店も長蛇の列。会場には「復元船とサン・ファンパーク、サン・ファン祭りの原点」と題した展示区画もあり、使節団の歩みをまとめた年表や復元船建造の経緯に触れたパネルが来場者の関心を集めた。


 同市折浜の鈴木あおちゃん(4)は「クレープがおいしい。かき氷も食べたい」、母の陽子さん(37)は「親子で楽しめるイベントが近くで開かれるのはうれしい」と話した。勇壮な太鼓演奏を繰り広げた雄勝町伊達の黒船太鼓保存会の阿部貴之会長(48)は「イベントが減ったコロナ禍は苦しかった。こんなに大勢の人の前で演奏したのは久しぶり。日常が戻ってきたと感じた」と語った。
【山口紘史】



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