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文化遺産をデータ保存 世界ネット・船体撮影 解体中のサン・ファン号

 木造復元船サン・ファン・バウティスタ号の解体に反対する住民訴訟を起こし、県と係争中の原告「サンファン号保存を求める世界ネットワーク」(白田正樹会長)は27日、記録保存用に船体の撮影を行った。裁判で求めていたもので、年明けに一部工事が中断したことを受け、撮影許可が下りた。

 白田会長らが現地に出向き、撮影チームがほぼ1日がかりで船体を写した。世界ネットは昨年6月、「十分な検討を経ずに解体を決めたのは違法」として村井嘉浩知事を訴えた。11月には、県慶長使節船ミュージアムに係留中のサン・ファン号の解体工事が始まった。

船体内部を撮影するスタッフ

 今回、撮影を手掛けたのは、最新技術で寺社仏閣などの撮影を得意とする京都府内の会社。ライダースキャンという技術で立体的な3Dデータを収集。全部で2千枚近くの写真を撮影した。

 撮影スタッフによると、細い木材は発泡スチロールのようにもろくなっているところもあったが、足場はしっかりしていて強風でもきしむことはなかったという。ドローンによる空撮は、強風のため断念した。

切り分けられたマスト

 白田会長は「今回は科学的、学術的見地からもデータを残したいと思った。撮影写真はまだ一部しか見ていないが、(船は)思ったよりきれい。ただ、切り刻まれたマストが並んでいるところは胸が締め付けられる。無残な姿で残念に思う」と話していた。【本庄雅之】


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