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ゆぽっぽ大規模改修へ 女川温泉・年度内再開目標 2度の地震で今も休業

 今年2月と5月の地震で窓ガラスが割れて落下し、現在も休業が続くJR女川駅に併設の町営入浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」で、町は大規模改修をする方針を決めた。ガラスが割れた原因究明を進めつつ改修工事を進めていく。3日に開会した町議会定例会には原因解析業務に向けた予算が計上。解析結果をもとに対策工事し、年度内の再開を目指す。

 東日本大震災前に駅の隣地で営業していたゆぽっぽは津波で全壊し、駅舎に併設する形で平成27年3月に再建。31年には利用者が20万人を超えた。しかし今年発生した2度の地震で浴室と休憩所の上部にある窓ガラス7枚が割れ、破片で利用客が軽傷を負った。

ゆぽっぽ 大規模改修

売店、マッサージを除き、休業が続いている女川温泉ゆぽっぽ

 東北大学災害科学国際研究所や設計、施工業者が建物の調査を行い、ガラスが割れた原因は地震の揺れで天井とガラスサッシ周辺の部材が接触した衝撃と推定した。町はより詳細な解析を進めていくほか、改修工事では鉄骨改良やガラス部分をアクリル板など他の部材に変えることも検討。浴室を含めて施設設備や外観に大きな変更はないという。

 定例会の一般質問では、木村公雄議員が「事故から4カ月過ぎても営業再開日など調査結果の公表がないのは遺憾」と指摘。これに対し、担当課は「年度内に再開できるよう努力していく」と答弁した。

 また大規模改修費は概算で約5千万円を見込んでいるほか、解析結果が出た後、事故責任の所在を含め、町は設計・施工業者との具体的な費用負担の割合などを詰めていく。木村議員は「町民に負担のないような方向で解決してほしい」とくぎを刺した。

 ゆぽっぽは、6月11日から売店とマッサージのみ再開しているが、現在も入浴施設は休業している。【山口紘史】


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