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あす告示 新人4氏の争いか まちづくり託す重要な選挙 石巻・市街地で第一声

 任期満了に伴う石巻市長選挙があす18日に告示される。投開票日は25日。東日本大震災からの10年を含む3期12年を務めた現職の亀山紘氏(78)が今期限りで引退を決め、新人4人が立候補を届け出る見通し。新人同士の争いは、平成17年の市町合併時以来16年ぶり。人口が減少し、復興期間の満了で財政が厳しくなる中、将来にわたって持続可能なまちづくりを誰に託すかを選ぶことになる。

 立候補を予定しているのは、五十音順にいずれも無所属新人で市議の阿部和芳氏(61)、元衆院議員の勝沼栄明氏(46)、元県議の齋藤正美氏(66)=自民、立憲民主推薦=、元市立病院職員の長純一氏(54)の4人。

 それぞれ旧市内に後援会事務所を置き、選挙戦への準備を進めてきた。各陣営は午前8時半からの立候補届け出を済ませた後、いずれも大票田となる旧市内で第一声を上げ、遊説に繰り出す。

 3度目の挑戦となる阿部氏は午前8時過ぎ、事務所が近い中央二丁目の石巻ガス会館前でマイクを握る。初日は河南、桃生、河北を回り、翌日から地元の牡鹿半島を巡る。選車で遊説しながら状況に応じて街頭演説する。「地元を最もよく知っている候補者」を自負し、均衡ある市の発展や行財政改革を強調する。

 勝沼氏は、神事を経て午前9時から大街道東の後援会事務所前で出陣式を開く。街頭では若さと行動力、医師として新型コロナウイルスの感染拡大からのいち早い脱却を訴える。初日は河南地区と蛇田、稲井方面を回り、19日は河北地区からスタートして雄勝、北上地区を重点的に遊説する見通し。

 現職の亀山市長や自民、立憲民主が推す齋藤氏は、大街道西の事務所で必勝祈願した後、午前9時から地元蛇田地区のJAいしのまき石巻営農センター西倉庫で出陣式に臨む。市民党的立場を掲げ、新型コロナからの経済立て直し、誰もが納得できる原発避難計画の必要を唱える。初日は旧市内を巡り、週明けに牡鹿半島に入る。

 医療復興に貢献してきた長氏は、蛇田地区に事務所を開設。午前9時から同地区で街宣後、10時から復興住宅が立ち並ぶのぞみ野中央公園で第一声を上げ、河北地区と旧市内を中心に回る。医師として「いのちを守る」市政を掲げ、日本一の新型コロナ対策や医療、介護、福祉を守ることでの地域の存続を訴える。

 3月1日現在の有権者数は12万1140人(男5万8545人、女6万2595人)。期日前投票は19日から市役所や各総合支所などで行うことができる。
【外処健一、熊谷利勝、山口紘史、本庄雅之】

 立候補予定者の事務所の所在地と連絡先は次の通り。
 ●阿部和芳氏=石巻市中央二丁目2―13(98―4814)
 ●勝沼栄明氏=石巻市大街道東四丁目2―13(21―6260)
 ●齋藤正美氏=石巻市大街道西一丁目7―54(98―7162)
 ●長純一氏=石巻市蛇田字中埣52―1(98―7210)


豊沢氏は立候補断念

 石巻市長選に立候補を表明していた同市北上町のアルバイト、豊沢幸四郎氏(59)は16日、石巻日日新聞社の取材に立候補を断念したことを明かした。

 立候補に必要な供託金のめどが立たず、志半ばであきらめることになった。今後は「4年後の市長選を目指し、地道に活動する」と話した。掲げてきた公約の検証や、民間で実現可能な施策を市民団体などと協力して取り組んでいくという。【渡邊裕紀】


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