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短期決戦 新人4人立候補 石巻の新リーダーは誰に

論戦火ぶた第一声

 任期満了に伴う石巻市長選が18日に告示された。現職の引退で新人4人が立候補。前哨戦から火花を散らしていたが、たすきをかけた候補者は舌戦を展開し、復興完結とその後を見据えた政策を訴えた。コロナ禍で接触を控える前例のない選挙戦となり、各候補者は集会を見合わせ、街頭演説に力を入れる。市長選は25日に投票が行われ、即日開票される。

 石巻市長選には、いずれも無所属で届け出順に元石巻市立病院医師の長純一氏(54)、元衆議院議員の勝沼栄明氏(46)、元石巻市議の阿部和芳氏(61)、元県議の齋藤正美氏(66)=自民・立民推薦=の新人4人が立候補した。

 現職で現在3期目の亀山紘氏(78)が4期目を狙わず引退するのに伴い、市長選は16年ぶりに新人同士の戦いとなった。東日本大震災からの復興は総仕上げの段階であり、その先の未来をどう歩むのかも見据え、新しいリーダーを決める重要な選挙となる。

 石巻市は平成17年の市町合併時で17万人となったが、震災を経て現在は14万人台。人口減少は歯止めどころか加速する一方だ。復旧復興で整備された施設の維持管理費は財政を圧迫し、人口減による市税の減収は貯金に当たる市の財政調整基金も食いつぶす。

 そこに追い打ちをかけるのが新型コロナウイルスの感染拡大。時短要請で飲食店を中心に影響は深刻だが、収束の兆しが見えない中で地域経済全体を縮小させている。新市長が取り組む課題は山積しており、具体にどこから手をつけるのか。有権者が関心を寄せる政策論争が望まれる。

 石巻市の有権者は17日現在で12万1001人(男5万8488人、女6万2513人)。【外処健一】


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石巻市長選立候補者(届け出順)

■長 純一 (54) 無新

■勝沼栄明 (46) 無新

■阿部和芳 (61) 無新

■齋藤正美 (66) 無新=自民、立民推薦

※無新=無所属新人

石巻市長選の顔ぶれ(届け出順)

長順一候補 告示日 (327)

元石巻市立病院医師 長純一 候補

■市民の命を守る政治
 長候補は、周辺に復興公営住宅が立ち並ぶ蛇田地区ののぞみ野中央公園で第一声。かつて診察してもらったという住民らが詰めかけた。長候補は「行政の縦割りを是正し、私が構築した地域包括ケアシステムなどを生かして市民の『命を守る』政治を行う。特に新型コロナに関しては医師の知見やつながりを生かし、市立病院を拠点に、日本一のコロナ対策を行う」と熱弁した。

 女川原発2号機については「広域避難計画に不備があり、再稼働に反対」と強調。「最後まで住み慣れた地域で暮らし続けられる地域にする」と述べた。


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勝沼候補第一声 (39)

元衆議院議員 勝沼栄明 候補

■現状打破で新石巻へ
 勝沼候補は、統括責任者の本木忠一県議ら6人の激励を受け、大街道東の事務所で第一声。「今だけを考えるのではなく、10年、20年先の石巻市民に胸を張れる街にしたい。今でいいは何もしないのと同じ。立ち上がるのは今」と現状打破を訴え、新しい石巻を見据えた。

 医師の立場でコロナ禍からの日本一早い脱却を強調。「未来への処方せんを携え、くまなく歩く。皆さんの一票は古里への思い、先人への感謝、未来への責任。投票で意思を示してほしい。大切な思いを負託できるのは私しかいない」と語り、こぶしに力を込めると拍手が沸き起こった。


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和芳第一声

元石巻市議会議員 阿部和芳 候補

■新しいまちの先頭に
 阿部候補は、中央二丁目の石巻ガスビル前で第一声。平成12年に石巻市議に初当選以来、誠実に行動力を発揮してきたことをアピール。東日本大震災で身内を失ったことを明かし、「亡くなった尊い命をいかさなければいけない。老若男女にやさしい、住んでよかったと思える街にしなければいけない」と強調した。

 コロナ、福祉対策にも「ネットワークがある」とし、「しがらみに惑わされず、誇りある石巻にするために先頭に立って皆さんと新しい石巻を作りたい。立候補は3度目の正直。3分の3は1になる」と支持を訴えた。


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石巻市長選2021 齋藤正美第一声 (109)

元宮城県議会議員 齋藤正美 候補

■未来へ責任ある市政
 齋藤候補は、地元蛇田のJAいしのまき営農センターで出陣式に臨み、大勢の支持者を前に「愛する古里のために全身全霊で戦い抜く。皆さんと共にオール市民でこれからの石巻を築き上げたい。未来への責任ある市政を実現し、誇りある石巻づくりのために粉骨砕身頑張っていく」と第一声を上げた。

 新型コロナ対策をさらに確実にするほか、原発避難道路の整備などの課題解決へ2市1町の広域連携を強める姿勢を強調。自民、立憲民主党が推し、安住淳衆院議員や現職の亀山紘石巻市長、須田善明女川町長が応援のマイクを握った。


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