モチモチ生地に優しさ包む｜Ｂ・Ｂクレープ（石巻市立町）

　石巻市の中心市街地にある「Ｂ・Ｂクレープ」。店主の大場由美さんが切り盛りする小さな店の前からは、学校帰りの学生たちの若々しい笑い声が聞こえてくる。

店は路地の先にあり、看板が目印

世代超えた甘い青春の味

　「学生たちが集える場を作りたい」と考えた大場さんは、平成20年に現在の石巻市役所南側に店を構えた。その思い通り、来店者の８割は女子高生。多くの若者が青春の１ページをこの店で刻んだ。

　東日本大震災では店舗が被災し、残った機材はガスコンロと鉄板１枚のみ。廃業も考えたが、地元商店街からの要望を受け、残された機材でクレープを販売。足を止めて喜んでくれたのは、なじみの客たちだった。

色とりどりの具が宝石のように輝く

　感謝を胸に刻んだ大場さんは自宅の一部を店舗に改装して23年９月に再開。その後建て替えられ、テークアウト専門になった。開店当初は高校生だった客が子ども連れで来店する姿を見られることは、店を続けていることで得られる喜びという。

現在の店舗はテークアウト専門。店主の大場さんが笑顔で出迎える

　店ではクレープとタピオカを販売。クレープ（税込４００―５００円・学生50円引き）はバナナチョコなど約20種類あり、具材はモチモチとした生地に包まれ、ボリュームたっぷり。かわいらしく飾り付けたフルーツがしっかり見えるよう、気遣いで包み込んでいる。いしのまき元気いちば近くの堤防などに出店するキッチンカーでは、ポテト（同４００円）も味わえる。

　大場さんは「一度食べたらおいしさが伝わるはず」とほほ笑む。

お店情報

Ｂ・Ｂクレープ

▽住所＝石巻市立町1-3-6
▽営業時間＝11~18時
▽定休日＝月曜
▽電話＝080-3149-9131