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村井知事「充実した対策」 立地首長と女川原発視察 再稼働同意時期は明言せず

 東北電力女川原発2号機再稼働を巡り、村井嘉浩知事と亀山紘石巻市長、須田善明女川町長は6日、自然災害や重大事故への安全対策を確認するため現地視察した。2号機建屋内や海抜29メートルにかさ上げした防潮堤などの設備を同社の樋口康二郎社長が説明。村井知事は「安全対策が充実している」と一定の評価を示したが、再稼働同意の可否判断時期に対しては「未定」を強調した。【山口紘史】

 視察は東京電力福島第1原発事故を教訓とした新規制基準への対応、重大事故時の安全対策を確認するのが目的。2号機再稼働に向けた地元同意手続きの一環であり、村井知事の原発訪問は東日本大震災後の平成23年4月以来。立地自治体の首長と一緒に視察をするのは初めてとなった。

女川原発の安全性を確認 知事ら3首長が現地視察 再稼働時期は明言避ける

海抜29メートルの防潮堤を視察する(右から)亀山市長、須田町長、村井知事

 視察に先立って樋口社長が「安全対策に終わりはない。全社体制で対策を積み重ね、地域の信頼を得たい」とあいさつ。村井知事らは原子炉格納容器の破損を防ぐ排気装置、建屋の耐震工事、基準津波(最大想定23・1メートル)を踏まえて海抜29メートルのかさ上げ工事に取り組む防潮堤(全長約800㍍)を見学した。

2号機建屋内で説明を受ける村井知事ら(東北電力撮影)

2号機建屋内で説明を受ける村井知事ら(東北電力撮影)

 樋口社長らが各種安全対策を説明。このうち防潮堤では「大規模地震が発生した際の地盤沈下を防ぐため、地盤改良もしている」などと話した。視察後に村井知事は「世界最高水準の新規制基準をクリアし、非常に充実した対策が取られている」と評価。「安全性が確保されても動かすのは人。事故などが起きた場合はどんなに小さくても包み隠すことなく、迅速で正確な情報発信を今後も行ってほしい」と求めた。

安全対策を講じた2号機建屋内で説明を受けた(東北電力撮影)

安全対策を講じた2号機建屋内で説明を受けた(東北電力撮影)

 亀山市長も「安全性が一層高まり、参考になった」と述べた。須田町長は「新規制基準に対する新たな安全対策が目で見て分かるほど充実していた。安全意識を一層高めてほしい」と話した。

 2号機は今年2月に原子力規制委員会の審査に合格。村井知事は有識者検討会が示した報告書のほか、立地自治体の議会の判断などを鑑み、再稼働の可否を総合的に判断する考え。また原発30キロ圏内の住民対象の説明会が順次行われており、あすは午後1時から石巻市総合体育館で国の担当者が説明を行う。

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