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石巻市は19日 2区間25人 復興象徴の地駆ける 特殊区間は船、聖火台前でゴール

 全国を巡る東京五輪の聖火リレーは19日に宮城県に入り、20日にかけて石巻地方を通過する。新型コロナウイルス感染症の収束は見通せないが、各市町は聖火リレーを東日本大震災からの復興と支援への感謝を国内外に伝える機会と考えている。2市1町の聖火リレーの見どころを紹介していく。

希望つなぐ聖火リレー

 県内の聖火リレーは19―21日で、気仙沼市から南下する形で沿岸部など16市町村をつなぐ。19日の第3、4区間である石巻市は午後3時26分に石巻駅前を出発。立町大通りを東に進み、旧観慶丸商店前の交差点を右折してアイトピア通り、復興公営住宅のある中央一大通りを南下。石巻小学校前で旧北上川側へ進路を変える。

 ランナーは川沿いの道をいしのまき元気いちば方向へ北上。いちば前の堤防から対岸の中瀬まで、特殊区間として孫兵衛船を使って聖火とランナーを運ぶ。聖火は新しい内海橋の代替えとして開通した西中瀬橋を通って右岸に戻り、かわまち交流センター前に午後4時2分に到着する。

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19日第3区間(石巻市)

 ここで一旦終了となり、同4時38分から第4区間が石巻市総合運動公園(セイホクパーク石巻)南ブロック駐車場からスタート。バイパス経由で複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)側から公園内に入り、ふれあいグラウンドを1周して寄贈された聖火台レプリカ前でゴール。市内の中学校から1人ずつサポートランナーを務めるほか、小学生が聖火ランナーを迎え入れるミニセレブレーションが行われる。

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19日第4区間(石巻市)

 市内2区間では25人のランナーが聖火をつなぐ予定。市民の中からも震災後に門脇・南浜の自宅兼店舗跡地に「がんばろう!石巻」の看板を立てた黒澤健一さん(50)=がんばろう!石巻の会事務局長=や震災で大川小の6年生だった次女を亡くした鈴木典行さん(56)=大川伝承の会共同代表=らが選ばれ、視覚障害のある若山崇さん(52)は妻と盲導犬のトラヴィスをパートナーに走る。

 新型コロナで五輪や聖火リレー開催への逆風が吹く中、鈴木さんは「走者を希望したのは娘と一緒に走り、震災の風化を防ぎたいという思い。最初の気持ちを忘れず、しっかりと走りたい」と話している。【熊谷利勝】


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旧北上川で孫兵衛船リハ 消防本部中瀬を操船

 19日から石巻地方で始まる東京五輪聖火リレーに向け、12日には旧北上川河口部で聖火を運ぶ孫兵衛船のリハーサルが行われた。石巻地区消防本部の漕ぎ手9人が船に乗り、いしのまき元気いちば前から中瀬に設けた船着き場までの約150メートルを滑走。規定時間内(1分-1分30秒)に到着できるかどうかを確認した。

聖火リレー孫兵衛船リハーサル (70)

 石巻市での聖火リレーは、中心市街地と市総合運動公園周辺の2カ所。中心部の目玉は孫兵衛船に聖火とランナーを乗せ、旧北上川を渡る「特殊区間」となり、中瀬公園に到着後、中央に戻り、この区間はゴールとなる。

聖火リレー孫兵衛船リハーサル (7)

2年ぶりに旧北上川を孫兵衛船が滑った

 リハーサルでは市職員らが旧北上川の両岸に船着き場を設置。消防本部からは、前回(2年前)の石巻川開き祭りの孫兵衛船競争で優勝したチームのメンバーが参加。川幅が狭いため、旋回の方法などを何度も確かめ、上流と下流どちらが効率的に回れるかなども試しながら息の合ったオールさばきを見せた

聖火リレー孫兵衛船リハーサル (8)

 チームで監督兼操舵手を務める小泉大輔消防士長は「コロナ禍で今年も祭りが中止となり残念だが、復興したまちのアピールと、市民の皆さんに川開きの雰囲気を少しでも味わってもらえれば」と話していた。【渡邊裕紀】


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