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漫画家・矢口高雄さん死去 石ノ森萬画館 2代目館長 来月、追悼企画展「釣りキチ三平展」

 石ノ森萬画館の2代目館長を務めた漫画家の矢口高雄(本名・高橋高雄)さん=秋田県横手市増田町出身=が、20日に膵臓(すいぞう)がんのため東京都内の病院で亡くなっていたことが分かった。81歳。訃報は25日、家族が本人のSNS上で報告した。矢口さんは「釣りキチ三平」などで知られ、石巻市のマンガ文化の発展にも大きな足跡を残した。同館は当初、12月12日から矢口さんの画業50周年記念の特別展を予定していたが、死去に伴い追悼企画展「釣りキチ三平展」として開く。【渡邊裕紀】

 矢口さんは、石ノ森章太郎さんやモンキー・パンチさんらが所属していた漫画家の有志団体「マンガジャパン」の会員とし、石巻市のマンガを活用した地域おこしに協力。これが縁となり、平成15―21年度は萬画館の2代目館長を務めた。

矢口高雄さん死去 (2)

震災後に萬画館に贈られた矢口さんの応援色紙

 この間、市内では代表作にあやかった釣り大会も開かれ、川と海に恵まれた石巻の良さを広く発信。矢口さんは震災前に原画展も開いたほか、震災後は色紙に応援メッセージを込めて萬画館に贈るなど、復旧復興に協力を惜しまなかった。

 死去の知らせに市内からは悼む声が聞かれた。同館の木村仁専務は「萬画館が誕生する前からまちおこしを始め、多大な貢献をされた方。私も釣りキチ三平の愛読者であり、心からご冥福を祈りたい」と話していた。

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矢口高雄さん

 同館で開く追悼企画展は12月12日から来年1月31日まで。カラー原画などを中心に、釣り漫画で描かれる自然の美しさや人との絆など、矢口さんが読者に贈ったメッセージをひも解く。また、石ノ森章太郎さんとの思い出をつづったマンガも展示される。

 矢口さんは、昭和45年に30歳で銀行を退職し、漫画家に転身。48年に趣味である釣りを生かした「釣りキチ三平」の連載を始め、全国に釣りブームを巻き起こした。作品は約10年間にわたって連載され、テレビアニメ化や実写映画化など、長きにわたって愛されている。


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