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市政の行方④ 復興特需終了で財政危機 かさむ社会保障費や施設維持費

 石巻市の将来を語る上で財政問題は切っても切り離せない。人口減少に伴い税収は少なくなっていくが、今後は東日本大震災の復興事業で建てた施設の維持管理費や高齢化による社会保障費が増加。財政の危機は行政サービスにも影響することであり、市民と共有すべき課題だ。【熊谷利勝】

 令和3年度一般会計当初予算は749億円。震災翌年の平成24年度は2600億円台に膨らんだが、10年間の震災復興期間が終了し、ほぼ通常規模(600億円前後)に戻っている。市長改選期のため、新規の政策的経費を計上しない骨格予算編成であるものの、通常規模より100億円ほど高いのは、一般廃棄物最終処分場建設や福祉関係の費用増などで底上げされたためだ。歳入では新型コロナの影響や復興特需の収束による市税の減少を予想。対前年度20%増の32億円の財政調整基金を取り崩すこととした。

 この財政調整基金は市のいわば貯金。市が3月に策定した行財政改革推進プランでは、何ら対策を講じず、収支不足を財政調整基金で穴埋めしていった場合、基金残高は5年間で約66億円減り、7年度末には約9億円になると想定。市民との協働のまちづくりや財源の安定確保、経費削減に向けて67の取り組みを推進することとしている。

 財政への影響が大きいのが、震災復旧復興で整備された施設の維持管理費だ。建てる時は国の支援があるが、できた後の維持管理は市の負担。地盤沈下対策の雨水排水施設のほか、複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)も年に3億円ほどの維持費がかかる。さらに4千戸を超える復興公営住宅や石巻駅前のささえあいセンター、各地に点在する公園。財政に詳しくない市民からも「大丈夫か」の声が聞かれる。

 厳しくなる行財政運営を見据え、職員数の適正化が不可欠となっている。震災復興で増えた業務への対応で、市の職員数は類似市で最多。昨年4月1日の職員数(1549人)を基準に5年間で222人を削減する定員適正化の計画を策定している。5年間で約17億円の人件費削減を見込むが、市域が広く行政効率が悪い特殊事情があり、計画通りに削減できても類似自治体の平均よりも多くなる。

 合併市の一体感を生むため総合支所に一定の財源が配分されている一方、総合支所機能の見直しも検討されている。市は本年度、総合支所を3課から2課体制に変更した。行財政改革のしわ寄せが旧町に偏らないよう、新たなリーダーは市域の均衡ある発展とのバランスが求められる。地域課題を市だけで解決していくのは財政的にも人員的にも難しくなり、市民との協働をいかに進めるかの手腕も問われる。


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