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音楽喫茶の名物マスター死去 「Be―in」末永俊樹さん 川開きではチンドン屋パレード

 石巻市の音楽喫茶の草分け的存在「Be-in」(ビーイン)=石巻市中央=のマスターだった末永俊樹さんが8日、腎不全のため入院していた仙台市内の病院で亡くなった。71歳だった。葬儀は近親者のみで営んだ。

 長女の派遣社員、麻衣さん(41)=仙台市=によると、末永さんは糖尿病を患い、入院加療中だった。亡くなる1カ月ほど前、「コーラが飲みたい」という末永さんにちょっとだけ飲ませてあげると、うれしそうにしていたという。

末永さんとベロマン(ビーインにて)

2年ほど前、店でくつろぐ末永さん(左)とミュージシャンのべロマンさん(大島幹雄さん提供)

 店は昨年末に閉じて最近、建物が解体された。末永さんも承知の上だったが、記憶が混濁したのか、「ビーインでみんな元気でやってる?」と話すこともあった。

 麻衣さんは、10日にフェイスブックで父の死を報告。仲間から多くのメッセージが寄せられた。

 気さくな人柄で親しまれた末永さんは、石巻川開き祭りではチンドン屋のふん装で参加するなど街の有名人として知られていた。

 同市中央二丁目の2階にあった「Be-in」は、末永さんが21歳の時に始めた。10人も入ればいっぱいになるような店は独特の雰囲気があり、マスターを慕う音楽好きのたまり場になっていた。

note用チンドン屋末永さん (1)

 音楽特集を組んだ地域情報誌「石巻学」で末永さんは、キング・クリムゾンのアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」を聴き、「ロック喫茶をやろうと思った」と語っていた。フォークソングに凝った時期には伝説のフォークシンガー、高田渡さん(平成17年没)を呼んでライブを開いた。

 人気フォークシンガー、加川良さん(同29年没)は、オリジナル曲「贈り物」で「レゲエのビーイン、ブルースはティーボーン」と店名を歌いこむほどお気に入りだった。昭和59年ごろ、レゲエにはまった末永さんは、本場ジャマイカで仕入れたレコードを流し、東北で初めてのレゲエの店として有名になった。【本庄雅之】


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