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石巻署 謎多きポリス 新ヒーロー〝碇〟登場 「特殊詐欺は私が許さん‼」

 前触れもなく、石巻地方の治安を守る新たなヒーローが誕生した。その名も「シークレットポリス碇」。11日に石巻署であった年末年始特別警戒出動式に登場し、特殊詐欺などの不審電話に効果的な通話録音装置をPRした後、さっそうと姿を消した。果たして彼はいったい何者なのか。【横井康彦】

 石巻署地域課の山口幸男課長に取材すると碇の履歴書を渡された。そこにはこう記されていた。

 「年齢は推定25歳(極秘)、出生地は不明(たぶん東北地方)、身長171センチ、体重64キロ、人間の肉体と液体金属の融合体」…。

年末年始警戒出動式 (3)

 誕生経緯も諸説あるが、最も有力なのは隕石落下の影響説。「トモキ」という警察官の体内に落下した隕石に付着していた未知の液体金属が入り込み、変身したという。

 一方、登米署の「トメルンダー」、河北署の「イイレー」を考案した地域課所属のベテラン警察官が退職を迎える前に、防犯グッズのPRや各種啓発に効果を発揮できるようなオリジナルヒーローとして生み出したという説もある。真偽は不明だが。

 碇は青、白、黒の3色が際立つスーツに身を包み、顔に「船のイカリ」のような模様がある。偶然にも石巻署の第2機動隊が身に付けているエンブレムもイカリマーク。何らかの関係も否めない。

シークレットポリス登場 (1)

石巻署の行事にさっそうと登場した「碇」

 そして悪を憎む怒りの感情が彼を強くするという。履歴書に「碇のように頑丈なメンタル、納豆のような粘り、悪を憎むと碇が怒りになる」と記載されていた。武器となる通話録音装置は、固定電話に外付けすることで不審電話があった際に自動で会話の内容を録音でき、特殊詐欺に効果があるという。

 ここまでの取材で分かったのは、このヒーローは無敵でないということ。地域から応援がないと力が半減するほか、視界が狭いため、横や後ろからの攻撃に弱い。極めつけはスーツのメンテンナンスだ。

 「碇が身に付けるスーツを手掛けた警察官が本年度で定年退職を迎えるため、一度破損すれば修復不可。大事に使わなくては」と関係者。体の替えが効かないのは警官も同じであり、自らの身も守りながら地域の治安維持に力を注ぐ。

年末年始警戒出動式 (1)

 出動式で碇は「石巻地方には仮面ライダーやシージェッター海斗など先輩が多い。地域の安心安全のため、負けないよう使命を果たす」と誓った。最後まで彼の正体は分からなかったが、私は極秘情報も入手した。次に碇が姿を見せるのは1月10日前後に行う「110番の日」イベントが濃厚。果たしてスーツは無傷なのか…。来年まで乞うご期待。


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