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石巻市 旧北上川→北上川、北上川→新北上川で表記 正式化は関心高まり不可欠

 石巻市の中心部を流れる一級河川は「旧北上川」でなく「北上川」。市は「地域で日常的に親しみを持って呼んでいる名称」であるべきとした市議会の提言や地域活動団体の提案を受け、石巻湾に注ぐ旧北上川を「北上川」、追波湾にそそぐ北上川を「新北上川」として案内地図や観光パンフレットで表記することにした。あくまで地域呼称であり、公文書や学校教育では正式名称を用いる。年代によっても呼び方は異なっており、市は今後、正式名称の変更を目指す上でも市民の関心の高まりを期待する。【熊谷利勝】

 提言は全議員名でおおとし6月にあり、昨年9月には地域活動団体が現在の旧北上川を北上川、北上川を新北上川の地域呼称で表記する取り組みを提案。市民アンケートは実施していないが、市は市民代表である市議会の提言を重視して検討し、限定した中で地域呼称を始めることを決めた。

 18日の定例記者会見で亀山紘市長は「堤防が整備され、大きく変わった。私としては新しくなったイメージとともに本流としての名前を旧北上川に取り戻したい」と述べた。

旧北上川

開北橋近く看板には「一級河川 旧北上川」と表記されている

 市によると、旧北上川の名称は新河川法施行の昭和40年3月から。分流施設完成翌年の昭和7年からそれまでは、旧北上川がただの北上川、追波湾にそそぐ今の北上川が新北上川だった。つまり地域呼称は昭和40年以前に戻すことになる。

 どの名称がなじんでいるかは市民に賛否あり、「旧北」「新北」と略して2つの北上川を区分する人も。年齢が高めの層は本流としての北上川へのこだわりや「旧」の字に違和感を覚えるという。歴史ある川開き祭りは、パンフレットで会場を北上川と記している。

 地域呼称を用いるのは一部にとどまるが、市役所内では正式名称との2つを使い分けることになり、市民も混同しそうだ。正式名称を変えるのには県議会での議決など手続きに最短でも1、2年を要するが、何より変更への市民の盛り上がりが不可欠という。

 どちらとも北上川と呼ぶのも都合が悪いといい、洪水などの災害時は正式名称で情報を伝える。


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