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知事選告示 現新2氏第一声 衆院選と同じ31日投開票

 任期満了に伴う宮城県知事選が14日告示され、届出順にいずれも無所属で、元石巻市包括ケアセンター長の医師で新人の長純一氏(55)、5選を目指す現職の村井嘉浩氏(61)が立候補した。投開票日は19日に公示される衆院選と同じ31日。現職、新人の一騎打ちは3回連続。4期16年の村井県政や東日本大震災の復興評価、コロナ対策、地域医療の在り方などが主な争点となる。17日間の選挙戦に臨む2候補は県政の転換、継続をそれぞれ掲げ、仙台市と気仙沼市で第一声を上げた。県内有権者は13日現在、192万8886人(男93万2901人、女99万5985人)。【熊谷利勝、山口紘史】

長候補 「命と暮らしを守る」

 市民団体の要請と野党県議の後押しで立候補した長候補。認知度向上へ、大票田である仙台市の中心地で第一声を上げ、村井県政の批判票を狙った。

 前回知事選で一騎打ちを繰り広げた多々良哲氏を選対本部長に、野党議員らが応援に訪れる中、マイクを握った長候補は村井県政に対し「多選のおごりか、コロナ対策で県民や医療従事者の声に耳を貸さない。命を危険にさらす県政を変えなくてはいけない」と強調し、対話基調の県政を唱えた。

知事選第一声 長候補

医療福祉拡充などを訴える長候補

 医師の知見を生かし、〝第6波〟を見据えたコロナ対策徹底や経済対策、地域医療・保健福祉拡充、女性の視点を生かした子育て支援強化も訴えた。村井県政が進める仙台圏4病院の再編統合、水道民営化導入は白紙撤回を主張、東北電力女川原発2号機再稼働に反対の姿勢を示した。

 長候補は「石巻で医師として住民の声を聞き、寄り添った。何より大事なのは県民の命と暮らし。どうか私に県政を任せてほしい」と声高に呼び掛けた。

村井候補 「子育て大きな柱に」

 村井候補は、復興の象徴である気仙沼大島大橋近くの大島で第一声。ものづくり企業の誘致や民間を活用した行財政改革などこれまでの実績を示しながら、「5期目も基本的な考えは変わらず、富県宮城を継承しつつ、小さな行政体にしていく」。その上で「少子化が止まらないのは私の責任」として子ども子育ての分野を一つ大きな柱として加え、環境整備のための基金を設立することにした。

村井写真

気仙沼大橋の展望台に立つ村井候補

 さらに仙台圏4病院を再編して名取市、富谷市に新たな拠点病院を設置することや、女川原発2号機再稼働では「問題があれば厳しい対応をし、いざという時、住民が避難できるようにする」と強調。新型コロナ対策は次の波に備えて病床などの確保を進めていく。

 震災復興はソフト整備への移行を重視し、「被災者に寄り添った対策ができるよう市町村や民間団体と協議し、ネットワークを作る」と主張。最後は大島大橋の中ほどに移動し、支持者とガンバローコールを行った。


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下旬に衆院選、県議補選も
あすから期日前投票

 任期満了に伴う知事選(31日投開票)の期日前投票は15日、各市町村で始まる。20日以降は衆院選(19日公示、31日投開票)、23日以降は石巻市と女川町で石巻・牡鹿選挙区の県議補選(22日告示、31日投開票)を含めた3つの投票を同時に済ませられる。

 石巻市の期日前投票所は市役所5階市民サロンと各総合支所、渡波公民館、蛇田支所が午前8時半-午後8時、稲井公民館、荻浜支所が午後5時まで。いずれも投票日前日の30日まで開設する。

 後半の28-30日はイオンモール石巻にも午前10時-午後7時に期日前投票所を開設。25日は午前9時半-午後5時に石巻専修大学でも投票ができる。当日投票所がない田代、網地両島は、29日に期日前投票所を置く。

 東松島市の期日前投票は市役所南庁舎と鳴瀬庁舎、女川町は役場でいずれも午前8時半-午後8時。女川町は26日に限り、江島、出島にも開設する。

 各市町とも選挙期日の決定の遅れで投票所入場券の発送が下旬になるが、期日前投票は入場券が届かなくてもできる。【熊谷利勝】


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