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結婚式 秋以降延期の傾向 「少人数プラン」「さらに先延ばしも」

 新型コロナウイルスの感染拡大は、石巻地方の結婚式場にも大きな影響を与えている。密集など3密防止でキャンセルや延期が相次ぎ、挙式の相談も激減した。政府の「新しい生活様式」が求められる中、大規模な結婚式は難しく、秋以降に延期した式は出席人数を減らすなど招待者に配慮した形を模索している。【渡邊裕紀】

 市内の結婚式場として幅広く利用されている竹乃浦・飛翔閣(杉山寛明社長)=石巻市山下町一丁目=は、2月ごろから新型コロナの影響が出始め、キャンセルは10組以上となった。6月の予定もゼロとなり、杉山社長は「今のところ、需要が回復する気配は見られず、収束を待つしかない」と話す。その上で「少人数に対応したプランや、挙式の動画配信なども柔軟に検討していきたい」と新しい形式を模索する。

 ゲストハウスで行う結婚式が特長のアンジュガーデン迎賓館=同市開成=も、キャンセルや延期の打撃が大きい。同館の小野寺恵マネジャーは「結婚式の在り方も変化し、これからは少人数で空間を広々と使う式が主流になっていく」と見据えた。「今しかない写真を撮っておきたい」と記念撮影のみとするフォトプランを選ぶ人たちも多いという。

地域の声 新型コロナ結婚式場の対応 (8)

椅子の数を減らし、間隔を空けて対応(アンジュガーデン迎賓館)

 オーダーメイドの結婚式を手掛けてきた石巻ウェディング(豊島栄美代表)=同市中央=は、4―5月の売り上げは前年同期比で1割以下。豊島代表は「型にはまらない式の提案でこれまで多くの人に喜んでもらった。式の簡素化で人数が減っても、それに合ったプランを練り上げて満足してもらいたい」と知恵を絞る。延期を決めた予約客は秋以降や来春を予定しており、社会の変化を見ながら実施に向けて準備を進めている。

 今年10月に東松島市内で披露宴を予定していた同市須江の会社員の千葉拓人さん(24)は、来年の4月下旬に延期した。「式に参列する親族には、関東圏から訪れる人たちもいる。新型コロナの収束が見えない中では延期せざるを得ない」と話す。披露宴は80人規模を見込んでおり、出席者の安全を第一に考える千葉さんは「状況次第では、さらに先延ばす可能性も否めない」と先の見えない不安をにじませた。


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