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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ… もっと読む
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2020年12月の記事一覧

思いやりを柱に、心の橋を渡そう

 東北最大河川の北上川は、岩手県岩手町の弓弭(ゆはず)の泉を源流に岩手、宮城両県を縦断して石巻市に注ぐ。幹川流路延長は249キロ。豊かな流れは作物の生育に欠かせないが、大雨の洪水で牙もむく。歴史をたどれば交易で千石船が往来し、戦乱の世では戦いの舞台にもなった。【外処健一】  北上川は石巻市北上町で追波湾に注ぎ、旧北上川は迫川、江合川と合流して石巻市で石巻湾に流れる。旧北上川の中州にかかり、市中心部と湊地区を結ぶ内海橋は、明治15年に内海五郎兵衛が私財を投じて木製の橋を整備し

復興の象徴 内海橋開通 変化し続けるまちなか

 東日本大震災後、東北沿岸部は復旧・復興工事で、その風景を大きく変化させた。石巻地方も例外ではなく発災からきょうまでの日々で、今までの景色がなくなり、今までになかった景色が生まれた。特に今年は石巻の中心市街地で、4代目となる内海橋が供用開始されるなど、象徴的な1年だった。【近江 瞬】  今年の石巻市の中心市街地で最も大きな話題の一つが、県が災害復旧事業で架け替えた一般国道398号内海橋の開通。これまで橋から100メートル上流側に整備され、中州の中瀬地区を通る従来ルートとは

石巻市の男女2人陽性 療養者500人超す

 県内では28日、石巻市の80代男性無職と30代女性アルバイトの2人を含む計28人が新型コロナウイルスに感染した。石巻市の陽性者累計は95人。県内では2092人となった。  石巻市の30代女性はすでに感染が判明している患者の濃厚接触者で19日に発症。80代男性は24日に発症したが、今のところ感染経路は分かっていない。  県内の入院中、入院調整中、宿泊・自宅療養中の患者は28日夜時点で508人となっている。 現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開し

コロナ禍で交通事故減 在宅時間増と火災比例

 今年の石巻署管内は交通事故、刑法犯ともに減少した。新型コロナウイルスの影響で人の動きが停滞したことが一つの要因と言えそうだ。その中で休業中の飲食店などを狙った窃盗は急増。民家への空き巣、忍び込みも増加した。8月には石巻市新栄で夫が妻を刺す殺人事件が起き、地域に衝撃を与えた。火災は過去最低だった昨年から一転し、建物火災を中心に増加。住宅火災も多く、5人の命が奪われた。救急搬送はこれまで右肩上がりで増加していたが、今年は1千件以上の減少となった。【渡邊裕紀】  同署管内の人身

真心届ける初の屋外演奏 青葉中吹奏楽部 隣接介護施設へ 窓越しに「ありがとう」

 石巻市立青葉中学校(畠山政浩校長)の吹奏楽部は25日、介護老人保健施設第二恵仁ホームとグループホーム青葉に金管六重奏の生演奏を届けた。新型コロナウイルス感染防止対策で演奏は両施設前の屋外で行い、利用者は窓越しに鑑賞。真心のこもった音色が心を癒やしていた。【山口紘史】 青葉中吹奏楽部が金管六重奏を奏でた  同校と両施設は隣接しており、職場体験や慰問活動などで交流を深めている。吹奏楽部も例年、同ホームの季節行事に参加しているが、今年はコロナ禍で活動が難しく、部員たちは「接触

大打撃 苦悩する地域経済 変化に対応できるか否か

 子だくさんのネズミは繁栄の象徴とされ、株式相場も子年は繁栄するとの格言があるようだが、経済は新型コロナウイルス禍で石巻地方のみならず国内全体が苦難の年だった。休業要請以降、飲食店などから客足が遠のき、石巻川開き祭りをはじめとした大規模な催しも軒並み中止。街は閉塞感に包まれた。【熊谷利勝】  4月16日、政府は新型コロナ新規感染者の増加を受け、緊急事態宣言を全国に拡大。5月6日までで、黄金週間中の人の移動と感染拡大を抑えるためだ。宣言に伴って県は、25日から5月6日まで飲食

「ブルーインパルス通り」 地域に愛される道路に 矢本駅前で愛称除幕式

 東松島市のJR矢本駅前から航空自衛隊松島基地若松門までを南北に結ぶ道路に愛称を設けた「ブルーインパルス通り」の除幕式が24日、同駅前広場で行われた。式には名付け親の市民らが参加。愛称名が記された看板がお披露目され、地域に末永く親しまれることを願った。【山口紘史】 「ブルーインパルス通り」前で看板を除幕した  道路は県道矢本停車場線、市道矢本駅前線、同新沼54号線の3路線で総延長589メートル。東松島夏まつりや航空祭など地域イベントでも主要動線となる。市は市民が愛着を持ち

逆風 開催運営に四苦八苦 代替大会で選手完全燃焼

 東京五輪・パラリンピックを筆頭に、今年は新型コロナウイルスの影響で大規模なスポーツ大会が軒並み中止となり、全国の舞台を目指していたアスリートたちが機会の喪失に落胆の声を上げた。各競技で研さんを積んできた子どもたちの成果発揮の場として代替大会などが設けられたものの、運営ごとに感染防止対策が求められるなど、スポーツ界も大きな変化が生じた1年となった。【横井康彦】  石巻地方への影響が大きかったのは中・高総体の中止。全国的に感染が拡大したことで、全国高等学校体育連盟が4月26日

音楽と交流の「持続可能」願い 県石巻合庁コンサート 山大 命名権取得でサポート

 山大Sustainable(サスティナブル)ふれあいコンサートin石巻合庁が23日、石巻市あゆみ野の県石巻合同庁舎で開かれた。地元企業の(株)山大=同市潮見町=がネーミングライツ(命名権)を取得して初めてのコンサート。新型コロナウイルスの影響で演奏活動や発表の場が限られる中、石巻高校吹奏楽部が与えられた機会を存分に楽しむように曲を奏でた。【熊谷利勝】  コンサートは平成30年に移転新築された石巻合同庁舎を住民交流や高校生などの音楽活動の発表の場として役立てようと、県東部地

コロナ直撃で異例ずくめ 休校の不安今も消えず

 今年、石巻地方で新型コロナウイルスの影響を最も早くから受け、対応が迫られたのは教育現場だった。都市圏で感染が広がり始めた2月下旬、政府から突然の臨時休校要請が出され、休校の長期化、不足した授業時間の確保や感染対策の徹底などが迫られた。「3密」が懸念される学校行事も軒並み延期。実施した場合も例年通りの開催とはならず、各校では出口の見えない異例の日々が続いた。【近江 瞬】  石巻地方でコロナ禍がまだ身近でなかった2月27月、政府は全国の公立学校に対して臨時休校を要請。児童生

石巻の男性2人陽性 感染経路不明が増加

 県内では23日、石巻市の30代、40代の男性会社員各1人を含む計51人が新型コロナウイルスに感染した。石巻市の陽性者累計は91人。県内1873人。仙台市は入院中の80代男性1人が22日に死亡していたことも発表し、県内の死者は累計で13人となった。  石巻市の男性会社員2人の感染経路は分かっていない。濃厚接触者の有無や詳しい行動歴なども調べているという。また仙台市内では同日、過去最多の計42人が陽性となり、このうち23人は感染経路不明という。 現在、石巻Days(石巻日日

石巻の女性3人感染 2人は登米施設に滞在

 県内では22日、石巻市の女性3人を含む計41人が新型コロナウイルスに感染した。石巻市の陽性者累計は89人で、県内では1822人となった。  石巻市の60代女性アルバイトと70代女性無職は無症状。これまで2人の感染が確認された登米市の高齢者施設に滞在歴があった。登米市の40―90代男女5人も施設に滞在していたことが分かり、感染者は計9人で、県は施設でクラスター(感染者集団)が発生したと認定した。残る石巻市の20代女性アルバイトは感染経路不明。  県内の医療機関に入院してい

サンマ昨年上回るも依然低調 ホヤ貝毒対策で海域再編

 今年の石巻地方の水産業は、春漁のコウナゴが漁獲ゼロと前代未聞の事態となり、夏場も養殖のホヤが貝毒で出荷規制を受け大きな打撃となった。主力となる定置網や底引き網は前年比で4割ほど水揚げ量が減少。新型コロナウイルスの影響で飲食店の消費が鈍ったことも響き、魚価も下落した。【渡邊裕紀】  一方で32年ぶりの陸揚げとなった商業捕鯨では、鮎川漁港に活気を呼んだ。秋漁の主力となるサンマは、初水揚げがこれまでで最も遅くなったが、その後に巻き返しがあり、女川魚市場は最終的に過去最低だった昨

元なでしこ永里さん任命 女川町観光大使 まちの魅力世界に発信

 女川町観光協会(持田耕明会長)は19日、まちの魅力を内外に発信する観光大使に新たに、女子サッカー元日本代表(なでしこジャパン)の永里優季選手(33)を任命した。式では持田会長から任命証が手渡され、永里選手はサッカーを通じて世界に女川の良さをアピールていく決意を示した。【山口紘史】 任命証を受け取った永里選手(中央)  永里選手は昭和62年、神奈川県厚木市で出生。2011FIFA女子W杯などに日本代表のFWとして出場し、同大会で優勝。翌年はドイツの女子サッカーリーグ(ブン