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差別はアカンけど、差別化は大事!

僕は作家になる前、古着のお店の店長をしていたんです。古着ブームもありフリーマーケットだけで生活をしていた時期があります。

「古着なんて汚いし、変なにおいするし、なんでこんなのが中高生に人気なんだ??」と思いながらも、店に来る中高生に話を聞きながら、売れすぎのデザインを研究していきました。昭和のお父ちゃんが来ていたようなシャツや、おばあちゃんが手縫いで作ったようなデザインが人気で、「男はつらいよの寅さん」の衣装の世界のようでした。値打ちがわからない間は1着1000円、終わり際には700円、600円と値段を下げていっていたのですが・・・。お客さんは1枚2枚ずつしか買っていかないんです。

古着の値打ちがどんどんわかってきたときに、売れ筋のデザインと売れ残りの違いも分かってくるようになったときに、売れるデザインの古着は高い値段を、売れないものは低い値段に設定し差別化ていくことにしました。当たり前のことだけど、差別化していくことで、売り上げもあがり、売れ残りも出なくなったんです。

当時のバイトに来ていた学生の子の話では、同じ商品でも高い物(売れ筋)は<ほしい服>。安く並べている服は<ついでに買う服>という感じ思うそうで、差別化されているからこそ、安い=お得感っていうよりも、満足感が高くなると話してくれました。(高校生にそんな風に教えてもらっていました(笑))

古着にまったく興味のない僕にはその感覚がなく、長い間売り上げを損していたことを知ることになりました。

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ある時アメリカの子供服の古着が大量に仕入れることができたときは、アメリカの子供服ってこと以外、より一層値打ちがわからないので、ブルーシートをしいて、古着を山盛りにして1着500円で売ってみたら、それが大当たりして信じられないほど売れたんです。その時、主婦の皆さんのどれを買って、どれを買わないかの動向を見ていました。するとまた売れ行きがわかってきて、商品の差別化ができました。そこでまた売り上げ倍増!!中古のハイエースをそのおかげで買うことができたほどでした。

企画も同じで、同じテーマで考えた企画でも、企画は面白いのに、なかなか通らない。売れない企画・・・。というのは、見せ方や出し方、話の持って行き方で印象がずいぶん変わるものなんです。

<一般の人に新喜劇体験をさせよう>という企画があり、一般の人が新喜劇の1シーンに登場して記念品もらって帰るっていう企画が元々あって、それはそれで人気の企画の一つです。

しかし、いろいろ話を聞いていくと、参加する人たちは、新喜劇を全部自分たちでやりたいんだ!ギャグを言ってコケをしたいんだということがわかって、一般の人にオリジナルの新喜劇を作る企画を出したら、結構その企画が売れたんです。

<その企画は、あなたたちのチームにオリジナルの新喜劇を作ります。新喜劇の座員も芝居を手伝いに来てくれますが、あなたたちがメインの物語です。>

っていうもの。女子サッカーチームでやったり、市役所の職員さんたちでやったり、高校の1クラスでやったり、近所のママさん友達でやったりと、ココ一番いい出し物になるし、新喜劇のお芝居を直に体験できるので、満足度が高く、一般の人が参加する新喜劇という企画なのに、今までの企画とまた違う企画になりました。

企画の方向は一つじゃない。ニーズに合わせて作り替え、提案することで生まれ変わることができるんです。

企画をGOする人だけを見ていては、本当に効果的な企画は生まれません。ターゲットになる人たちの声を聴いてみてください。そこにヒントが落ちていて、それが従来の企画と差別化できるヒントになるはずです。


【今回のつけたし】わからなくなったら、売りたい相手にきいてみよ。






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