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「悔しいと思えるならまだ戦えるね」~WEBラジオくるみの日々酒、第二十二夜~

皆様こんばんは、KURUMIです。

毎月第2、第4金曜日の夜21:00にyoutubeと、ここnoteにて同時更新中
WEBラジオ「くるみの日々酒」今夜で22回目の晩酌です。

お酒を飲みながら日々感じたことをぼやきつつ
毎回1曲、私の今聞いてほしい曲を選曲して
その曲の何が好きなのかを熱く愛情込めて語ったりしています。

今夜はNostalgic cinemaの2枚目のミニアルバムopus frame Ⅱから惜春をセレクト。

この曲について熱を込めて語っている部分は、YouTube「くるみの日々酒radio」後半のコーナー「この曲を聴いてくれ」で聞けるので、音楽好きの同志は聞いてくれたら嬉しいです。

今夜のお供はサッポロクラシックの缶ビール!
お久しぶりの缶ビール!!!
北海道からわざわざ送っていただきました。

舌に馴染んだこの久しぶりの味、やっぱり最高です。。。


「前回のくるみの日々酒」


前回は、人の話を聞くってどういうことだろうか
ということについて自分なりに考えてみたことをぶちまけました。

ただ相槌をうつだけではない、何かしらの特殊能力。
なぜかこの人にはいろんなことを話せてしまう。

酒場にはそういう人が特に多い気がします。

いち酒飲み、いち飲食店のスタッフとして
やはり私は「聞き上手」な人に憧れてしまいます。

性格的に真逆ですが、研究を重ねて
10年後くらいには少しでもそういう魅力ある聞き上手に近づけていたらいいな。

「話を聞く、ということ。」~WEBラジオくるみの日々酒、第二十一夜~

「名言まみれのブルーピリオド」

まずはこの素晴らしいアニメを紹介させてください。

見ている人はわかるかもしれませんが、今回のタイトルは
ブルーピリオドというアニメのセリフをそのまま引用させていただいております。

何でも器用にこなせる(ように見せている努力家の)主人公が、とあるきっかけで「絵」にのめり込んでゆく。

というストーリーなのですが、
もうとにかく心に刺さる言葉のオンパレード。

器用にやっているようにみせかけて、実は影の努力で成り立っている。
でもそういう自分の器用さにどこか冷めている。
そんな主人公が絵と出会って
泥臭く真正面からぶつかって絵と向き合っていく様は
忘れていた何かを思い出しそうな気持ちになります。

何かに挑戦している人、挑戦したいと思っている人、
とにかくくすぶっている人、昔そういう経験をしたことがある人、

多分ほとんどの人が何かしら感じるものがあるのではないだろうか。

誰もが大なり小なり抱えたことがあるそういう気持ちを
絶妙に刺激してくるようなセリフがとても多いのです。

どこか自分に言い訳して逃げていた

そういう事実や、過去に置いてきた何かを
容赦無く揺さぶられるような

そんなエグさと、尊さがあります。

「悔しいと思えるのは、まだ諦めていないという証明」


そのアニメの中で「ゆかちゃん」こと鮎川龍二君というキャラクターが
主人公の八虎(やとら)君に言ったセリフが今回のタイトルにもなった言葉です。


八虎君は絵を学ぶため美術の予備校に通います。
そこで皆でデッサンをした時に、初めて石膏のデッサンを書いたという男の子の画力に圧倒されます。

自分は必死に練習を重ねて書いてきた。
その子は初めての石膏デッサン。

圧倒的な才能の差。

もとから別に自分が特別だとは思っていない。
だからこそ練習を重ねてきた。

練習を重ねてきたという事実はある種の自信にもなる。
そういう自信は「続ける」ための力にもなる。


だからこそ
無慈悲なまでの圧倒的な素質の差、才能の差にショックをうける。


「俺さぁ…ただの人なんだな」と思わずもらした八虎君に
ゆかちゃんがかけた言葉がまた秀逸です。


「人は神と自分を比べることが出来ないから
さっきあの場でほとんどの人が自分と彼を無意識に切り離してただ称賛していた。」


「悔しいと思えるならまだ戦えるね」

そう、そうなんですよ。
私本当にこれ聞いてドキッとしてしまって。

なぜならめちゃくちゃに心当たりがあったからなのです。



ラジオの方では少し詳しく触れていますが

上京して、コロナ禍の中でバンドが活動休止して、
そんな中で私は「ベーシスト」と名乗っているにも関わらず
ベースに全く触れない。弾けない時期がありました。

必要に迫られて触ることはあっても
弾く必要がない時は自発的に楽器にさわれない。

弾けない。


名乗る肩書が他に何もなかったから「ベーシスト」と名乗っていたけど
もはやベーシストではない。

このままベースを弾く事はやめてしまおうか

音楽を嫌いになったわけじゃない
曲を聞いたり作ったりするのは好きだけど

シンプルにベースの技術を向上させたいと思えないなら
こんなに自発的にベースを弾く気がないのなら
もうベーシストでなくてもいいのではないか。


自分の中のそういう気持ちにうっすら気づきながらも
認めたくなくて

放置していた感情が、そのセリフでゆらゆらと動きました。
ブルーピリオドをみていると胸が苦しくなるのは
自分が認めたくなくて封印している感情が刺激されるからかもしれないな。


ちょっと脱線しましたが、

ベースに触らなくなった私は何年も「悔しい」と
思っていなかったことに気づきます。


私にはとても尊敬しているベースの師匠がいるのですが
レッスンを始めた当初はあまりのレベル差にいつも苦しくて
楽しくて楽しくて、でも悔しくて、苦しくて、楽しくて

そういう感情に突き動かされて練習してはまた挫折して

師匠のことを、1人のミュージシャンとして
追いつきたい壁、追い越したい壁、と認識していたように思います。


でもある時からまったく悔しくなくなった。

いつからだったかはもう覚えていないけど
心がすごく楽になった気がする。

レッスンのたびに苦しかった。
出来なくて、出来ない自分が情けなくて、
師匠が出す1音1音に感動して、
自分との差にまた絶望して、

練習して、縮まらない距離に挫折して、
また師匠の音に感動して、
情けない自分に泣いて、

そもそも比べるようなレベルじゃないし
比べるという行為自体ださいのに
なぜこんなに苦しくなるのか
なぜ自分はこんなにも下手なのか
自問自答して、



何度も繰り返しているうちに、
無意識に師匠と自分を切り離して考えるようになった。


同じミュージシャンだと思うから悔しくて苦しい。
神格化して、ただ尊敬と憧れの気持ちだけ残しておけば
苦しくなくなる。


人は神と自分を比べることはできない。


師匠を神様にしてしまえば、私はもう苦しくない。
神様だからすごいのは当然で、
神様だから自分とは違うから比べるものではなくて、

素直にすごい、すき、すばらしいって思うだけなら
もう私は苦しくない。


今思うとその時点で試合放棄しているのだ。
多分。

こうやって文章にしている今でも、恥ずかしくて情けなくて死にたくなる。


きっと私なりの防衛本能だったのだろうな。

情けないけど、感情のふり幅がすごすぎて
それを手放さないと普通にしていられなかったのかもしれない。

自分の弱さを認めざるをえない。




「まだ戦える」


ブルーピリオドをみて心がざわざわした数日後に
お世話になっているミュージシャンの先輩のお手伝いで
ちょっとベースを弾く機会がありまして

そこもラジオでちょっと詳しく話しているから割愛しますが


おそらく数年ぶりにベースとちゃんと向き合えました。
きっかけはかなり強制的だったし、義務的だった。

それでも私はベースが弾けないということが単純に悔しくなって、
試合放棄していた自分を認めざるをえなくなって、

何年も逃げていた何かと真正面から対話をしたような。



総じて荒療治だったけど
ここ最近はベースを自発的に家で弾けるようになった。


自然とさわって、自然と弾ける。
こんなに自然なことが何年もやれていなかったのだ。


義務でもなんでもなくて、ただ好きだから。
ただ好きで、ただ自分のためだけに上手くなりたくなった。

年齢も環境も目的も関係ないし、別に考える必要もない。


ただ私のために。


何週も何週もうんと遠回りして
また一番最初のところに戻ってきたような気持ちです。

初めて楽器を触ったあの時
初めて人と音を合わせたあの時

あの感覚が何年かぶりに自分の中に戻ってきているのを感じました。
それに気づいた時はちょっと泣けました。笑


情けなくて
恥ずかしくて
認めたくない

これ以上ないってくらい弱くてダサい自分の何かを受け入れて
一番最初のスタートラインにやっと戻ってこれた感じです。


ベースを弾くのが楽しい。


本当の意味でそう思えることが
私にとってこんなに大切で、こんなに嬉しいことなんだな。
忘れていたな。


遠回りすぎて、

ああ私、もしずっと逃げずに向き合い続けていられたのなら
今もっと弾けたのだろうな、違ったのだろうにな、と
どうしてもちらっと後悔が滲むけど

でもそういう弱さをもっていることは変えられないし


きっとそういう弱さも音に変えていくしかないし
弱さすら音の味付けになると信じておきたい。

ちょっと言い訳がましくてダサいけど。笑


でも心底、戻ってこれたことが嬉しい。

うまく説明は出来ないし、

情けないことも恥ずかしいこともへたくそなことも
何も変わってはいないけど

ただ嬉しい。


まあ多分、ベースを弾く事が楽しいと思える自分が好きなのだと思う。

苦しくても情けなくても、もうこの自分を手放したくないなって
そう思えていることも嬉しい。


ということで今回はすごく自分の個人的な気持ちを
吐露したかった回でした。

あとブルーピリオド激推しですよって。笑


物語には人を動かす力があるよね。
いろんな物語に、いろんな言葉に、今日もいろんな人が救われているんだろうな。
クリエイターって本当にすごい。


さて、次回更新日は12/10(金)21:00
またここで乾杯できたら嬉しいです。


Podcastでもくるみの日々酒が聞けるようになりました。
下にリンク載せておくので、聞きやすい媒体で聞いてみてくださいね

それでは皆様、よい夜を。

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