アルモンデごはん 10月の満月へ
気温の低下とともに、台所で過ごす時間が長くなっています。最近では煮込み料理をしながら片手に本を持って、鍋の様子を見ながら読書をしたり。あまりよくないことだと思いつつ、なんだか台所に居ついてしまうんですよね。夕食の片付けが終わっても去り難くて、無駄に冷蔵庫を開けたりして。日常が台所中心に回ってる。他の人の中心はどこにあるのかな。
10月満月までのごはん
<10月23日>
里芋が大好きです。小さい頃からずーっと。どんな食べ方でも美味しいけれど、いっちばん好きなのは蒸した里芋に塩を振ってかぶりつくことです。衣被ってやつですね。今年最初の里芋は、もちろんそうしてペロリと3個平らげました。優しい甘味とねっとりとした食感にうっとりしちゃう。上品なのに気さくなマダムって感じ。今年も里芋の季節がきて本当に嬉しい。待ってたよ。
<10月24日>
例えば「今日は豆腐とわかめの味噌汁にしよう」というように、最初から具材を決めて味噌汁を作ることはほとんどありません。大体は野菜室をのぞいて〇〇と△△が少しずつ残っているから味噌汁にしよう、という感じで作り始めます。どんな残りものも美味しくしてくれる頼もしい味噌汁。整理整頓の椀。この日は人参、大根の葉、しめじが半端に残っていたので、コチュジャンも加えてピリ辛味噌汁にしました。食べ終える頃には身体ポカポカ。野菜室も整いました。
<10月25日>
空腹と睡魔に同時に襲われながら、やっと帰宅した夜。る一度座ったら寝てしまう可能性120%だったので、着替えもそこそこに超手抜きごはんを準備しました。簡素で地味な画像でしょう?その名もチキンム蕎麦。茹でた蕎麦をチキンムを汁ごとたっぷりのせて最後に醤油も少し垂らしたら完成です(笑)。チキンムは韓国版大根の甘酢漬けのこと。チキンに添えられている箸休めみたいなものです。水:酢:砂糖(我が家は煮切り味醂)=2:1:1の割合で合わせて塩を加えたものに大根を漬け込むだけなのですが、美味しいんです。無限に食べてしまう。私はこれが大好きで、大根の季節になると冷蔵庫に常備しているんです。茹でてのせただけの手抜きな夕飯でしたが、大好きな蕎麦とチキンムに満たされた夜でした。その後片付けをしたところでHPゲージはゼロになり、化粧も落とさず眠りに落ちました。よくない、よくないよ。。。
<10月26日>
いつもと違う魚介が食べたくなると、車を30分ほど走らせて角上魚類に行きます。ここは私の聖地。先日も色々購入してきたのですが、ほとんど母にあげてしまい残ったのはこちらの芝エビのみ。芝エビってエビなのに家計に優しいんですよね。ブリブリの身はないけれど、パリパリの皮が美味しいガーリックシュリンプを作りました。ハワイを恋しい…。最後に行ったのは7年前だから、きっとすっかり変わっているだろうな。
そうそう、エビといえば。小さい頃は寿司屋で海老を連呼して、板前さんに笑われていたくらい好きだったのに、いつの間にかほとんど食べなくなってしまったんですよね。理由は簡単で、これまでお付き合いしてきた方が一様に海老が苦手だったから。食べてもらえないものは作らなくなるから、食べないことが当たり前になってしまったというわけ。食生活ってきっとそんなふうに作られ変化していくものなのでしょうね。面白いな。
<10月27日>
もってのほか。そんな名前の食用菊が大好きで、9月9日の重陽の節句頃から出始めるのを毎年楽しみにしているんです。なのに今年は、全くお目にかれない!不作なのかなぁとがっかりしていたら、食べたいという願いが天に届いたのでしょうか。遊びに行った友人の実家で、「持っていってー」と山盛りのもってのほかをいただきました。嬉しー!帰宅後さっそく茹でて、半分は酢に漬けて、半分は冷凍して、と菊仕事をしました。楽しい楽しい。淡い紫が奥ゆかしく上品で、これぞ日本のエディブルフラワーだとうっとりしてしまいます。望んでいたものが次々と目の前にやってくる、幸せな休日でした。
<10月28日>
冷蔵庫には昨日までの賞味期限のブリ。色はちょっと…だけど匂いはOK。ならば!と多めの白ワインでソテーして、塩麹味のパスタにしました。パスタと一緒に茹でたのは、野菜室でくたっとしていた豆苗。台所レスキューなごはんは定期的にやってきます。食材は買い溜めないようにしているけれど、予定外の外食やいただきものがあると、滞ってしまうんですよね。それもまた日常。さてどうしようか?と考えるのは私にとって苦ではないんです。むしろ、想像力をフルに使う楽しい時間。ブリと豆苗のレスキューパスタも大満足で平らげました。美味しかったな。
<10月29日>
定期的に通っている仕事の一つに、お弁当を持っていくところがあります。朝起きてお弁当の準備をしながら思いを馳せるのは、営業事務職時代。社員として15年働いたその職場には、ほぼ毎日お弁当を持って通っていました。目覚めるとベッドから台所に直行し、冷蔵庫を開けてアルモンデつくっていた毎日のお弁当。作り置きがあまり好きではないので、朝に惣菜を作ってお弁当につめて、その残りを食べて会社に向かう日々でした。15年もそんな生活をしていたものだから、今は月に数日しか作らなくともお弁当の準備はお手のものなのです。この日のおかずはピリ辛おから、かんぴょう甘煮、インゲンの胡麻和え、ニラ玉、そして豚の生姜焼き。かんぴょう以外は全て朝作りましたが、かかった時間は15分ほど。
昔取った杵柄ってやつですね。
日曜日お弁当を作りながらふと、「あの頃も早起きだったけどあの頃は早寝だったな」ということに気づきました。22時頃には寝て5時前に起きる生活だったから、しっかり眠れていたんだなぁ。今は日付が変わった頃に寝て5時に起きているから、常に睡眠不足状態。長く早起きしてきたから、寝る時間が遅くなっても起きちゃうんですよね。今年中には23時に寝る習慣を身につけたい。身につけるぞ。
<お知らせ>
毎月、埼玉県草加市で開催しているレシピのない料理教室。
おうちにアルモンデ食べたいものが作れるように、食材や調味料の組み合わせや調理法のコツをお伝えしています。
11月は毎年恒例の「ひよこ豆でつくる手前味噌」クラスです。普段の料理に使う調味料が、自分のお手製になる!それってかなり嬉しい出来事です。基本調味料の「砂糖・塩・酢・醤油・味噌」のうち、一番短時間で一番気軽に自分で作ることができるのが、味噌。一般的な味噌の原料は「大豆+米麹」ですが、ひびのわでつくる味噌の原料はちょっと珍しい「ひよこ豆+米麹」です。お店で買えない味を自分の手で作ってみませんか?ご参加お待ちしています。
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