アルモンデごはん 今年最後の下弦を超えて
食に関わる仕事、特に直接お客様と接する類の仕事は、一般的な仕事人がお休みの時こそ忙しいというのが宿命。12月はまさに繁忙期で、そろそろあの忙しさがやってくるぞーという雰囲気が漂ってきています。
外での仕事が慌ただしいからこそ、台所で過ごす時間はのんびりゆっくりしたい。この1年間で少しずつ溜まっていったストックも冷蔵庫の食材も、年末で一度リセットしたい。2つの願いを叶えるため、食材と遊ぶようにごはんを作るというのが師走の家での過ごし方です。ストックと向き合うと自分の買い物の癖がよーくわかります。豆が好きなのはよくわかったけど、次に買い足すのは今の豆たちが食べ終わってからにしようね、私。(乾燥豆7種、合計約5kgを食べ切るのはいつになることやら)
2023年最後の下弦越えていくごはん
<12月4日>
つい数年前まであんこが苦手でした。小さい頃からずーっと苦手でした。歳をとると味覚が変わるなんて嘘だよー!と思ってました。それが…まんまとあんこ好きになってしまいました。味覚って変わるんですね(笑)。あんこ仕込み歴はまだ3年ほどで決して感動するような美味しさではないけれど、自分好みの甘さと柔らかさでつくるからかな。いつ食べても和む味。
煮こぼして茹でて蒸して甘みを足して…と、工程も多く時間もかかるあんこ仕事。心と時間の余裕がある時、もしくは心の余裕が欲しい時が私のあんこ時間の始まりです。お休みの月曜日。出来上がったあんこを一口味わった瞬間からお休みモードのスイッチが入りました。
<12月5日>
しめじのステーキ。1/2株残ってるけど何しよう?考えていたらフライパンと目が合いました。そうだステーキにしよう!バラけないように木屑がついているギリギリのところで切り落として、多めの油を入れたフライパンに置いたら強火でジュー。ヘラで押さえつけながら両面をしっかり焦がして出来上がり。塩と胡椒はがっつり振って食べるのが最高!ペロリと2口で食べ終わりました。もう1株食べたかった。
しめじを焼き付けながら思い出していたのは、20代の頃の赤面エピソード。彼氏と一緒にちょっといいご飯を食べながら「松茸いい香りだねー。やっぱり香り松茸味椎茸だよね!」とドヤ顔で言ってしまい、「それをいうなら香り松茸味しめじだろ!?」と腹を抱えて大笑いされたっけ…。あの出来事があったからこそ、今は「香り松茸味しめじ」と迷うことなく言えるのだから怪我の功名ということにしておこう。
<12月6日>
先日アップした、食べるの始末「長ネギの青いとこ」を読んでいただいた皆様、どうもありがとうございます。スープ作家の有賀薫さんがXでシェアしてくださったことがきっかけで、多くの方に記事を読んで頂いています。
青いとこばかり食べているのは本当のことですが、もちろん白いとこも食べてます。この日は丸ごとネギの春巻き。賞味期限を迎えた春巻きの皮と2本残った長ネギの白いとこをくるくるーっと丸めて、多めの油でゆーっくり焼いただけですが、外はパリパリ中は甘々とろりで美味しかったぁ。一口かぶりついた瞬間に真ん中のトロトロの部分が口の中に飛んできて、「あっつー!!!」と大騒ぎしたけれどその後も美味しく食べきりました。(火傷で爛れてしまった上顎部分も週末には治りました)
<12月7日>
ネギの青いとこヤンニョムを大量に仕込んだので、毎日色々試しながら食べています。この日はぜーんぜん料理する気がなくて、1分でも早く寝たくて、でもお腹はぺこぺこでした。最寄り駅前のスーパーで半額になっていた中華麺を買い、帰宅してすぐ麺を茹で始め、茹でている間にパジャマに着替え、茹で上がった麺とヤンニョムをあえてごま油をちょろり。ここまで約10分。しっかり混ぜて夢中で食べてすっかり満たされたら、洗い物をして歯を磨いてベッドへGO。お風呂は明日の朝にしようと決めていましたが、メイクを落とすのも忘れてしまって翌日のお肌事情は散々なものでした。でもいいの。どんな状況でも自分で自分を満たすことができたから。ちなみに和え麺は、お金をいただけるレベルの美味しさでした。
<12月8日>
昨日早く寝た結果、5時前にはシャキーンと目覚めた朝。よしよしいいぞいいぞ。仕事前にゆっくり台所で過ごすと、その日は1日頭が冴えているんですよね。昨日までの私が台所でリセットされて、今日の私が台所からリスタートしている感覚。早起きが大好きです。この日はお弁当を持って仕事に行く日でした。中華春雨サラダ、あやめかぶの塩麹漬け、茹で卵と大根葉の和えもの、手羽元煮、ゆかりご飯。私には珍しく朝はご飯を炊いただけ。おかずは全て昨日までの残りものでした。昨日までの私ありがとう。盛り付けも頑張ろうね、私。
<12月9日>
師匠が間借りで週末のみ開いている「ぽっかり食堂」のお手伝いに行ってきました。届いた野菜を見ながら(本当に)軽く打ち合わせして、その後はワイワイおしゃべりしながらひたすらご飯を作る。このスタイルが大好きです。お互いが使う野菜をざっくりと振り分けて、茹でる?炒める?と調理法や味付けが被らないように調整しながら、どんどんつくっていくあのスピード感、ググッと料理に集中する感覚は言葉にできない。この日は2時間で12品。師匠のトレードマーク?である青いご飯と私のスペシャリテである白いカレーのコラボももう何度目かな。宇宙みたいな一皿ができました。料理は自由。人生も自由だ。自分の手で自分が食べたいものを作る、それは自分自身への縛りを手放して自由を掴むことなんだ。
<12月10日>
昨日の師匠とのコラボで白いカレーを作ったのですが、白い部分を使ったらもちろん青いとこが残りますよね。「ゆこりん他の野菜食べてる?笑」とネギの青いとこnoteを読んだ師匠から心配されつつ、大量の青いとこを持ち帰ってきました。たっぷりあるからたっぷりたべたいとつくったのは、手羽元と青いとこカレー。カレーというよりスパイス煮かな。使うスパイスもココナッツミルクも先日の白いカレーと同じものですが、青いとこの風味と手羽の旨味が加わって全く別物になるから不思議です。強い×強い=マイルドの法則通り、ネギの青いとこ+スパイス(とココナッツミルク)のカレーは懐かしさすら感じる優しいお味となりました。
「食べるの始末」というオンラインマンツーマン料理レッスンをしてます。zoomを使用してあなたの台所と我が家の台所とつなぎます。普段抱えている料理のお悩み、買い物の仕方から食材の選び方、調理法はもちろんのこと片づけのことまで食べることについてどんなことでも話してみてください。伺ったお話からあなたに必要なレッスンを提案させていただきます。気づけば台所で過ごす時間が楽しくなっていた。料理を苦痛と感じることがなくなった。そんなお声をいただいています。私の料理の基本はアルモンデ。特別用意していただくものはありません。ご自宅にあるもので料理するから、レッスン後もすぐにまたつくるこことができますよ!
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