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アルモンデごはん 9月最後の満月に向けて

9月最後の週です。10月に入ると途端に来年が現実味を帯びてきて、なんだか今年に集中できなくなってしまう。昔から私にとって気持ちの年末は9月なんです。のんびりと今年を楽しむのも9月まで。
なのになぜ、私は今週に限って休日設定するのを忘れてしまったんだろう…。週7仕事で締めくくる9月となりました。


9月最後の満月に向けたごはん

<9月25日>

味噌汁で緩む食卓

撮影アシスタントDAY。
この日は豚汁特集の撮影でした。どれも作り方はほぼ同じなのに、素材の組み合わせ方で全く違う風合いになるのがすごく面白かった!豚汁の可能性は無限大だなぁと感じた一日でした。料理の撮影のハイライトは賄い時間(個人的な意見)。ひと仕事終えて撮影で作った料理を食べながら、美味しいね美味しいねと言い合う瞬間、達成感と安堵感で満たされる感覚があります。まぁ、私が作ったわけじゃないんだけどね(笑)。
アシスタントの仕事が大好きなので、こうして定期的に声をかけていただけるのがとても嬉しいな。


<9月26日> 

ホロホロのニシンが最高

身欠ニシンソフトタイプ。生鮮売り場の隅っこで、いつも半額シールを貼られているそれは私の大好物です。半額になった姿を見かけると買わずにはいられない病気なのです。身欠ニシンといえば山椒煮が有名ですよね。この日はなんとなくスパイスと一緒に食べたくて、野菜室を開けた時に目があったゴーヤと合わせてカレーにしました。ニシンでカレーは初めてだったけど、少し煮込んだだけでかなりいいお出汁がでて、ゴーヤの苦味もマイルドにしてくれて、身もホロホロに柔らかくなって、結果大成功でした。
なんとなくの思いつきで作ったものが美味しくできると、飛び上がるほど嬉しくなります。なんとなくって言うと曖昧に感じてしまうけど、実はちゃんとイメージできてるってこと。イメージできたらこっちのものです。味の着地点が決まっているから、途中で迷ってもちゃんとゴールに辿り着けます。
なんとなく作ったから美味しくできました。

<9月27日>

この青は夏のもの

SNSや雑誌で今紹介されているレシピは、もう完全に秋冬のものですよね。
でもまだまだ畑には夏の名残があるんです。畑と直結しているキッチンで働いていた頃は、そのタイムラグに違和感を感じていたものです。先取りが基本の業界なのだと知ってからは、だいぶ慣れてきましたが…。
いつもの農家さんから先週届いた野菜BOXにはゴーヤや空芯菜、モロヘイヤなど今年最後であろう夏野菜がふんだんに入っていました。モロヘイヤ、今年もたくさん食べたなぁと思いながら、すりおろしたきゅうり、生姜、醤油を合わせたものと和えものに。小松菜やほうれん草でもつくれるけれど、やっぱりこの爽やかな味は夏のものだなぁ。
秋の訪れとともに夏にさよならを告げる、そんな一皿になりました。


<9月28日>

エクアドルはバナナの国

久しぶりに国境なき料理団の一員として、大使館とのコラボイベントのお手伝いをしてきました。各国大使館の方から直接現地の食文化について学び、実際にその料理を食べてみようという企画。数年前から私もスタッフとして参加しています。今回の国は「エクアドル」。エクアドルはプラタノという青いバナナをよく食べると事前に聞いていたので、初めての食材との出会いを楽しみにしていました。青いバナナはフルーツとしてではなく、芋のような感覚で使うみたい。ほんのりとした甘みとでんぷん質な食感、生だと粘り気があって不思議。また面白くて美味しい食材に出会ってしまった!画像に写っているのはバナナとカジキマグロのグラタンです。バナナとマグロ!?って思いますよね。味の想像もつきませんでしたが、ねっとりとしたバナナの優しい甘み(スイーツな感じではなく芋のような甘み)とカジキの相性は抜群でした。
世界の料理を知ると、普段料理をしながら沢山の「〜であるべき」や「〜でなければ」に縛られていることに気づきます。ところ変われば文化や気候や宗教が変われば、同じ野菜だって味は全く違うし、料理の仕方も全く変わってしまうんですよね。まだまだ思い込みや決めつけに塗れているなぁと思いつつ、それをぶち壊されたことが嬉しくもある夜でした。


<9月29日>

団子+きなこ=幸せ

中秋の名月が満月と重なる特別な日。母が行事を大切にする人だったので、幼い頃からお月見の前の日には土手にススキをとりにいって、当日は一緒にお団子を作ったりしていました。一人暮らしを始めてからも、その習慣はずっと続いています。最近ではススキも見かけなくなって、この日も用意できたのはお団子だけ。それでも夜空を眺めながらぼーっとお団子を食べていると、ほわぁと気持ちが満ちてくるのはなぜでしょう。まんまるお月様とまんまるお団子。気持ちもまんまる。


<9月30日>

葡萄とチーズ

仕事で余った葡萄をじーっと見つめていたら、持ち帰っていいよーのお言葉をいただきました。無言の圧力が通じたみたい笑。やったー!
帰りの電車の中で、もうこれを食べるんだって決めてました。冷蔵庫のフェタチーズと合わせるんだって。食べたいものがはっきりイメージできるときは、99%美味しいものができるの法則は今日もビンゴです。葡萄とチーズってなんでこんなに合うのでしょう。2023年の葡萄に悔いなし。来年まで大人しく待てそうです。

<10月1日>

ネギだけラーメン

体力ゲージ残り0.5。でもお腹はぺこぺこ。買い物に行けてないから、冷蔵庫も野菜室もかなり寂しい感じになってきてるし、何食べよう…。
冷蔵庫には生麺が1袋、野菜室にはちょっと元気のなくなった長ネギ2本。ストックにはお土産にもらったの鍋の素。これはもうラーメンでしょう!
全く映えないビジュアルだけど、柔らかくなるまでネギを炒めてから鍋の素を入れてスープを煮込んだから、あま〜くてちょっととろみもついていて美味しかった!スープまで完飲してしまいました。ラーメンはシンプルなのが好きだなぁ。

気づけば9月も終わって、今年も残り3ヶ月。でもまだ3ヶ月もあるもんね。さてあと3ヶ月、何しよう。どんな風に過ごそう。毎日ちょっと先の未来を想像してワクワクしています。
9月はお休みをとることも忘れてしまって、気持ちは楽しくとも体力的にはかなり厳しかった…。自分の体力と気力を過大評価しすぎていたことをしっかり受け止めて、10月はちゃんと休むぞ。


※お知らせ※
noteに書いているアルモンデごはん。冷蔵庫開けてあるものでパパッと作るなんて、料理上手じゃないとできないよ!と思われるかもしれません。
でもこれ、誰にでもできます。本当に誰にでもできるんです。
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