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私にアルモンデ料理するのが楽しい

先日開催した「野のにアルモンデ」のこと。そして私のライフワークである「アルモンデ」料理教室やイベントのこと。
少し長くなりますが、読んでいただけたら嬉しいです。
自分の中にアルモンデ料理することの楽しさを、たくさんの人に伝えたい。そう思いながら書きました。


先日開催した「野のにアルモンデ」は、お店側の「商品を知ってほしい」とお客様の「商品のことを知りたい」を台所を通して料理を通して伝えるイベントでした。
「野の」は東京三鷹市にある、日本ではまだまだ希少な量り売りのお店。米やパスタなどの穀物、醤油や味噌などの調味料、切干大根や小豆などの乾物、スパイスからお茶まで、選りすぐりのものが1g単位で購入できます。使う分だけ購入するから食べ切れるし、パッケージもないからゴミも出ない。買い物する側にはメリットしかないお店。でも売る側のお店側には悩みが多いのです、そのひとつが「食べたことがないものをどうやって買ってもらうか」。どんな味なんだろう、どうやって食べるんだろう、知らないものを購入するのって勇気が入ります。買って後悔したくないからね。

ならば「野の」にあるものを実際に料理して食べてもらおう!と、お店の商品の中から一つ気になるものを選んでもらい、私がそれを使って料理をすることにしました。

この日は8名の参加者様。選んだ食材は、
・濱納豆
・ターメリック
・カルダモン
・魔法のスパイス(ミックススパイス)
・クラフトチョコレート
・レーズン
・煮干し
・車麩

スパイス過多(笑)。お話を聞くと使いきれなかったり、逆に使ってみたかったり、スパイスって矛盾を孕む存在なんですね。クラフトチョコやレーズンはそのまま食べているので、料理にはどう使ったらいいのかわからないとのこと。車麩や濱納豆は料理方法を知りたい、煮干しは出汁以外の使い方があるの?ということでした。
なるほどなるほど。
その後は、選んでもらった食材と用意した野菜を見ながらみんなで何つくる?の相談タイム。普段どんな風にみなさんが料理しているのか伺っていると、お悩み事もポツリポツリと出てきます。それが私にとって料理のヒントになります。


この日用意した野菜は
・なす
・小松菜
・長ネギ
・ミニトマト
・玉ねぎ
・じゃがいも
・万願寺とうがらし
・バターナッツ
・ルッコラ
・金時草
・生姜
・ニンニク
副材料として春巻きの皮、豆乳、トマトジュース

みなさんならどんな組み合わせでどんな料理をしますか?
実際に出来上がった料理はこちらです。

①濱納豆とじゃがいもの春巻き(濱納豆+じゃがいも)
②ルッコラサラダクミン風(スパイス+ルッコラ)
③クラフトチョコと大豆ミートのドライカレー(クラフトチョコ+魔法のスパイス+玉ネギ+万願寺とうがらし)
④煮干しと秋なすの醤油炒め(煮干し+なす)
⑤金時草のカルダモンマリネ(カルダモン+金時草)
⑥車麩のスパイスソテーターメリックトマトソース(車麩+魔法のスパイス+ターメリック+ミニトマト)
⑦バターナッツとレーズンのロースト(レーズン+バターナッツ)

文字にすると凝った料理のようですが、それぞれの調理はとってもシンプル。考え方をいつもとちょっと変えるだけです。


<例えば①について>
濱納豆を食べたことはありますか?あまり馴染みのない食材ですが、簡単に言えばこれは味噌の塊のようなもの。赤味噌に近い味なのでコクと旨味があります。味噌とじゃがいもはあうので一緒に炒めました。ただし濱納豆は味噌に比べて塩気が少ないので、最後に少し塩を足しています。そして、炒めただけでも美味しいそれを、今回は春巻きにしました。急にメインな感じになるんです。巻く手間だけで、今日はすごく料理した感じが出る。実際みなさんも春巻きだーとテンションが上がっていました。春巻きってすごい。

→ここでのアルモンデポイントは2つ。
食べなれない食材は、味を分解して考えること。濱納豆とは〜という説明ではなく、赤味噌っぽい塩気が少なくてちょっと酸味のある味噌の塊ですと説明すると味の想像ができます。味噌みたいなものだとわかれば組み合わせる食材も調理法もイメージもしやすいですよね。食材を味だけで捉えると料理のアイデアも生まれやすくなります。
もう一つは春巻きのこと。春巻きといえば筍や春雨が入った具沢山のアレですが、実際は春巻きの皮で巻けばなんでも春巻きです(笑)。そして今回のように具材に全て火が通っていれば、たくさんの油で揚げる必要はないんです。焼けばいい。皮に焼き目さえつけば、パリッとした食感になればOK。春巻きは気さくな食べ物。残りものはなんでも春巻きにすればいい、というのは私の口癖です。

<例えば④について>
煮干しは乾燥した魚。出汁として使うことがほとんどですが、もちろん食べられます。ひたひたの水につけて柔らかくしておいた煮干しと薄切りにしたなすを油さっと炒めて、煮干し出汁を加えて煮詰めます。最後に醤油で味をつけて出来上がり。それだけなのですが、みんなの反応がすこぶる良かった一品でした。何これ!アンチョビ?煮干しって美味しい!予想以上に喜んでもらえて、私がびっくり。和の食材、和の味付けなのに、THE和食にならない不思議な感覚です。

→ここでのアルモンデポイントは、煮干しは出汁であり具材だということ。そんなこと知ってるよと言われそうだけど、出汁をとった後の煮干しをどれだけの人が食べているでしょう。煮干しも昆布も鰹節も、出汁をとった後のものはゴミじゃない。全部食べられるものです。わざわざ別の料理にするほど頑張れない時は、そのまま食べることを前提に何を作ろうかな?って考えたらいいんです。素材の役割は一つじゃない。出汁をとったでがらしの煮干しや鰹節に、再び出汁を吸い込ませてもいいよね。私はそう思っています。


こんな風に、みなさんが料理に持っている「当たり前」や「〜ねばならない」をぶち壊しながら、その場にあるものをどんどん料理をしていきました。私が家でやっていることをそのまま皆さんと一緒にやってみたんです。迷っている姿も、失敗する姿も、全部お見せしました。全然完璧じゃない過程だけど、最後には美味しいに辿り着く。本当はカッコよくやり切りたいけれど…。きっとみなさんもご自宅でこんなふうに料理しているからこそ、「私と一緒だ」って共感してくださるのだと思っています。
私自身の中にアルモンデ料理することしかできません。みなさんの中にアルモンデ十分に自分や家族を幸せにする料理はできます。
アルモンデ料理は目の前の食材を生かすことであり、今の自分を受け入れること。ちょっとのコツで、それが両方叶えられたら嬉しい。私が「アルモンデ」料理教室やイベントでお伝えしたいことは、そんなことです。


長くなりましたが、そんなアルモンデをお伝えする「アルモンデ・パーティー」を10月22日(日)に開催します。場所は埼玉県さいたま市。いつもの食材いつもの調味料。そんないつもアルモンデ、いつもとちょっと違う料理をします。きっとワクワクします。早く家に帰って料理したい!って
ウズウズしちゃいますよ。料理の楽しさに改めて出会う時間になるよう、私も楽しみます。アルモンデ一緒に料理しましょう!













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