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アルモンデごはん 冬籠りから目覚める台所

最近、近所のスーパーの魚売り場が楽しい。仕入れによって、毎日何かしらのレアものが登場するんです。北海道産のスルメイカや真カレイ、青森産のワカサギ、愛媛産の真鯛の湯引きなど、この日買わないと明日はない!という季節もの。嬉しくてついつい買ってしまいます。なんなら通ってます。バイヤーさんの思うツボですね。魚をよく知らないし、魚料理もすごく得意じゃないからこそ、限りなくシンプルに調理して味わうようにしています。いい塩梅を見つけるのがとても楽しいのです。


冬籠りから目覚めるごはん


<3月4日>

白身の刺身が大好物

仕事帰りにスーパーに立ち寄ったら、真鯛の湯引きが半額セールに!白身の刺身が大好物なので、嬉しい嬉しい。ワサビ醤油の気分ではなかったので、しろたまりで和えたミニトマトと一緒に食べました。和風カルパッチョのイメージ。身はもちろんのこと湯引きしてある皮が美味しくて、ひと冊ペロリと平らげてしまいました。もうひと冊買って来ればよかった…。


<3月5日> 

イカとキャベツ

先月くらいから、数日に一度売り場に登場するのは北海道産のスルメイカ。刺身用として売られているだけあって、骨もスッととれるし皮もするりとむけて、肝もきれい。沸騰したお湯に入れたら火を消して余熱で茹でると、ムチムチホワホワですごく美味しい。キャベツを塩とバルサミコでマリネしたところに、粗熱がとれたくらいのまだ温かいイカを和えて、山盛り食べました。イカって合わない野菜を探す方が難しいくらい。たんぱくな味は柔軟性が高いのかも。


<3月6日> 

イカとトマト

先日のイカの残りを、本日は塩トマトと和えものに。白と赤のコントラストが美しいなぁ。トマトに塩をしてしばらく置いておくと水分が出てくるので、その汁ごとイカと和えてソースがわりに。見た目も味もシンプル。それが最高に美味しいんです。トマトもイカも同じものはないから、いつ食べても違う味なのがいいよね。おうちごはんは安定していないのがいいところ。定番もいつだって新鮮に味わえるから好き。



<3月7日> 

めかじきのフライ

昨日の夜に確定申告をほぼ終えたからかな。目覚ましより早く、シャキーンと目覚めた朝。懸案事項から解放されたからか、深く眠れたようです。冷蔵庫を開けたら解凍していためかじきと目が合いました。夜ご飯にと思っていたけれど、食べちゃおう。朝から揚げ物なんて久しぶり。塩して余分な水分と臭みを抜いてマサラで下味をつけ、水溶き小麦粉に潜らせてパン粉をつける。たった3枚の小さなめかじきだから、正統派のフライも5分で出来上がってしまいます。最低限の材料と最低限の油でつくれば、揚げ物のハードルはもう少し下げられるんじゃないかな。揚げ終わりの洗い物の少なさを自画自賛しながら、そんなことを考えていました。


<3月8日> 

ピーナッツ甘納豆

お世話になっている平井さんが代表を務める「一般社団法人フードサルベージ」の8周年記念パーティーに参加しました。フードロスについて長年向き合って活動を続けてきた同士とも言える(及ばずながら)人たち。フードロスという問題を考えることは、ただ単に食べ物を残さないというだけに留まらないんですよね。流通の問題、食生活の問題、農業畜産の問題、そして経済や消費の問題まで広い視野を持つ必要があります。それら全てをまるっと解決するのは簡単ではないけど、全ては私たち一人ひとりの生活の中にあること。自分ごととして考えるのは案外容易だし、小さなアクションをスタートすることは誰にでもできるなって思っています。
アルモンデ料理することは、私にとって食を介した自分との対話であり自分の周りの環境をより良くする活動なんです。フードサルベージの活動とは少し違うアプローチだけれど、共通することはたくさんあります。時に交わりながら、食品ロスの問題解決に少しでも寄与できたら嬉しいな。
パーティーの中で提供された、千葉の落花生農家「Bocchi」さんのおおまさり とろり蜜 甘なつとの美味しさに感動!ピーナッツの甘納豆なんて初めて。そしてこんなに美味しい甘納豆も初めて。動けば美味しいに出会える。この春は初めましてにどんどん会いにいこう。


<3月9日> 

ナボナの記憶

友人に会うため、久しぶりに東横線に乗り横浜方面へ。流れていく駅名や景色を眺めていたら、先日亡くなった伯母との記憶が蘇ってきました。伯母は東横線沿線に住んでいたんです。おばちゃんがよく買ってくれたナボナ、久しぶりに食べたいなぁ。そう思いながら友人との待ち合わせ場所に向かっていたら、なんと亀屋万年堂を発見!偶然なのか必然なのか…。あまりに嬉しくて5個も購入しちゃいました。今は色んな味があるんですね。私にとっては、ナボナといえばチーズクリーム味。そうそうこの味!きっと伯母も空の上から、食いしん坊な私を笑ってみているんだろうな。これからも見守っていてね。


<3月10日>

塊肉とじゃがいも

鶏肉は手羽、牛肉はスジ、豚肉はスペアリブ。それぞれのお肉の好きな部位です。豚のスペアリブは大好物!焼くのも好きだけど煮込むのはもっと好き。この日は茹でて冷蔵していたじゃがいもと一緒に、塩麹でコトコトしました。皮を剥いて大ぶりにカットしたじゃがいもの上に、塩麹で揉んでおいたスペアリブをのせて、少量の水分(酒と水)で蓋をしてゆっくり煮込むだけ。水分はじゃがいものが半分隠れるくらい、最小限にします。蒸し煮に近い感じ。蒸されてホロホロになったお肉も、お肉の出汁がしっかり染み込んだじゃがいもも、すっごく美味しい。手間はかかっていないけれど、時間をかけることで美味しくなるもの。煮込み料理のいいところを存分に味わえる一皿でした。


今家にアルモンデ(あるもので)。季節にアルモンデ(旬の野菜で)。私にアルモンデ(楽しみながらできる範囲で)。そんなアルモンデごはんを作る料理教室をしています。3月の教室のテーマは「乾物」。皆さんのおうちにもきっと一つはあるだろう乾物、最後に食べたのはいつですか?目が合うたびに「また今度ね」と言い続けていませんか?今こそ出番です。
皆さんのご自宅にあるであろう乾物と、農家さんから前日に届く新鮮な旬の野菜を組み合わせて、みんなで行楽弁当を作ります。昨年も大盛り上がりした行楽弁当がテーマのクラス。みんなで作ったものを銘々お弁当箱に詰めていただきます。
乾物って皆さんが想像するより、ずっと気楽な食材です。ちょっとしたコツさえ掴めば、日々のごはん作りの頼もしい相棒になりますよ。身近で手に入る乾物を色々使って、一緒に行楽弁当を作りませんか?
ご参加お待ちしています。


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