アルモンデごはん 2023年最後の上弦を越えて
一年で一番夜が長い日。陰極まって陽となる起点の日。私はゲッターズ飯田さんの占いを頼りにしているのだけれど、それによると来年は6年半の闇から抜けて輝く年になるのだそう。まさに陰極まって…です。6年半前といえば15年働いた会社も会社員も辞めた時期とちょうど重なります。もがいて迷走し続けてきたけれど、なるほど闇だったのね(笑)。積み重ねてきたことが花開く年になるなんて言われたら、今から来年が待ちきれません。
2023年 冬至をむかえるごはん
<12月18日>
マグロの柵が半額になっていたら迷わず買ってタレに漬けておきます。するとどうでしょう。数時間後には幸せな漬け丼タイムがやってくるんですよ。
マグロの赤身が大好きで、お寿司屋さんでは必ず鉄火巻きを食べます。居酒屋さんに鉄火巻きがあったら締めは確定です。ただ、赤身の握りがものすごく好きかというとそうでもなくて。最気づいたのは、私は赤身と海苔の組合わせがものすごく好きなのだということ。私の漬け丼は、ご飯の上に刻みのりをたっぷり置いてからマグロをのせるのが定番です。
朝の私のおかげで夜の私は幸せいっぱいでした。ありがとう。
<12月19日>
近所の公園ではサザンカが満開を迎えています。冬の大好きな花。他の花たちが寒さでしょんぼりしている中、堂々と咲き誇る凛とした姿に見惚れます。先日ある仕事場で「ゆうこちゃん、すごく前のめりに歩いてるけど気づいてる?」と言われてすごくショックでした。スマホを見ながら、考え事をしながら、いつの間にか手元や地面ばかり見て歩くようになっていたみたい。自ら狭い世界にのめり込んでいくような怖さを感じて、その日から意識して胸を開いて歩くようにしています。そうしたら今まで見えなかったものに気づくようになりました。サザンカの存在にも。近くにあったのにね。広い世界を狭くしてしまうのはいつだって自分自身なんだな。
<12月20日>
スープ作家の有賀薫さんのアシスタントとして、スープの日のイベントに参加してきました。このイベント、実は去年もアシスタントに入っていたので、あれからもう1年が経つのだと感慨深くなります。今年も有賀さんとたくさんお仕事をご一緒させていただきました。有難いことです。
いつも簡潔で的確な指示をしてくださる有賀さん。彼女の思考が整理整頓されているからこそ、こんな風に伝えられるのだろうと自分を顧みます。「思考の整理と言語化」を体現できている人。
仕事が終わって有賀さんとお話しするのが毎回本当に楽しいんです。お疲れのところ申し訳ないと思いつつ、いつも長居してしまって…。数年間受けている有賀コンサル、来年は結果を出して感謝を形にしたい。有賀さんは大好きな料理家さんで尊敬する人。来年も一緒にたくさんお仕事できますように。
<12月21日>
昨日古巣の店に立ち寄ったらオーナー夫妻(友人)と鉢合わせして、久しぶりに長話し。埼玉県草加にあるChavipeltoは、都市農業を実践する有機JAS認証ファームとオーガニックレストラン認証のDELIを共に営むお店です。働いていた頃は常に必死だったけど、畑のこと野菜のこと真摯な生産者さんたちがつくる素晴らしい食材や調味料のことを、たっくさん学ばせてもらいました。台風でハウスが飛んだり、大雨で収穫直前の葉物が全滅したり、端境期で毎日同じ野菜ばかり料理したり、賞味期限間近の食材をどう大量消費するか悩んだり。実践に次ぐ実戦の日々。これ以上の学びはないしどこでもできることじゃなかったと今はよくわかります。孤軍奮闘していたキッチンでの日々が懐かしい。来年はちょくちょく手伝いに行けたらいいな。
<12月22日>
冬至。私が大切にしている日の一つです。この日ばかりは「でんきを消してスローな夜を」過ごすと決めています。100万人のキャンドルナイトというイベントがきっかけでもう10年以上続けているのですが、そのイベントの発起人の一人が私の恩師である文化人類学者の辻信一さんなんです。
昨日炊いていたあんこと蒸していた南瓜を白玉にして、いとこ煮風の甘味をつくったら電気を消してロウソクを灯します。ぼーっと炎を眺めつつノートに今の想いを書き込みつつ過ごした2時間。陰極まりて陽となると言いますが、この日のこの2時間を境に私も陽に転じていくような気がしています。陰陽のバランスは揺らぎながらも、出来るだけ中庸であれたらいいな。
<12月23日>
お弁当を持って仕事へ。自家製ハム、ブロッコリーキムチ炒め、青のり卵焼き、蓮根とにんじんのサラダ、ゆかりごはん、しめじとネギの味噌汁。相変わらず詰め込みすぎで、映えから遠く離れたお弁当ですが、自分の作るお弁当が好きです。好きなものしか入ってない私のためのお弁当。上田淳子先生のレシピを参考に作った自家製ハムが美味しくて、盛り付けしながら2枚もつまみ食いしちゃいました。蓋を開けた瞬間の幸せな自分を想像しながらお弁当を作る、これも幸せ。私は私を喜ばせるプロなのです。
<12月24日>
鶏皮とその茹で汁、傷みかけたパクチー。この日の夕飯はアルモンデフォーでした。フォーを茹でている間に、鶏皮の茹で汁と塩とナンプラーを合わせてスープを作ります。茹で上がったフォーをお皿に盛って、刻んだ鶏皮とパクチーをたっぷりのせて、熱々のスープをかけたら出来上がり。所要時間10分というところでしょうか。食べる直前にレモン果汁をたっぷりかけるのが好きです。
フォーの懐は深く、スープや具材の組み合わせは無限にあるけれど、私の一番はやっぱり鶏肉+パクチー。このふたつが揃ったらフォーを作るという癖がついているみたいです。今週も良く働きよく食べました。ここから年末30日まで休みなし。2023年を駆け抜けます!
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