見出し画像

私たちが食べているのは

「私たちは、その土地の空気と水と大地を食べて生きている」
以前からもんやりぼんやりとそんな風に考えていたけれど、
言語化できたことではっきりと確信に変わったのは、数日前のこと。

とはいえこれは、私が生み出した定義なんかじゃない。
食べるという行為を通して、綿々と繋がれてきた信仰のようなものだと思います。

先日ある料理教室で、来日30年にもなる中国人の先生が、
「何年たっても牛蒡が身体に合わなくて、食べるとガスが溜まってしまうの。
 生まれ育ったところでは食べる文化がなかったからかしら。
 私の中には牛蒡をうまく取り入れる環境がないみたいなのよ。」
そんな風におっしゃって。

ああ、そうだよなぁ…とその瞬間に、冒頭の言葉が頭の中に落ちてきたのです。

マクロビオティックや食養生でよく登場する言葉に、「身土不二」というものがあります。
からだ(身)と自然(土)は、バラバラのものではない(不二)から、その土地でその季節にとれるものを食べていることが、健康には一番なんだよ。
そんな風にずっと理解していて、間違ってはいないと思いますが…足らなかったなぁ。

例えば、今の時期美味しいきゅうり。
95%は水分です。
もちろんその中にカリウム等の栄養素はあって、私たちを夏の暑さから守ってくれるのですが、平たくいえばきゅうりを食べる=水を食べているんですよね。
そのきゅうりが育った土地の水。
例えば、一年を通して食卓に欠かせない玉ねぎやジャガイモ。
根菜ですよね。土の中で育つもの。
これは想像ですが、きっと根菜は他の種類の野菜よりも菌にまみれて過ごしているんじゃないかな。
どんなに洗っても、皮を剥いても、私たちはその菌を食べている気がします。
その菌たちや沢山の命の亡骸でできているのが、土。土は大地。
玉ねぎやジャガイモを食べる=大地を食べているんですよね。
そして私たちは息をしています。生きている=空気を食べ続けているってことになるんじゃないかな。

私たちは、野菜や果物や、魚や動物や、ありとあらゆるものを介して、空気と大地と水を食べ続けて、生きているってこと。

身体にいいとか悪いとか、美味しいとか不味いとか、好きとか嫌いとか。
そういうのはぜーんぶ、その後のお話。
空気と大地と土は、地球という存在そのもの。
私たちは地球を食べて生きている、そう言ってもいいのかもしれない。
むしろ私たちは地球?
当たり前で、当たり前すぎて、忘れちゃっていたこと。

食、環境、それらをこの先の先の未来にも安心安全に繋いでいけるように、様々なことに関わってきましたし、これからも行動していこうって思っていますが、その根っこがどしーんとぶれないものになって嬉しいのです。

わたしたちが生きていくために、人と繋がるきっかけとして、日々の喜びとして、食べているのは「地球」。
より良いものにすることが幸せへとまっすぐ繋がっているなんて、最高!

全てを食べることから考えてしまう、どうしようもない食いしん坊だけれど、死ぬまでそこは変わらなくてよし。
地球が美味しくなるように、日々できるだけのことをしていくだけ。

#地球を食べる #ひびのわ #身土不二 #食べること


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?