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娘と私とお弁当

我が家は、敷地内同居で勝手口を開けたらすぐに義母の家がある。

私が出産・育児休業を終えて、フルタイムのまま思う存分仕事に復帰できているのは、おそらく義母のおかげだ。

出勤で朝7時には家を出る私に代わって、娘の朝食から保育園に行くまでの身支度、保育園の送り迎え、夕方私が夕食を作る間の娘のお世話をずーっとやってくれるのである。

お散歩、お絵かき、お人形遊び、ままごと、畑に野菜を植えて収穫を楽しんだり、季節のお花を植えて芽が出るのを毎日観察したり、2人で手作りのおもちゃを発明して遊んだり、実に楽しそうに過ごしている。

義母に足を向けては寝れないぐらいに、ほんとうにお世話になっているし、娘も絵に描いたようなばあちゃん子に育っている。

あまりにも義母と娘の時間が充実しているので、私は母として娘に何をしてあげられるんだろうか?どこで愛情を伝えたらいいんだろうと戸惑っていた時期があった。

ちょうどそのころに、娘のお弁当が始まった。

うちの保育園は毎年、10月から3月ぐらい(寒い時期)の間に、月に1度お弁当の日がある。

あー、私の愛情はここで表現しよう、と思った。

なんで愛情の表現場所=お弁当なのか。

それはたぶん、小さい頃、小学校低学年ぐらいの思い出に紐づいている。

私の母はもともと、料理が上手だったので、いつも彩りよく、美味しいお弁当を作ってくれていた。

そんな母が何かの用事で、お弁当の日に家を空けることになった。お弁当を作るのは父。父が料理をするのは知っていたが、お弁当を作るのを見たことがなかったので、子供ながらに猛烈に不安になった。

きれいなお弁当作ってくれるのかな、変なお弁当だったらどうしよう。

そわそわしながら起きたその日の朝、お弁当はすでにできていて、包まれていた。

父の前で中身を確認するわけにもいかず、そわそわしながらお弁当を持って学校へ行った。

ご飯の時間になって、恐る恐るお弁当のフタを開けたとき、衝撃が走った。

ウサギの形どりされた、おにぎり。飾り切りの果物。

完全に母のクオリティを超えていた。彩りも味も完璧だった。

何時に起きて作ったんだろう、どうやってこの形にしたんだろう、子供ながらに父が私のために一生懸命作ったのだ、ということが心から伝わった。

そのとき、私の中でできた方程式「お弁当ってたぶん=愛なんだ」。

初めて保育園のお弁当を作ったのは2017年。

可愛いお弁当を作ること自体、初めてだったからだからネットで「保育園 弁当」とか検索して、これならマネできる、と思う構図をマネして作った。(ちなみに今でも、お弁当の構図はお手本になるものを探してマネする、という手法。)

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卵焼きをハートにする方法や、ちくわとコーンでひよこをつくる技、ウインナーで宇宙人を作る技を覚えた。

2018年はキャラの精度が上がってきた年。

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中でも羊のショーンと、ガラピコは最高傑作だと今も思っている(笑)。

この年は、飾り用にカラフルなアラレを使うという技を身に着けた。

2019年はメジャーなキャラに挑戦して辛酸を舐めた年。

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誰もが知ってるキャラというのは、ちょっと目や鼻の位置が変わっただけで、何かアレ?残念な感じ?になるということがわかった。

この年の1番の手間ヒマ選手権アイテムは、右下のウズラの卵。食用着色剤で色づけして、ドットの部分をくりぬいて、入れ替える、というちょっと発狂しそうな作業だった。

そして、間もなく2020年が幕を開ける。

私は今年もお弁当に全愛を注ぐ(笑)。






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