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保育園の散歩風景に涙

もうひと月も前のこと。

スーパーに行く途中、桜を見ながらのんびり歩いていると保育園の園児が保育士さんに連れられて散歩しているところに遭遇した。

15人前後の園児に女性の保育士さんが2人。

園児は何歳くらいだろう。

みんな自分で歩いていたから4〜5歳くらいだろうか。


私はお散歩中の御一行とすれ違ったあと、思わず涙が込み上げてきた。


保育園のお散歩自体は何度か見かけたことがある。

ときにはまだ自分で歩けないような小さな子たちもカートのようなものに乗せられて散歩を楽しんでいた。


初めて見る光景ではないのに涙が出たのは、彼らが信号のない横断歩道を渡るところを目にしたあと。

あまり車の通りが多くない道ではあった。

でも、先頭の保育士さんが十分に安全を確認してから園児たちに声をかけながら先導する。

それに合わせ、2列にきちんと整列してそれぞれ隣の子と手を繋いだ園児たちがすばやく歩く。

園児たちの後ろを守る保育士さんはホイッスルを吹きながら周りに園児たちの存在を知らせつつ、園児たちの歩行を促す。

私もちょうど同じタイミングで横断歩道をわたったのだけれど、しっかりと保育士さんに従う園児たちと、園児たちを守るために全力を尽くす保育士さんの姿に感動した。

この文章を打っている今も思い出して泣けてきた。

なんだろう、この気持ちは。

もしかしたら、その時は桜を見ながら歩いていたので気持ちがたかぶっていたのかもしれない。


保育園の1日レベルで見れば、お散歩はたくさんあるルーティーンの一つに過ぎないかもしれない。

でも、日々繰り返される多くのルーティーンに、保育士さんたちは責任を持って臨んでいるに違いない。

そんな保育士さんたちだって、仕事を離れれば普通の女性あるいは男性であり、妻や夫であり、母や父である。

それが保育園では、保護者から預かった大切な子供たちを守る保育士という存在になる。


たかが保育園のお散歩風景だけれど、いろんなことを考えさせられた。

園児たちとすれ違ったあと私は、涙をこらえながらスーパーへと向かった。


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