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30万する着ぐるみの寿命を延ばす

2023/01/12 Twitterのリンクを追記
2023/09/20 タングルティーザーについて追記

響音カゲです。

先日、着ぐるみには寿命があるって話をしましたが、今回はそれに抗う話です。

不老不死の薬はないんですが、生活習慣に気をつければある程度健康寿命が延ばせるのと一緒で、着ぐるみも適切な扱いとメンテナンスを心がけていれば結構寿命は変わってきます。

着ぐるみの寿命をどうやって延ばすかという話をしていきましょうか。

着ぐるみが劣化する原因

前回の記事で、着ぐるみが劣化しやすい箇所は以下の2つと書きました。

  • フェイクファー

  • ウレタンフォーム

それぞれの劣化要因を見てみましょう。

フェイクファー

  • 摩擦、特に濡れた状態での摩擦や洗濯

  • ファー繊維の抜け

  • 繊維の熱劣化

  • 繊維のちぢれや断裂、折り目

  • 紫外線や洗濯による脱色

ウレタンフォーム

  • 紫外線、水、アルコール、酸素などによる加水分解

  • 経年劣化による加水分解

  • 摩擦や水を含んだことによる崩壊

  • 経年劣化や紫外線による黄変

劣化を避ける方法

上記のような劣化を避けるには正しいお手入れが欠かせません。
現時点で響音カゲが考えている最善の方法は以下の通りです。

  • ファーの洗濯は必要以上にしない。汗や汚れを付けない工夫をする。

  • リセッシュなどのアルコールが含まれるスプレーを使用する場合は、ウレタンに付着しないよう注意する。

  • ウレタンには水を染み込ませない。どうしても水拭きする必要がある場合は、固く絞った雑巾やノンアルコールのウェットティッシュで拭く。

  • 着ぐるみを着用するときはアンダーアーマー ヒートギアなどの良質なインナー、靴下、手袋および目出し帽を着用し、皮膚や汗を着ぐるみに付着させないようにする。ファーが湿るまで長時間キャラを出さない。

  • 可能ならば、着用型のあんこを使用するなど、ファーとインナーが直接触れないような着ぐるみの構造にするとなお良い。

  • タングルティーザーを使うのは濡れたファーや極端に絡んで劣化が進んだファーだけにし、極力乾燥したファーは避ける。

  • 無理にブラッシングするとファーが抜けるので極力優しく。一度抜けたファーは二度と元に戻らない。

  • 繊維、特に首元が伸びるため、濡れたファーを吊るさない。

  • ファーが折れた状態で保管しない。一度折り目がついたファーは完全には元に戻らない。

  • 着ぐるみを着たまま寝ない。

  • 陽の当たる場所に着ぐるみを保管しない。

勘違いしがちなんですが、アンダーアーマーはヒートギアが夏用です。


劣化を避ける洗濯方法

  1. ファスナーを閉めた状態で表向きのまま洗濯ネットに入れる。裏地がある着ぐるみの場合は裏返しにしてもよい。

  2. 洗濯機に入れる。洗剤はエマールを使用する。柔軟剤は好きなものを使用する。私は着ぐるみに使うときは無香料の柔軟剤が好きなので、ソフラン プレミアム消臭 ウルトラゼロを使っている。

  3. 洗濯機ではクリーニングモードなど、できるだけ生地へのダメージが少ないモードを選ぶ。脱水もあまり長時間しない。乾燥機は禁忌。

  4. 洗濯後、屋内ですのこの上に平干しかつ陰干しする。すのこをやや斜めにし、上下から扇風機やサーキュレーターで風を当てながら乾かすと良い。表裏を入れ替えつつ乾かしながら、タングルティーザーでファーの絡みを大まかに取っておく。

  5. 乾燥後、黒毛豚のブラシで毛並みを整える。


2023/01/12追記:

長い文章を読みたくない人はこれを守ってください。

すのこ以外にも物干しスタンドも良さそうです。

ファーを裏返してはいけない理由。

追記ここまで


劣化を避けるイベント前後のお手入れ

  1. イベント前は吊るしで保管しておく。香り付けのために洗濯する人がいるが、汚れていないのに洗濯するのは繊維にダメージが入るので着ぐるみの寿命を確実に縮める。ボディを消耗品と割り切れないのであれば、柔軟剤スプレーを裏地に吹くぐらいにしておいた方が良い。

  2. 当日は雨等で濡れないよう、ビニール袋に入れて持ち運ぶ。移動時以外はできるだけスーツケースから出して保管しておき、ファーが折れるのを防ぐ。

  3. 着用前および着用後にはファーのブラッシングを行う。多少絡みがあれば普通のくしで解く。毛並みの乱れは黒毛豚ブラシで撫でるようにして直す。

  4. 着用後はヘッドの内側が湿っていればノンアルコールウェットティッシュで拭いておく。ホテルなど、サーキュレーターが持ち込める場合は、サーキュレーターの上に置いてヘッド内部の乾燥を早めるとより良い。

  5. ボディは湿っていればリセッシュを裏から吹いておく。湿り気が取れるまで可能なら干しておいた方が望ましい。

  6. ケモ足は足裏がEVAフォーム(ジョイントマット)やゴム製の場合はウエットティッシュで拭いておく。ケモ足は汚れやすいので他のパーツと一緒にしない。

  7. 帰宅後は再度ブラッシングして干しておく。万が一汚れや匂いがついてしまった場合はできるだけ早く洗濯する。

まとめ

着ぐるみって自作でもフルスーツ1着で7万以上、コミッションで30万以上は普通にするので、できるだけ長持ちさせたいはずです。
できるだけ丁寧に扱ってあげることで寿命も延びます。

最近だとシバ制作所みたいな修繕専門でやってるところもあるので、劣化が気になっている方は声を掛けてみても良いんじゃないでしょうか。

とりあえず毛並みを改善するなら、ファーの絡みをくしやタングルティーザーで慎重に取ってからブラシで毛並みを揃えることが一番だと思います。


2023/09/20追記

個人的にはタングルティーザーは場合によってはありだと思ってます。力加減が分からない場合とか、良いくしを持っていない場合とか、どうしても時間がない場合とか。

イベント出す頻度が多い人とかだと使わざるを得ないケースもあるんで。

ただ抜けやすいのは事実なので、寿命削って時短してるという意識持って使ったほうがいいですね。

ちなみにぼくはにゃんの足裏みたいに、よっぽどひどい状態のチリチリのファーのときはむしろ使ってないです。そこまで状態悪いとだいたいハゲる。

追記ここまで


それでは。


キャラクターの創作費に使わせていただきます。