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【ケモノ着ぐるみ】ボディの型取り【アドカレ13日目】

この記事は日陰工房アドベントカレンダー2022の13日目の記事です。


響音カゲです。

ボディの型取りのしかたを紹介します。

本記事中で登場するダクトテープダミーについては、以下の動画でも解説していますので併せて見てみてください。
作り方も、あんこを盛るかどうかの違いなのでよく似てます。

注意点

先にケモ足の造形は済ませておきましょう。

足との継ぎ目を正確に作るためには、ケモ足を完成させておく必要があります。最低限、ウレタン造形までは完了している必要があります。

必要なもの

  • デザイン画 正面、横、後ろの3面が描かれたもの(3面図)

  • サランラップ 22cm幅 50m 3巻以上

    • サランラップ以外はくっつきにくいのでダメです。幅も22cmが一番使いやすいです。

  • ガムテープ 4巻以上

  • 本人で型取りをする場合:

    • 型取りを手伝う人 1人以上

    • 万が一切れても良いインナー 上下

      • ないなら、おたふく手袋みたいな安いやつがおすすめです。

    • 飲み物

  • 本人で型取りをしないのなら、ダクトテープダミー(マネキン)

  • ケモ足(最低限ウレタンまでは完成していること)

    • 足の継ぎ目を正確に作るためには先に足の造形を済ませておく必要があります。

  • (なくても可)梱包用ラップ

  • (あると便利)鏡

    • 大きな鏡のある場所でやると、確認しやすいです。

ボディの型取りの手順

約1~2時間ほど掛かります。

本人で型取りをする場合はインナーに着替えます。事前にある程度水分を取っておくとよいです。

  1. インナーに着替える。ダクトテープダミーを使う場合は不要。

  2. サランラップを全身に巻く。これもダクトテープダミーを使う場合は不要。

  3. あんこを盛り、サランラップで固定する。

  4. ガムテープで少しずつ固定しながら、あんこを足したり減らしたりして造形していく。

  5. 造形し終えたら、ガムテープを1~2重程度になるように隙間なく巻く。

  6. 模様、裁断線、合印、パーツ名、ファーの毛並みの向き、ファーの色、パーツ名を書き込む。

  7. 裁断線に沿って切り出す。

  8. 不要なラップを除去する。

1. インナーに着替える

本人で型取りをする場合、インナーに着替えます。

インナーはどうしても切れることがあるので、万が一切れてもいいものを使うといいです。おたふく手袋のインナーとかが安くて使い捨てしやすいと思います。

型取りをする前にトイレや水分補給は済ませておきましょう。

もちろん、ダクトテープダミーを使う場合は不要です。

2. サランラップを全身に巻く

本人で型取りをする場合は、インナーの上からサランラップを巻きます。皮膚やインナーにガムテープがくっつかないようにするためです。

腕は上げたまま固定する必要があるため、最後に巻くと良いです。左右非対称のデザインの場合は頭部を除く全身を、左右対称のデザインの場合は胴体と片腕・片足を型取りします。

3. あんこを盛り、サランラップで固定する

綿、クッション、新聞紙といったあんこを盛り、上からサランラップを巻いて固定します。あんこに使うものは何でもいいですが、綿が一番綺麗に形を出しやすいと思います。

型取りに使う綿はホコリ等が混入しやすいので、着ぐるみに使う綿とは分けておいたほうがいいです。

造形時は3面図を参照しながら、正面、左右、後ろからそれぞれバランスを確認していきます。

本人で型取りをする場合は自分では確認できないため、大きな鏡のあるところで型取りをするか、時々巻いてもらっている人に写真を撮ってもらうと良いと思います。

4. ガムテープを巻く

ガムテープを少しずつ巻きながら、造形を確定させていきます。

一度にガムテープを巻いてしまうのではなく、造形を慎重に確認して、あんこを抜き足ししながら、少しずつガムテープを巻いていきましょう。

ガムテープを巻く順序については何でもいいですが、基本は体の面の向きに沿って巻いていき、あとから隙間を埋めていくように巻くときれいに型紙が仕上がると思います。

5. ガムテープを隙間なく巻く

造形が固まったら、ガムテープが1~2重程度になるように隙間なく巻きます。ガムテープ同士が重なっていない、サランラップが露出している箇所がなくなるように巻いてください。

6. 模様等を書き込む

次の情報をマッキーペンで書き込みます。

  1. 中心線を書き込む

  2. 3面図を見ながら、模様を書き込む

  3. 裁断線を書き込む。主に、トルソーライン、体側、太ももの横、足のセンター、腕の下など。以下の記事を参照

  4. 合印を書き込む。パーツがずれないようにするため、模様や裁断線のラインに対して直角に、10cmおき程度で短い線を書いておく

  5. 各パーツにキャラクター名、パーツ名、色、左右を書き込む

  6. 毛並みの向きを各パーツに矢印で書き込む

裁断線は特に正解はありませんが、以下の記事の4ページ目に例が載っています。模様や体型、ファーの種類によってもどのようにパターンを分割するべきかは変わってくるので、一概にこう! と言い切ることは難しいです。立体をうまく平面に起こすことを想像しながら裁断線を書き込んでいくと良いんじゃないかなと思います。

色々なキャラクターの分割線を実際に調べながら勉強していくと良いんじゃないでしょうか。

例えば、しっかりと胸が分離しているメスケモの裁断線はこんな感じがおすすめです。

メスケモのダーツ例

縫製が複雑な場合は、各パーツの境界につながるパーツ名を書くか、記号を振ってあげると、後で縫い合わせるときに楽になります。例えば、私はパーツの境界にはアルファベットやギリシャ文字、カタカナ辺りを振るようにしています。

パーツ名は自分が分かるように書けばいいです。私は以下のような命名規則で書き込んでいます。

《キャラID》《パーツ分類》《パーツ名》《パーツが複数ある場合のパーツ番号》《左右》《表裏》《色》

例えば、テルルというキャラクターの前髪の2番目の房の上部分で右側かつ表、青色のパーツなら、Teruru-Head-Hair-Front-2-Up-R-オモテ-Blueを省略して「TeHeHa Front2Up R オ Bl」と書いています。後でわからなくならなければ何でもいいです。

パターンは自分が分かれば何でもいい

各情報を書き込むときは、中心線は赤、模様は青、裁断線は黒のように、ペンを色分けして使っても良いと思います。

7. 裁断線に沿って切り出す

模様や裁断線に沿ってハサミやカッターで切り出し、脱出します。

皮膚やインナーを切らないよう、慎重に作業してください。

8. 後処理、ラップ除去

型取りお疲れ様でした!

型紙は使いやすいように裏にある二重以上に重なった余分なラップをハサミで切ったりして取り除きます。

その後、裁断線や模様の線に沿ってハサミで切り開いて展開しましょう。

十分に平面にならなかった場合は、追加で裁断線を追加すると良いです。

型紙をキレイに仕上げるのであれば、後処理として紙に写したりして清書しても良いです。

実際の例

テルルの型取り。線は脱出してから引いているので、これはイメージ図です。テルルはメスケモですが、胸は分離させません。

下半身だけですが、過去にダクトテープダミーでウサギを作ろうとしたときのダーツ例はこれ。

これはGentouさんのダーツ例。

Kemonokapiさんのパターンを数キャラ。

これは慕慕慕さんのパターン。

TRKさんによるバスト周りの作例。

これはSchneepardiCreationsさんのパターンです。

他にも作例はネットの海を探せばいっぱいありますし、制作オフに見学に行けば見れることもあります。
また、実際に他の人の型取りを手伝うのも良い勉強方法です。

まとめ

パターンは数を積んで上達するものですから、インプットとアウトプットを繰り返していきましょう。

それでは。


明日の記事は「3Dデータからヘッドシェルのデータを作成するワークフロー」です。


キャラクターの創作費に使わせていただきます。