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H.M式ヘッドベースの組み方(ver. 2)

2024/05/21追記:H.Mさんが動画を出してくださってます。参考にしてみてください。

追記終わり


どうも、響音カゲです。ウレタンに飢えてます。

これは元ブログからの移植記事です。ウレタンに飢えすぎて、過去のブログを破壊してしまいました。ごめんなさい。

この記事はH.M式ヘッドベースの組み方の解説です。読みやすくなるように、全面的に古い記事や本の内容から改稿しています。

筆者はH.Mさんとは全くの別人です。記事を書く際にH.Mさんに許可をいただきました、本当にありがとうございます。

型紙のダウンロードはこちら→ https://onedrive.live.com/?authkey=%21AJmcLcaBwMDEjXM&id=FDA79A119176B7D3%21121330&cid=FDA79A119176B7D3

難易度:ちょっと難しめ
時間:初めてなら1週間、慣れれば削り前までで1日
費用:2,000円~

最低限、デザイン画を作るところまでは進めておいてください。

着ぐるみのヘッドベースを作る

初めてのケモノ着ぐるみ制作で、よく一番の障壁となるのがヘッド部分の制作です。

そのヘッドの基礎部分、ヘッドベースは特に難しいです。

ケモノ着ぐるみの構造は次のようになっています。

①ヘッドベース(シェル)
②ファーのガワ
③各種パーツ(鼻など)

このうち、ヘッドベース部分をウレタンで作るための型紙をH.Mさんが公開しています。こちらの型紙の組み方について解説します。

材料

急いでる人向け:
・2cm厚ウレタン 1,000x1,000[mm] 1枚
・4cm厚ウレタン 500x500 [mm] 2枚
・G17 170ml 2本
・カッター 小
・OLFA 特選黒刃(小)50枚入り
・マッキー 数色 or ペイントマーカーの白(ウレタンに描ける色で)
・印刷済みの仮目

2cm厚ウレタン:1,000x1,000 [mm] サイズ 1枚
東急ハンズ》《ソフトプレン》《佐々木商店

4cm厚ウレタン:500x500 [mm] サイズ 1~2枚
ユザワヤ
手に入らなければ2cm厚ウレタンを重ねるか、5cm厚ウレタンでも位置に気をつければ代用できます。《東急ハンズ

G17:170ml 2本以上
ヨドバシ

有機溶剤臭いです。Gクリヤーを使うと多少マシですが若干高いです。家で生き物などを飼っている人は、使ってる時は部屋に入れないように。

G17は毒性があるので、3Mとか重松の防毒マスクしながら作業するのを強く推奨します。臭くないし。
今後レジンや樹脂などを扱う時にも必要になるので、買っておいて損はないです。

手に付くとマジで取れないしイライラするので、使い捨てのゴム手袋もあるとベターです。薄手だと作業しやすいです。

カッターナイフ:OLFA 特選黒刃(小)
ヨドバシ

ウレタンの削りと切り出しに使います。

切り出し工程に限っては、電動のパン切りカッターも使えます。筆者には、4cm厚はこっちの方が切り出しやすいと感じます。
わざわざ無理して買う必要はないですが。

マッキー
Amazon》《ヨドバシ
黒ウレタンの場合、白のペイントマーカーがおすすめ。黄、白ウレタンなら何色かマッキー持っておくと書き分けできて地味に便利です。時間が経つと消える紫チャコエースとかも使えます。

ハサミ、カッター本体を揃えます。この2つは100均一でOKです。

事前に、何サイズか仮目を印刷してダンボールに貼り付けたものを作っておくとよいです。目で大きく印象が変わるので、バランスを見る意味でも早い段階で入れた方がいいです。

組み方

①型紙をA4いっぱいに印刷して切り抜きます。厚紙に貼って切り抜くと使いやすくなります。

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②型紙をウレタンに書き写してカッターで切り出します。

ベースパーツ1:3枚
ベースパーツ2:330 x 60 [mm] 2枚 or 660 x 60 [mm] 1枚
ベースパーツ3(あごひも):330 x 40 [mm] 1枚 + 加工
マズルパーツ:2枚 マズルは好きな形に加工してください。
頬パーツ:4枚 頬のラインも好きに加工してください。
額パーツ:2枚

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下顎側面パーツは、わざわざ切り出さなくてもウレタンの端切れで埋めるだけで十分なことが多いです。

③ベースパーツ1の各辺を接着して半球を組みます。

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G17は接着面の両側に塗った後に、乾燥させてから貼ります。

気温によりますが、数分で表面がさらっとする(素手では触らない方がいいです)のでその後に貼り付けると仮止め不要で強度が出ます。
Gクリヤーは+数分ぐらい乾燥遅いです。

④ベースパーツ2の端を接着し、輪を作ります。

⑤ベースパーツ1の下にベースパーツ2の輪を接着します。

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ベースパーツの正面の向きを、横に使うか縦に使うかで丸顔、細顔かが変わります。実際に両方組むと分かります。

⑥接着の目安となる正中線を縦横に引いておきましょう。

⑦あごひもを片方だけ接着します。

⑧乾燥させます。

⑨試着し、顎に密着するようにあごひもの長さを調整します。筆者は結構小柄なので、元の寸法よりも数センチぐらいは切り落としています。

⑩反対側もあごひもを接着します。

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⑪頬パーツ、マズルパーツを2枚重ねて接着します。

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⑫マズルパーツを接着します。
高さで結構雰囲気変わるので、横から見ながら自分のデザイン画とにらめっこして位置決めしてください。あご紐ともくっつけます。

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⑬乾燥させて試着し、顎や頭の密着度合いを調整します。
多少なら顎下に適当なウレタンを貼ったり、頭頂に5mmウレタン貼ったりしてカバーできます。

この時点でガバガバだったり、キツすぎてウレタンが伸び切っているようなら、あごひもの長さや型紙の縮尺を見直した方がいいです。

⑭頬パーツを接着します。

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⑮額パーツを接着します。
40mm厚ウレタンを曲げて貼るので、かなり歪みやすいです。左右非対称な歪みが出やすい部分なので、G17の量も左右できるだけ均等に薄くなるよう慎重に接着してください。
経験上、押し当てて貼る時が一番歪みやすいです。力の掛け具合に注意。

⑯この時点で各パーツではみ出している部分を切り、不要な部分を整理します。

⑰下顎を埋めます。あご紐とマズルパーツと頬パーツの隙間が開いてると思うので、適当に余った4cm厚ウレタンを貼って埋めて、切っておけばOKです(2回目)

ここまでで削り出し前のベースは完成です。慣れれば数時間で量産できると思います。

あとは目を入れて、耳、角などを足したりと、盛って削って仕上げます。

これは筆者が耳を切り出しているところ。

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コツ

・マズルパーツ、頬パーツの外側のカーブは適宜キャラデザインに合わせて書き換えて使います。
・カッターの刃はケチらず切れ味落ちたら変えたほうがいいです。
・自分の頭のサイズに合わせて、縮尺を計算して作ったほうがより正確にフィットします。顎を動かしたい場合はかなりシビアになります。
・最初の1回はだいたい失敗するので、2, 3回分ぐらい材料あったほうがいいです。ホムセン近ければ毎回買いに行ってもいいですが。

総評

とても良くできた型紙ですが、特徴やクセ、設計理念を理解して使わないと失敗します。

【H.M式のメリット】
・ウレタンの切り出し効率が非常に良い
・無理な曲面接着がないため、ウレタンの歪みが比較的少ない
・ベースの時点である程度シルエットが見えやすい
・型紙化されているので安定して同じ形を作りやすい
・あご横の強度を意図的に落としやすいため、顎開閉が可能
・ウレタンでも比較的小顔が作りやすい

【デメリット】
・サイズやマズルラインなどが改造前提の作り
・アゴ周りの密着を出すのが最初は分かりづらい
・自分に合わせたサイズを出すためには何度か試作が必要
・原型には後頭部の盛りがないため良くも悪くも小顔がデフォルト
・特に、短マズル丸顔(アト◯まさんとこの子とか)に必要な盛りがない
・曲面貼り付けがないわけではないので、ウレタンのテンションは考える必要がある
・4cm厚のウレタンが人によっては入手しづらい

何度か組んでいますが、
・中~長マズル(マズル長が約6cm以上)
・ハーフ〜ハーフでもフルでも運用できるサイズの小顔〜中顔、特にイヌ科やドラゴン
あたりが作りやすい印象です。

型紙の構造としても、半球作成などの部分だけでも非常に参考になります。この型紙を組んでいると、ヘッドを作る時に、どこを盛るべきかという1つの思想が伝わってきます。
ぜひ、みなさんも一度組んでみてはいかがでしょうか。



キャラクターの創作費に使わせていただきます。