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脱コロナを感じて夏

先日、飲み会に出かける前に母が言った。
「メロン、切って取っておくね」
私は言った。「いや、帰り遅くなるかもしれないし、メロン切ってくれてもなあ」
そのメロンはお取り寄せで毎年買っているもので、値段は知らない方が良いが、とっても美味しいのだ。なんでこんな日に切るんだ、とちょっと恨めしさが滲む。
「じゃあ朝まで残ってたら食べちゃうわ」「わかった、ありがとう」そうして家を出た。

飲み会が始まった。色んなことを話した。仕事のこと、これからのこと、趣味のこと、生活のこと。自分の今を褒めてもらったりしてちょっと気分も良くなった。(きっとこれは私がマウントを取ったということだ、全く、嫌な奴だ)
お酒を飲みながら、でも、帰ったらメロン食べよーということは忘れなかった。結局、一次会で解散して、お酒も2杯ほどしか飲まず、メロン楽しみだなーと思いながら帰った。そして、家に着いてメロンを頬張ったときに思ったのだ。

いや、めちゃくちゃ脱コロナじゃん

メロンを食べながら感動してしまった。

コロナの時期はそうはいかなかった。
ただでさえ推奨されていないし、普通にコロナにはなりたくないし、だからどうしてもという飲み会しか参加できなかった。そもそもすごく仲の良いメンバーでなければ開催されなかった。
今はなんとなくの知り合いからもお誘いが来るし、スケジュールが空いてるし参加するかーで参加できるし、その飲み会を絶対楽しまなきゃいけないというプレッシャーも無い。まあ大したことなかったな、そう言える。マウントを取ってその後誘われなくても別にいいや、そういう人とも飲みに行ける。

脱コロナの世の中になったから、メロンに負ける飲み会が復活したんだなあ

メロン、良かったね。君の価値はだいぶ戻ったよ。
夜中に食べるメロンは殊更に美味しい。

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