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「苦しかったときの話をしようか」を読んで

僕は2022年4月からサラリーマン生活を始めました。そんな中で「このまま働いていくのかしんどいな」と思うこともありました。そこで森岡さんのこの本に出会い、ビビッときたので読んでみました。

個人的に勉強になったポイント3つ

・自分にとっての宝物を探すこと。それを磨くことに時間を使うこと
・ブランドエクイティピラミッドを作り、それをもとに行動すること
・本質⇄構造⇄現象を見極めること

自分にとっての宝物を探すこと。それを磨くことに時間を使うこと

森岡さんは本書にて自分の強みとは自分にとっての宝物であり、その宝物を磨くことに時間を使おうと言っている。会社がお金を払っているのはあなたの弱みを改善するための時間ではなく、あなたの宝物によってもたらされるプラスの影響である。

自分の宝物

僕の宝物は「誰とでも仲良くできるコミュニケーション能力」だと思っている。理由はこれまでの人生でのラッキーさだ。
自分の人生は他の人に助けてもらってばかりで自分で解決してくる人生ではなかった。学校のテストは他の人のノートを借りて勉強していたし、親に助けてもらってお金に困ることもなかった。留学したいと思ったらそれをサポートしてくれる友達や親がいたし、彼女が欲しいと思ったらそれを実現できる環境があった。自分は本当に周りの人に助けてもらってここまでくることができた。

とはいえ、ここまでラッキーなのには何かしらの要因があるのかなと考えてはおり、それが自分のコミュニケーション能力によるものなのかと思う。
だからこそこれからも自分の強みである「誰とでも仲良くできる能力」を磨いていきたいと思う。

ブランドエクイティピラミッドを作り、それをもとに行動すること

ブランドエクイティピラミッドとは、自分のブランド設計図のことです。
・自分がどういう人間なのか
・何を強みとしているのか
・何を提供できるのか
・どのようにして提供するのか
などがわかるものです。

ブランドエクイティピラミッドを作る理由は、周りの人に「そういう人」だと思ってもらえるようになり、会社で仕事をしやすくなるためにあると思います。
僕の場合はそれ以外にも、普段の生活にて意識するべきことを常に思い出させてくれるものになりそうだなと感じています。

実際に僕が自分のブランドエクイティピラミッドを作ってみたものが上記です。

WHO

WHOにはあなたのブランドとしての価値を届けたい対象を書きます。僕の場合は新卒1年目のPdMでまずは社内のPdMに自分がこんなことができるという価値を届ける。特に自分の上長のPdMに「自分の価値」を届けることが大事なことだと考えています。なので、Strategic Target(ST)には会社内のPdM(およびPMM)、Core Targetには上長のPdMをおいています。

WHAT

ここでは自分がどんな価値を提供できるのかを明確にします。自分の場合は希望的観測も含めていますが、「今解くべき課題を抽出することができる力」としています。(希望的観測がなくてもこれを強みと言えるようになりたい…!)

PdMとして対処するべき課題ややりたいことはたくさんあります。これはどのPdMも同じだと思います。ただ一流のPdMはその中から今解くべき課題を抽出し、それに対して適切なHOWを提案できるPdMだと思います。

なので自分が思う最強のPdMになるためにも「今解くべき課題を抽出する能力」を提供できる便益としておいています。(自分の中での打率は2割くらいのイメージなので、これを5割には持っていきたい!)

また、その便益を裏付ける証拠も必要です。ここで最強なのは過去の実績ですが、僕にはまだ実績がないのでまずは実績を作ること。これを目標でやっていきます。

課題を抽出するためには論理的に思考することができる能力、そして構造を理解し本質を捉えることができる能力が重要だと思います。なのでこの2つをRTB(Reason To Believe)にしています。

HOW

その価値をどのようにして届けるのかをHOWで説明します。
解くべき課題を抽出するためには、なぜそれがいまとくべき課題なのか、その課題の粒度は適切なのか、他の課題よりもその課題を解いた時のインパクトが大きいのかなどを説明できるようになる必要があると思います。なので、僕はそれが説明できるレベルになるまでのリサーチが方法としての1つだと思っています。

エクイティピラミッドを書いてみて

単刀直入にいうと、めちゃめちゃおすすめです。自分の提供できる価値(もう働いている人にとっては今自分が提供できている価値の棚卸し)を明確にできます。
また、自分が提供したいと思っている価値に対して、RTBがどれだけ欠けているのか、自分の提供したい価値を提供するためには何が足りていないのかわかります。
僕の場合は自分の提供したい価値に対してRTBが圧倒的に欠けているので、

1. まずは会社で実績を残すこと(解くべき課題の抽出→実際に解いて成果を残す)
2. noteやTwitterなどで構造理解⇄本質のアウトプット機会を増やすこと

をやりたいと思っています。
このブランドエクイティピラミッドを作るまで自分のRTBが欠けているとは思っていなかったので、それを知れるいい機会になりました。

自分の提供できている価値が理解できている人は自分のするべき仕事がわかります。また評価のタイミングでも自分の提供した価値がわかるので、正当な評価かどうか判別することができます。このような点においてもブランドエクイティピラミッドを使えるのでぜひ皆さんもやってみてください。

僕はこのブランドエクイティピラミッドを定期的に見返して、自分がなりたいPdMになれているのか確認します。

本質⇄構造⇄現象を見極めること

この本はキャリア戦略や働き方、悩めるサラリーマンへの自己啓発本のイメージが強かったのですが、思わぬ収穫をしました。

それが本質⇄構造⇄現象を見極めることです。

例えば、Airbnbの改善要望で「ホストの顔が見えるようになって欲しい」との要望があったとします。

これに対して単純にホストの顔が見えるようにUIを変更するのは「△」です。なぜならこれは現象にだけ対応しているからです。

実際にユーザーインタビューをしてみると、ホストの顔が見えるようになって欲しいというのはホストが「男性か女性なのかわからないのが不安」だからだったとしましょう。ここまでわかるのが構造の理解です。
滞在する旅行者は、ホストの家に泊まるということでそのホストが男性なのか女性なのか知りたい。それによって滞在先の選択肢が変わるから。
つまり滞在先の選択には、

  1. 場所の候補地選定

  2. ホストの情報閲覧

  3. 滞在意思の決定

という流れができることがわかります。

ここまで理解できたらあとは「他にどんな要素が滞在の意思決定を阻害しているのか」を洗い出して、それに対応することでAirbnbの利用者は1~3のステップを短時間で行えるようになり、Airbnbにて滞在する人が増えます。それはつまりAirbnbのGMVが上がることにつながり、Airbnbも儲かるのです。

PdMとしてこれは非常に大きな学びだと考えており、恥ずかしながら僕は現象に踊らされやすいPdMでした。課題があった時にその課題をすぐに解いてしまい、次から次へと降ってくる課題に対応しているだけでした。

この本を読んだからには課題が降ってきた時に「これは現象なのか、現象なら構造的な課題は何なのか」を判断したいと思います。

最後に

森岡さんは期待を裏切りません。必ず新しい知識やひらめきを与えてくれます。
キャリア戦略について考える機会を与えてくれました。
実際にブランドエクイティピラミッドを作ったことは本当に良かったです。

この本はサラリーマン全員におすすめできる本であると思うので、ぜひ手に取ってみてください。

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